2011年5月のサッカー
Index
- 05/03 ○ 鹿島2-0上海申花 (AFCチャンピオンズリーグ)
- 05/10 ○ 鹿島2-1シドニー (AFCチャンピオンズリーグ)
- 05/15 ● 川崎3-2鹿島 (J1・第11節)
- 05/21 △ 浦和2-2鹿島 (J1・第12節)
- 05/25 ● FCソウル3-0鹿島 (AFCチャンピオンズリーグ・ラウンド16)
- 05/29 ● 広島2-1鹿島 (J1・第13節)
浦和レッズ2-2鹿島アントラーズ
J1・第12節/2011年5月21日(土)/埼玉スタジアム2002/スカパー!e2(録画)
スタメンをいじらないオリヴェイラさんにしては珍しく、この試合では思いきった手を打ってきた。なんと小笠原がベンチ外。でもって新井場もスタメンを外れた。
オガサに関しては調子が悪いという話も聞くけれど、彼のチーム・リーダーとしての存在感の大きさは疑いようがない。それをベンチにさえ入れないというのは、これひとえに、水曜日のACLを見越してのことだろう。いくら相手が(こちら同様)いまいち調子が上がらないレッズだとはいえ、リーグ戦にオガサをはずして臨むってのは、これまでのオリヴェイラ采配からすると意外もいいところ。今回のACLにかけるオリヴェイラさんの本気度が伝わってくる。
そんなわけでこの日のスタメンは、曽ヶ端、西、岩政、伊野波、アレックス、青木、増田、野沢、遠藤、大迫、興梠の11人だった。オガサの代役は増田、そして新井場の代役は故障明けのアレックス。まあ、彼が戻ってきたからこそ、新井場を休ませられたわけだ(さもなければ、さすがに現状で新井場抜きは考えられない)。
しかしオガサ抜きでどうなることかと思えば、これが意外、とても出来がよかった。まあ、もしかして相手のレッズの不調に助けられたのかもしれないけれど、前半13分に西大伍の移籍後初ゴール(興梠の手にあたってコースが変わったように見えましたが…)で先制すると、後半14分にはさらに増田が追加点(野沢のダイレクト・ボレーのクロスが見事だった)。2-0となって、こりゃさすがに今日は勝ちはもらったと思った。
ところが、わからないもので、この試合はその後10分もせずに振り出しに戻ってしまう。途中出場の高崎(誰?)とマゾーラに立てつづけにゴールを決められて、あっという間に同点。なんだそりゃ~。
どちらも積極的にシュートを打ってきた相手の姿勢が運を呼び込んだって部分はあったけれど、でもどちらの場面もいまひとつ守備が淡白だったように思えた。ほんと、今年のディフェンスはどうしちゃったんだろう。なんたって、現時点での失点の多さはリーグの下から2番目、エスパルスと並んでブービー賞タイだ。ACLの関係で試合数が2試合も少ないことを考えれば、最下位も同然という気さえする(ちなみに最下位はアビスパ福岡。あそこはほんと守備力に問題あり)。あぁ、それまではいい試合だったのにもったいない。ひさしぶりにスコアレスで終わるかと思いきや、まさかドローに持ち込まれてしまうたぁ、思ってもみなかった。
それにしても、相手のレッズは、エジミウソン、マルシオ・リシャルデス、原口元気、エスクデロ、柏木、鈴木啓太と、布陣はいたって豪華なんだけれど、不思議とまったく怖くなかった。得点の場面はどちらも個人技だったし、あとはまるで攻撃が形になっていない感じ。低迷するのももっともだ。とはいえ、ここと鹿島が現在、降格レースのボーダーを争っているというのもどうかと思う。
あ、あとレッズは、スタメンにエジミウソン、マルシオ・リシャルデス、長身DFのスピラノビッチと外国人が3人出ているのに、あとからブラジル人のマゾーラが出てきたのにびっくりした。おいおい、外国人が4人もいるよと思って調べたら、スピラノビッチがオーストラリア人だった(名前でモンテネグロあたりの人だと思っていた)。そこにエスクデロも加わるもんだから、なんか外国人枠違反な感じ。名古屋同様、ちょっとずるっぽい。でも、それだけ外国人がたくさんいても勝てないあたり、Jリーグも甘くなくなったよなぁと思う。
(May 23, 2011)
鹿島アントラーズ2-0上海申花
AFCチャンピオンズリーグ/2011年5月3日(火)/国立競技場
