2010年11月のサッカー

Index

  1. 11/03   磐田5-3広島 (ナビスコ杯・決勝)
  2. 11/06 ○ 鹿島1-0名古屋 (J1・第29節)
  3. 11/14 ○ 川崎1-2鹿島 (J1・第30節)
  4. 11/20 △ 神戸0-0鹿島 (J1・第31節)
  5. 11/23 ● 鹿島1-2磐田 (J1・第32節)

ジュビロ磐田5-3サンフレッチェ広島(延長3-1)

ナビスコカップ・決勝/2010年11月3日(水)/国立競技場/フジテレビ

 この日の国立はみごとな日本晴れ。満員のスタンドの上に広がる真っ青な空。こんな気持ちのいい日に好きなチームがタイトルをかけて戦うの観るのって、たまんなく楽しいだろうなぁと思う。そんな今年のナビスコカップ決勝戦。あぁ、羨ましい。
 ま、僕んちでもこれがテレビを買い替えて以来、初のサッカーのフル観戦だった。いやー、ハイビジョンってきれい。もっと早く買い替えておきゃぁよかったと──さらにいうならば、サッカーを観るならばもっと大きいほうがいいなぁとも──思ったけれど(うちのテレビは32インチ)、まあいいや。サラウンド放送だったので、ついついAVアンプで鳴らしたりしてしまった。とにかくハイビジョンで観るサッカーはとても楽しかった。(でも当然、生観戦にはかなわない)。
 いやぁ、それにしてもこの試合はホントおもしろかった。まあ、前半を1-1で折り返し、後半早々にサンフレッチェが山岸のゴールで勝ち越して、そのままスコアが動かずに試合が終わりそうになったときには、これで終わっちゃったらつまんないなぁ……と、広島のサポーターに怒られそうなことを思っていたんだけれど。
 そんな試合を最高のものにしてくれたのは、後半44分に同点ゴールを決めた前田だった。先制点も前田のクロスからだし、延長最後のゴールも見事だったし、もうホント、前田さまサマ。いやぁ、この試合の彼はほんとよかった。誰もが納得のMVP。あぁ、こういうプレーが代表でも見たい。
 広島は前半に鮮やかなドリブルからのクロスで李の同点ゴールをアシストしたミキッチを後半なかばに下げ──そういえばあのドリブルもすごかった──、代わりにDFを入れて守備固めに入ったのがあだになってしまった気がする。守りに入って逃げ切れなかった時点で、もう反撃の力が残っているようには見えなかった。同点になった時点で、あぁ、こりゃ磐田だわって感じになってしまった。
 まあ、広島の選手たちもがんばっていたけれど、印象がよかったのは、やはり勝者の磐田。前田は別格として、そのほかだと積極的な攻撃参加が光ったボランチの那須と、延長で勝ち越しゴールをあげた途中出場の菅沼がとても好印象だった。先制ゴールの船谷とか、4点目の山崎亮平とか、誰それって選手が活躍していたし、一方でGKの川口もまだまだ元気だし、ジウシーニョもなにげに憎めないし、なんだ、磐田いいチームじゃないかと思った。
 そうそう、広島の槙野も忘れちゃいけない。彼もこの試合の主役のひとり。延長戦では直接FKを決めて1点差として追い上げムードを高め、最後の最後にはPKを獲得するも、それを川口に止められ、その跳ね返りでフリーのチャンスを得ておきながら、枠をはずす痛恨のシュート・ミス。その直後に試合終了ってのは、締めくくりとして最高だった。あれを決めて1点で終わっていれば、それはそれですごかったけれど、外すあたりにもまた味があるという。いやぁ、笑わせてもらいました(失礼)。
 なんにしろ、リーグ戦から中2、3日での試合で、しかも延長戦あり。磐田は駒野とパク・チュホの両サイドバックを怪我で欠き、一方の広島もキャプテンの佐藤寿人が故障明けで、ベンチには入っていたけれど出番なしで終わってしまうなど、両チームとも台所事情は苦しかったはずだけれど、そんなことを感じさせない、最高の決勝戦だった。楽しませてくれた両チームに感謝。
(Nov 04, 2010)

鹿島アントラーズ1-0名古屋グランパス

J1・第29節/2010年11月6日(日)/カシマスタジアム/スカパー!e2

 毎月第一日曜日はスカパー!e2の無料開放デー!――ということで、およそ3ヶ月ぶりにアントラーズ戦が観られた。しかも首位・名古屋との直接対決。おぉっ、ラッキー──って喜ぶよりもまず、3ヶ月も好きなチームのサッカーを観ていなかったことに、ちょいとびっくり。これじゃぁとてもサポーターは名乗れない。でもまあ、やること多すぎるんで仕方ない。
 なんにしろ、現在2位とはいえ、名古屋との勝ち点差は11と大きく開いてしまっているので(前節、新潟に負けたのがホント痛かった)、こうなるともう逆転優勝うんぬんよりは、どれだけ長く名古屋の優勝決定を阻止しつづけられるかがポイントって感じになってしまっている。おかげで残念ながら「首位決戦!」という高揚感はいまいち。でもアントラーズの試合が観られりゃ、それだけで嬉しい。
 この日のスタメンはGK曽ヶ端、DF新井場、岩政、伊野波、ジウトン、MF中田、小笠原、野沢、フェリペ・ガブリエル、FW興梠、マルキーニョスの11人。
 前節ではスタメンだった本山が、今節はスタメンを外れたのが個人的にはとても残念。実力でフェリペにスタメンを譲るとはとても思えないので、やはりまだ十分なプレーができないんだろう。今年は内田篤人とイ・ジョンスの途中抜けに加え、本山がシーズンを通して満足にプレーできなかったのも、名古屋の後塵を拝することになった大きな要因だと思う。
 対するグランパスは、GK楢崎、DF田中隼磨、千代反田、増川隆洋、阿部翔平、MFダニルソン、中村直志、マギヌンで、3トップが小川、ケネディ、玉田という布陣。
 闘莉王、金崎という攻守のキーマン2人が故障のため、スタメンを外れているのに(とりあえず闘莉王は途中出場)、それでいて助っ人のブルサノビッチや、元代表の三都主がベンチ・スタートだってんだから、どんだけ選手層が厚いんだよと思う。
 で、そのグランパス、いざ対戦して見ると、やたらと組織がしっかりしている印象。主導権はいちおう鹿島が握っているんだけれど、なんか、穴がねぇーって感じで、打てども打てども、なかなか崩せない(この日は枠に飛ばないシュートの数はやたらと多かった)。なるほど、こりゃ手強いや。ここまで首位を独走しているのも、なるほどって感じだった。
 まあ、こちらも失点の少なさではリーグ1位のチームなので、ゲームは膠着したまま、前半終了。後半からは足を痛めたフェリペ・ガブリエルに代えて、遠藤康が入った。あいかわらずいまいちのフェリペから遠藤に替わって、最初のうちはいいリズムになったかなと思ったけれど、その遠藤が目立っていた時間もあまり長くない。なんか、こりゃあスコアレス・ドローってパターンかなぁと思い始めた後半なかばに。
 やってくれました~、マルキーニョス! 地を這うようなグラウンダーのミドルを名古屋のゴールネットに突き刺してみせてくれた。ナイス! 今年もきちんと二桁得点を決めているし、やっぱ頼りになるな~。
 このあと、1点を追ってブルサノビッチと闘莉王を高い位置に入れて、パワープレーを仕掛けてきた名古屋にたじたじになりつつも、アントラーズはなんとか逃げ切った。今年は終盤に同点に追いつかれたりする試合が多いから、最後のほうはもう冷や冷やだった(ロスタイムが4分もあるし)。いやぁ、勝ててよかった。
 まあ、勝ったとはいえ、残り5試合で勝ち点8の差だから、グランパスの有利は以前、動かないけれど、それでも前年度王者の意地をみせられてなにより。とりあえず、これであと2週間は優勝が決まるこたぁないだろう。こうなりゃ残り全勝で、最後まで名古屋のあとを追って欲しい。でも来週は苦手のフロンターレなんだよなぁ……。
(Nov 08, 2010)