やっぱ、アントラーズが国立でホームの試合をしているうちに、ひとつは観ておかないわけにはいかないだろー……ってんで、ゴールデンウィーク中のこの試合を観に行ってきました、国立競技場。ACLグループリーグ、上海申花戦。GW中といいつつ、こういうときにかぎって休日出勤なんてことになっていたんだけれど(どうもついてない)、なんとか昼過ぎまでで勘弁してもらって、国立へと馳せ参じた。
でも、この日の東京はちょうど試合開始にあわせるように、あいにくの雨模様。前半のうちは降っているか、いないかって感じで、ほとんど気にならなかったのだけれど、ハーフタイムを過ぎたあたりから、はっきりと降り出してしまい、かなり集中力をそがれることになった。レイン・ジャケットを着てはいたんだけれど、背中の水滴が体温を吸い取り、ちょっとばかり寒かった。やっぱサッカー観戦は青空の下にかぎる。
この日のスタメンは曽ヶ端、西、岩政、中田、新井場、青木、小笠原、野沢、遠藤、興梠、大迫という組み合わせ。先週末のJ1で怪我をしたアレックスが欠場のため、新井場がひさしぶりに本職の左サイド。で、右は西と(今年の補強が見事にはまっている)。要するに福岡戦のスタメンでアレックスを新井場と入れ替えて、両サイドを逆にし、CBを伊野波から中田に入れ替えた形。
試合内容についてはあいかわらず、いまひとつぴりっとせず。スコアだけみれば2-0の快勝だけれど、得点はどちらもセットプレーからで、流れの中からのチャンスはひとつも生かせず。チャンスの数もあまり多くはなかった。
まあ、それでも無失点で終わったのはひさしぶりだから、その点はよかった。なんたって去年はJ1最少失点だったチームが、現時点で最多失点という状況だからなぁ。この試合でも、おいおい危ねえなというピンチがいくつかあったし。堅守あっての鹿島なので、ここまでの守備面での安定感のなさは、いささか気にかかる。
でもその一方で、ひとつ前の福岡戦といい、この試合といい、よくないながらも勝ち切っているところに、伝統的なしぶとさが戻ってきたかなという感もある。今年は選手層も厚いので、夏場の疲労にも対処がしやすいだろうし、この先、試合数をこなすうちに、どんどんよくなりそうな気もする。そうあってくれるよう期待しよう。
この日の2ゴールはどちらも興梠。1点目は左サイドで得たFKから小笠原が蹴ったゴールへ向かうボールをヘディングでそらし、相手GKの股間を抜いたもの。2点目は右CKから途中出場のフェリペが打ったヘディング・シュート(GKに止められた)のこぼれ球を、ファーサイドのゴールポストぎりぎりで押し込んだもの。ま、とはいっても、どちらもスタンドからはよくわからなくて、あとでテレビで確認したんだけれど。
興梠は開幕からずっと質の高い動きを見せてくれているにもかかわらず、なかなかゴールに結びついていなかったので、この日は2つも決まって本当によかった。どちらもあんまりシュートらしいシュートではなかったけれど、いまはなにより結果が大事。
注目の柴崎岳も野沢と交替で出てきたものの、出番はわずか5分ちょっとで、ほとんどボールに絡めず(あとの交替枠は、大迫→フェリペ、西→伊野波)。そういや、本山はベンチ入りさえしていなかった。せっかく観にいったのに、本山ファンの僕としてはとても残念。
まあ、とりあえずこの勝利(とその夜の水原戦の結果)で決勝トーナメント進出が決まってよかった。まずは第一関門突破。次は鬼門のベスト16だ。
(May 03, 2011)
鹿島アントラーズ2-1シドニーFC
AFCチャンピオンズリーグ/2011年5月10日(火)/国立競技場
ACLのグループリーグ最終戦。
この日も国立競技場は雨。これでここ3試合はすべて雨。震災の被害でカシマスタジアムが使えない上に、節電のため平日昼間の開催を余儀なくされ、なおかつ雨って。なんかもう、どこかの誰かが鹿島を呪っているんじゃないかって気がしてくる。
でもそんな中、結果は無敗でグループリーグ2位通過なのだから、まあ上出来。これでベスト8をかけた次の試合はアウェイでの一発勝負になってしまうけれど、過去2年連続でホームで苦杯を舐めているのを考えれば、今回は逆にアウェイでいい目が出そうな気もする。相手がどこになるかわからないけれど、2週間後の試合を楽しみに待とう。