川崎フロンターレ1-2鹿島アントラーズ

J1・第30節/2010年11月14日(日)/等々力競技場/BS1

 今年は優勝はむずかしそうだし、もしかしたら先週の名古屋戦が最後のテレビ放送かなぁ……と思っていたら、その直後にBSでフロンターレ戦を放送してくれた。えらいっ、NHK。ということで、2週連続のアントラーズ戦。
 この試合は興梠が累積警告で出場停止。となれば、スタメンはマルキーニョスと大迫の2トップ──というのが、これまでのパターンだったと思うのだけれど、この日は違った。マルキーニョスの1トップにして、中盤に本山と遠藤を起用した、4-5-1の形(なぜかフェリペ・ガブリエルはベンチ外)。どうしても勝ち点3が欲しい試合なので、結果を出せない大迫よりも、このところ調子のいい遠藤や、たとえコンディションが十分でないにしろ、経験値の高い本山のほうが頼りになるというのが、オリヴェイラさんの判断なんだろう。まぁ、ちょっとさびしいけれど、現状では致し方ないのかなと思う。
 今年あと一歩、名古屋に及ばないでいるのは、勝てる試合をドローに持ち込まれたりすることが多かったからだ。その点は結局、途中出場で試合を決定づける、いわゆるスーパーサブ的な選手がいなかったのが、響いている気がする。大迫にそうした仕事を期待したのだけれど、いまいち結果を出しきれていないし……。
 そう考えると、去年まではダニーロが意外と効いていたんだなと思う。なんだかんだいいつつ、途中から出て、試合の流れを変えるようなプレーをしていたもんなぁ……。まあ、背番号11をつけた外国人選手がスーパーサブってのは、それはそれで問題だったけれど。
 やや脱線。ということで、マルキーニョスの1トップでのぞんだこの日の川崎戦。
 なんでもテレビの実況によると、アントラーズはここ5年、この等々力では一度も川崎に勝てていなかったんだそうだ(それとも、等々力にかぎらず、リーグ戦で?)。確かにやたらと苦手なイメージはあったので、この日もかなり不安感はあった。
 そしたら案の定、先制したのは川崎。右サイドからのクロスにFW矢島が飛び込んできて、みごとなヘディング・シュート。これはバーに嫌われて、一度は難を逃れたものの、その跳ね返りをヴィトール・ジュニオールに決められた。
 ここで感心したのは、ゴールを決めた外国人よりも、その前の矢島のプレー。このプレーにしろ、そのあとのプレーにしろ、この日の川崎では、この矢島がやたらと目立っていた。DFラインを振り切って飛び込んでくる迫力のあるプレーで、2度、3度と鹿島ゴールを脅かしていて、敵ながらあっぱれ。あれ、この人ってこんなにいいFWだったんだって感じだった(まあ、いまだ川崎よりも清水のイメージのほうが強いけれど)。
 なんにしろ、苦手チーム相手にアウェイで先制点を許す苦しい展開。こりゃまずいなぁ……という状況を救ってくれたのは、セットプレーからの中田浩二の同点ゴールだった。野沢からのCKにファーサイドであわせたもの。彼の前にいた岩政(そのちょっと前のプレーで頭を切っていた)が、相手DFの注意を引きつけていたのも見逃せない。得意のセットプレーがどんぴしゃと決まった、起死回生の同点弾だった。
 同点のまま迎えた後半の決勝ゴールは、相手のミスからのラッキーな得点だった。なんでも川崎のGK相澤が前半の接触プレーで記憶が飛んでいたとかで(僕の記憶にもない)、後半からは大事をとって杉山というGKに替わったのだけれど、これがJ初出場だというこの人が、痛恨のミス。小笠原が野沢にあわせてゴール前へと蹴り込んだパスを止めに出たものの、野沢と味方DFと3人で交錯して、ボールを止めそこなう。かくして、誰ひとり触れなかったボールは、そのまま弾んで川崎のゴールマウスのなかへ転がり込んでしまった。超ラッキー。
 これが後半17分。このあと、オリヴェイラ監督は本山を青木に代えて、いつものように守備固めに入る(同点の時点で大迫を投入しようと準備していたのに中止。大迫くんはアンラッキー)。足を痛めたマルキーニョスを佐々木に替え、さらにはロスタイムには遠藤を大岩に替えて、ひたすら専守防衛で、なんとか勝ち点3をもぎとった。内容はいまいちだったけれど、きょうは結果オーライ。いまは勝利だけに意味がある。
 とはいえ、裏では名古屋が大宮を下して、着実に勝ち点を積み上げてきたので、残念ながらその差は縮まらず。次節、もしも鹿島が神戸に敗れ、名古屋が湘南に勝つと、残り3節を残して優勝が決まってしまうことになった。
 神戸も降格レースのまっただなかにいるだけに、そう簡単には勝たせてくれそうにないしなぁ……。いっぽうで、名古屋の相手である湘南は、きょう降格が決まっている。モチベーションの差で、次節にも名古屋の優勝が決まりそうな雰囲気が……。
 ということで、J1もいよいよ大詰め。次節は名古屋-湘南戦を観戦せざるを得ない状況に。──って、スカパー以外でテレビ放送があればだけれど。さすがにあるよな?
(Nov 14, 2010)

ヴィッセル神戸0-0鹿島アントラーズ

J1・第31節/2010年11月20日(土)/ホームズスタジアム神戸/BS

 前節が終わった時点では、次で優勝が決まるかもしれない以上、グランパスの試合が放送されるのは確実で、同時刻に行われるアントラーズ戦の放送があるなんて思っていなかったので、グランパスを試合を観るつもりでいたのだけれど、グランパスが今節で優勝するには、アントラーズが引き分け以下に終わることが条件だったために、NHKは地上波とBSとの二元中継で、両方の試合を放送してくれた(NHKえらいっ)。となれば、当然ながらアントラーズ戦を観ることになる。
 ということで、グランパスの優勝を阻止すべく、必勝が義務づけられたヴィッセル神戸戦……だったのだけれど。
 結果はスコアレス・ドローに終わり、優勝阻止に失敗。裏ではグランパスが玉田の決勝ゴールで順当に最下位・湘南を退け、かくして2010年のJ1は名古屋グランパスの優勝に決まったのだった。あぁ、4連覇ならず……。
 でもまあ、ピクシーのことは現役時代から大好きだから、鹿島の大記録達成を阻んだのが彼の率いるグランパスでよかったとも思う。今年の成績を見れば、ここまで名古屋の21勝7敗3分に対して、鹿島15勝5敗11分と、白星の数では圧倒されているわけだし。
 まあ、黒星はこっちのほうが少ないけれど、それにしたって引き分けが11というのは、ちょっと多すぎる。この日の神戸戦の展開が、まさに今年の象徴だった気がする。大久保不在の神戸に、ときおり鋭いカウンターでゴールを脅かされはしたけれど、それでも終始有利に試合を運びながら、あとひとつ決定力が足りないという。
 そうそう、この試合でもっとも印象的だったのは、後半の始めのほうで、興梠が遠藤のスルーパスに抜け出し、GKと1対1になったシーン。やった、これで先制!と思ったのに、興梠は枠をはずしてしまう。あれは決めてくれないとなぁ……。
 この試合では、なぜだかマルキーニョスが不在で(前節で足を痛めたせい?)、興梠のワントップだった(あとは本山に代えてフェリペ・ガブリエルを起用した以外、前節と同じ布陣)。それだけに、あの決定機をはずしたのは本当に痛かった。
 興梠はここまで8得点だけれど、ああいうシーンをきちんと決められていれば、すでに2ケタ得点は堅かったろう。マルキーニョスは今年も2ケタに乗せているんだから、興梠があと少し得点を上乗せしてくれていれば、もうちょっと優勝争いも粘れていたんじゃないかと思う。それだけに本当に残念だった。
 対するグランパスでは、玉田が現在得点王のケネディと並んで2ケタ得点をマークしている。この日の決勝ゴールも玉田だったし、極論してしまえば、今年の名古屋の鹿島の差は、興梠と玉田の決定力の差だったとさえ思う。
 まあ、チーム全体を見れば、途中で内田篤人とイ・ジョンスが抜けたのが、大きなダメージだったわけだけれど、とはいえ、失点ということでいえば、結局いまだリーグ最少なので、守備力が問題になったわけじゃない(まあ、篤人のクロスとイ・ジョンスの高さは攻撃の面でも大きな戦力だったわけだから、その分、攻撃力がダウンしたってのはあるだろうけど)。いや、よく見れば得点だってリーグ5位以内に入っている。それで得点力不足ってこたあ、ないだろう。そもそも、得失点差ならば1位。負け数の5というのもリーグ最少。
 要するに攻守ともに数字的に見れば、今年も十分、優勝を狙えるだけの力があったということだと思う。ただ、途中で篤人たちが抜けたことで、チーム全体のバランスが微妙に狂ってしまって、さらに興梠や大迫、佐々木ら若手FW陣が思うほど伸びてくれなかったのと、本山が一年を通して満足にプレーできなかったのが誤算として加わって、あと一歩、栄冠に手が届かなかったと。そういうシーズンだったと思う。
 いやしかし、今シーズンが始まったころには、今年は過去最強じゃないかと思ったのに、W杯後に篤人らが抜けて以降、調子を落として、そのまま最後まできてしまったのには、ある意味びっくりだ。ほんの少しのバランスの狂いで、こうもチームの勢いが変わってしまうんだから、ほんとサッカーって難しい。そして、だからこそおもしろいとも思う。
 なんにしろ、名古屋グランパス、初優勝おめでとうございます。ピクシーの涙には思わずもらい泣きしそうになりました。
(Nov 21, 2010)