この日の試合は録画放送だった上に、それを観る直前にうっかり開いたツイッターで「鹿島逆転勝ち」という文字を目にしてしまい(ツイッターってこういうときは見ちゃいけない)、結果がわかってしまったせいで、いまいち集中しきれず。まあ、そんなやつがいうのもなんだけれど、内容はあいかわらずぴりっとしない印象だった。
この日は興梠が累積警告で出場停止だったため、大迫のワントップ。そして小谷野が初先発(おめでとう!)で、あとは前の試合と一緒。
試合は前半中頃にシドニーに(セットプレーから?)豪快なヘディングシュートを決められて先制を許す苦しい展開。おまけにその直後に接触プレーで中田浩二が左肩を脱臼。交替を余儀なくされてしまうというハプニング。中田は全治4週間だそうだ。彼も痛そうだったけれど、チームとしてもこれから先の過密日程を考えると痛い……。
まあ、それでも1点のビハインドのまま突入した後半はかなりイケイケだったし、なにより同点ゴールに絡んでみせたのが中田と交替でピッチに立った伊野波だってあたりが、鹿島の強さだとも思う。
得点の場面では、左サイドを攻め上がった伊野波が(新井場からの?)スルーパスを受けてクロスを上げ、それを逆サイドでフェリペ(途中出場)が相手DFとヘディングで競りあいながら折り返す。そのボールが落ちてきた先、ペナルティ・エリア内で待ちかまえていた大迫が、ためらうことなく右足一閃! 豪快なボレーシュートを相手のゴールネットに突き刺してみせた。きょうの大迫はあまり出来がよくなったけれど、大事なところで大きな仕事をしてくれた。グッジョブ!
逆転ゴールは野沢のFK。雨でスリッピーなピッチを意識したのか、それとも相手のオージーが巨漢ぞろいだからか。壁を突き抜けるようなグラウンダーのボールで相手のゴールをみごと射抜いてみせた。やっぱ今年の野沢はすごいかも。
なんにしろ、この2得点でアントラーズがなんとか逆転勝ちを収めた一戦だった。今年はここまで苦しい試合ばっかりだ。
そういや、前の試合のときに書こうと思って忘れていたけれど、相手のシドニーには森安洋文という日本人選手がいた。海外リーグでプレーしているのに、不思議と聞かない名前だなと思ったら、なんとこの人、Jリーグでのプレー経験はなく、JFLから単身でオーストラリアへ渡り、Aリーグの門戸をたたいたんだそうだ。この日は途中出場だったけれど、前の試合ではスタメンだった。ちょっと前までJFLでプレーしていた選手が、今年はオーストラリアの代表として国立のピッチに立って、アントラーズと対戦しているんだからあっぱれだ。プレーもなかなか好印象でした。
シドニーで気になったもうひとりの選手は、ジョージ・クルーニーを縦長にしたみたいなルックスのブラジル人FW、カザリーン。この人の場合はプレーがどうしたという以前に、その名前がツボだった。カザリーン。アナウンサーがその名前を口にするたびに、僕までつい「カザリーン」とつぶやいてしまっていた。カザリーン。好きだ、この名前。
(May 10, 2011)
川崎フロンターレ3-2鹿島アントラーズ
J1・第11節/2011年5月15日(日)/等々力陸上競技場/スカパー!e2
元アントラーズの相馬直樹が監督に就任した天敵・フロンターレに今年もアウェイで苦汁を飲まされるの巻。
この日のスタメンは曽ヶ端、西、岩政、伊野波、新井場、青木、小笠原、野沢、遠藤、興梠、大迫の11人(ふと気がつくと、全員日本人)。シドニー戦で故障した中田に替わって伊野波がCBに入り、出場停止だった興梠が戻ってきた形だった。
でもやはりその試合の疲れがあるんだろうか。前半はぜ~んぜん駄目だった。なんたって30分過ぎまでのシュート数が川崎の10に対して、こちらは0というていたらく。川崎のきびしいプレスにいいようにやられて、さらには、ジュニーニョと山瀬にゴールを決められ、いいところのないまま、前半を2-0で終了するという散々な出来。
こりゃ後半にあと3点くらい取られて、こてんぱんにやられるんじゃないかと思っていたら、後半は意外や盛り返す。わずか5分で野沢のクロスを遠藤が決めて1点差。この得点は野沢の強いクロスといい、ゴール前へ切れ込んだ遠藤の素早さといい、文句なしの1点だった。「目が覚めるような」という形容がふさわしいファイン・ゴール。ここんところの遠藤はとてもいい。
なんにしろ、これで1点差。後半に入って、ちゃんとボールもまわせるようになったし(あの前半の不出来さはなんだったんだ)、これならば同点まではいけるかも──と思ったものの、その後の同点ゴールが遠い。そうこうするうちに、一瞬の気の緩みを突かれるように、中村憲剛のスルーパスから追加点を奪われてしまう(決めたのは11番の小林悠という選手)。ちっくしょー、憲剛、ナイスパス。
これで3-1。さすがにここからは勝てない。ロスタイムに途中出場のカルロンのゴールで1点差に追いすがってみせはしたものの、そこまで。でもまあ、この場面では同じく途中出場の柴崎がチャンスメイクに絡んでみせたし(ヘディングで2回つづけてゴール前にボールを放り込んだ、あの落ち着きぶりはなかなかのもの)、カルロンに待望の初ゴールも生まれたので、まあ、それだけはせめてもの救いだった。
それにしても、あいかわらず川崎は苦手だ。今年のチームにはジュニーニョ以外のブラジル人はいないし、チョン・テセも谷口も抜けたしで、攻撃力は去年よりずいぶんと下がっていると思うんだけれど(そういや稲本もいなかった)、それでも勝てないんだから嫌になってしまう。
でもまあ、最近はもとより調子がいまいちだから、福岡やシドニーならばともかく、川崎くらいのレベルのチームが相手だと、さすがにごまかしが効かないってのもある気はする。ここまでの4試合中、3試合で3失点しているようではさすがに……。
最後に蛇足ながらひとこと。この試合の解説は秋田だったのだけれど、これがなってなかった。「岩政選手のよさはどこですか」とアナウンサーに問われて、「高さです」……(おしまい)って、そりゃないでしょうよ。自分の後継者に対して、もうちょっと持ち上げようはないものか。そのほかにも、この人はなに言ってんだろうって発言がいくつもあったし、秋田豊、DFとしては素晴らしかったけれど、解説者としては残念ながら駄目だと思う。ましてや監督など……と思ってしまった。
(May 15, 2011)
FCソウル3-0鹿島アントラーズ
AFCチャンピオンズリーグ・ラウンド16/2011年5月25日(水)/ソウルワールドカップスタジアム/スカパー!e2
あぁ、今年もまたここで終わってしまった……。
しかも、小笠原と新井場をJリーグの試合で温存してまで、万全を喫して臨んだはずの試合に、いいところなく0-3の惨敗って……。
なんかもう、ため息しか出てこない。
この日のスターティング・メンバーは曽ヶ端、新井場、岩政、伊野波、アレックス、青木、小笠原、増田、野沢、興梠、カルロンという顔ぶれ。正直、増田とカルロンのスタメン起用は意外だった。
まあ、増田はわかる。前の試合でよかったし、アウェイでの負けられない試合だから、遠藤よりも攻守のバランスのとれた増田を起用して、やや守備に重きを置きつつ、慎重に戦いたいという趣向だったんだろう。
でもカルロンはどうなんだ? 打てない、持てない、走れない。まったくいいところのないまま、前半だけで交替って。それだったらば大迫を使って欲しかった。しかも前半が終わって1-0のビハインドで、後半の交替がカルロン→フェリペ、増田→遠藤、アレックス→西ってのは……。いまいち本気で勝ちにいった結果とは思えない。今年はオリヴェイラさんの采配にも迷いが感じられて仕方ない。
まあ、いずれにせよ今日の試合は完璧な負け試合。前半にバン・スンワンという選手の個人技からゴールを決められ(アレックス、もっと厳しくチェックにいってくれ~)、後半はジェパロフ(ウズベキスタン)とダムヤノビッチ(モンテネグロ)という2人の外国人のみごとな連係から、超美技なゴールを決められて勝負あり。いやぁ、あの2点目のゴールは美しかった。まるで欧州リーグの試合を見ているような、敵ながら惚れ惚れするようなゴールシーンだった。ちっくしょうめ。