鹿島アントラーズ1-2ジュビロ磐田

J1・第32節/2010年11月23日(火)/カシマスタジアム/BS1

 もしも前節で優勝が決まらなかった場合に備えて、あらかじめこの日の放送は決まっていたんだろう。さもないと、優勝が決まって、残りがすべて消化試合となったいま、わざわざ2位の鹿島の試合を放送をする説明がつかない(裏の名古屋-FC東京は、優勝チームVs降格レースの真っ只中にいるチームだから、まだわかる)。まあ、なんにしろ、そんな風におまけって感じで放送された対ジュビロ戦。ファンとしては観られれば、それで満足。
 この日はひさしぶりにマルキーニョス、興梠のツートップがそろい踏み。中盤は中田浩二、小笠原、野沢、フェリペ・ガブリエルで固め、最終ラインとGKはいつもの顔ぶれというアントラーズだった。
 このメンツでホームならば負けることはないだろうと思っていたのに、意外や意外。ジュビロに痛い一敗を喫する。
 先制点は前田。右サイドでボールを持つと、サイドを上がった選手にボールをあずけて、自分はペナルティ・エリア内へ。いい動きだなぁと思って見ていると、そこでリターン・パスが返ってきて、フリーでどーんって。先制点。
 おいおい。なんで相手のエースをペナルティ・エリア内でフリーにしちゃうんだよ。いくら相手の動きがよかったからって、そりゃ駄目でしょう。マーク甘すぎ。
 さらにはそれから10分もしないうちに、今度は左サイドからきれいなクロスを入れられ、それをジウシーニョに決められて追加点。わずか15分足らずで2-0のビハインドって。いくら優勝がなくなって、気落ちしているからって、油断しすぎだって。
 せめての救いは前半の終り近くに、野沢のCKから岩政のヘディングで一矢報いたこと。
 岩政のゴールは、相手選手の前に身体を放り込むようなダイビング・ヘッドで、気迫あふれる、すごくいいゴールだった。こういうゴールが決められるようならば、後半で追いつけそうだという期待を抱かせてくれた。
 ……でも追いつけない。いや、後半はあと一歩というプレーもあった。ゴールマウス内でジュビロの選手がブロックして防いだシュートとかもあった(あれは絶対ゴールだ)。それでも、この日は川口があたりまくりだったというのもあり(敵ながらあっぱれ)、結局追いつけなかった。
 ということで、ナビスコ杯優勝以来、リーグ戦では勝ち星がなかったというジュビロにひさしぶりの白星を献上して、アントラーズは今季6敗目を喫した。
 そういや、ジュビロには前回の対戦でも、2-0と先制を許したんだった。ただ、そのときは後半だけで3点を奪って、みごと逆転勝利を収めている。さすがに2度もつづけて、そんな風には勝てないよなぁ……。あ、あと、前田はこの日のゴールがリーグ戦99点目とのこと。いつの間にそんなにたくさん……。
 なんにしろ、この黒星により、アントラーズはガンバに抜かれ、3位に転落。下を見ると、4位セレッソとの勝ち点の差はわずか1。で、5位エスパルスとは2、6位フロンターレでも4。つまり、残り2勝しておかないことには、ACL出場権のかかった3位以内も危ういって状況に……。あとは消化試合とかいっている場合じゃない。是が非でも3位死守でお願いしたい。
 それにしても、さすがにアントラーズをJリーグで観られるのも、今年はこれが最後だと思うけれど(天皇杯は除く)、調べてみたら、僕がアントラーズがJ1で負けるのを見たのは、これが今季13試合目にして初めてだった。それだけでも、ちょっとすごいと思う。
(Nov 23, 2010)