ソウルは守っても、35歳のブラジル人DFのアジウソンという人が強力に効いていて、つけいる隙を与えてくれなかった。なんかこっちの外国人が誰ひとり活躍してくれなかったのと、えれえ違いだ。外国人の質の差ありありで、いやになってしまう。あぁ、こんなことならば今年もマルキーニョスにいて欲しかった。契約解除するの、1年早まったよなぁ。
そういやソウルの監督(代行)は、かつてJリーグでもプレーしていたチェ・ヨンスだった。おいおい、あのチェ・ヨンスだよ。彼には現役時代にけっこうやられた記憶があるのに、指揮官になってもやられてしまうとは……。あぁ、くやしい。
まあ、野沢のFKからのこぼれ球を岩政が決めたシーンが不当なオフサイドの判定を受けたり、左サイドからのクロスがペナルティ・エリア内で相手の手に当たったのに流されたりと、「そりゃないだろう」って判定もあるにはあったけれど、どちらも2点差をつけられてからの話。守れない鹿島に勝ちはない。
最後はロスタイムに自軍でボール(バックパス?)を奪われ、思いきり前に出た曽ヶ端があっさりかわされて、無人のゴールへとボールを放り込まれてゲームセット。0-3という屈辱的なスコアでACLの敗退が決まってしまったのだった。
あぁ、むなしい……。むなしすぎる……。
(May 25, 2011)
サンフレッチェ広島2-1鹿島アントラーズ
J1・第13節/2011年5月29日(日)/広島ビッグアーチ/スカパー!e2
ACL敗退のショックから中3日。今度はサンフレッチェ広島を相手に、森崎浩司のミドル2発によって撃沈す、の巻。
FCソウル戦でスタメンだったカルロンはこの試合はベンチ外(なぜ?)。で、大迫がスタメンに復帰した。そんなことなら、最初から大迫のスタメンでACLを戦ってほしかった。なんでアジア一を目指す大事な一戦で、興梠・大迫コンビを使ってくれないかなぁ。それで負けていたほうが、よほど納得がいったのに……。って過ぎたことを悔やんでも始まらない。
そのほか、この試合では右サイドが西で、トップ下はフェリペ。まあこのふたりに関してはよし。西はキリンカップで日本代表に発選出されたことだし(祝。いやぁ、でもびっくりだ)。フェリペもこの日のプレー内容はとてもよかった。彼らと替わってベンチ・スタートだったのは新井場、増田。そのほかのメンバーはソウル戦と一緒。途中出場はその増田と、柴崎、小谷野。
いやしかし勝てない。ディフェンス・ラインが固定できないがゆえか、ここまで6試合で14失点という守備の乱れも不振の要因だとは思うけれど、どちらかというと得点力不足のほうが問題だと思う。得点力不足というよりは、シュート不足、だろうか。どうも攻撃が遅い。あと一本パスが多い。シュートを打てるシーンで打たないから、結果として、チャンスが多い試合でもシュート数が増えない。
ちゃんと調べたわけじゃないけれど、今年、ここまでの試合で、相手をシュート数で上回ったことって、一度もないんじゃないだろうか。いまなによりも必要なのは、きれいにボールを回すことではなく、積極的にシュートを打って出る意識じゃないかという気がする。
この日は序盤こそ相手に押し込まれたけれど──さらには森崎弟のみごとなミドル・シュートで先制を許したけれど──、その後はこちらが試合を支配する展開になった。で、大迫が左サイドに開いて蹴り込んだクロスを、ゴール真正面に潜り込んだ興梠が低い姿勢のヘディングで決めて同点に追いつく。このゴールは素晴らしかった。
おぉ、この調子ならば逆転も間近か──と思ったものの、その同点ゴールがなかなか生まれない。で結局、そのままドローかと思い始めた後半ロスタイムに、森崎にまたもやミドルを決められてジ・エンド。勝ち点1さえ逃す結果になってしまった。
どん尻だったソウル戦に比べれば、内容がいい時間帯もあったけれど、それでも負けちゃ仕方ない。まだ序盤戦だとはいえ、なんたってこれで順位は16位。降格圏内だ。アジア・ナンバー・ワンを逃したどころか、Jリーグの先行きにも不安を感じさせる一敗だった。
あ、いやでも柴崎はやっぱいいかもしれない。得点に絡むことこそなかったけれど、球離れがよくて、プレーのひとつひとつが小気味いい。彼が小笠原と交替で出てきたときには、世代交替の波を感じて、ちょっとしびれた。これから先がとても楽しみだ。
(May 29, 2011)