Coishikawa Scraps / Football

浦和レッズ２－１清水エスパルス

天皇杯決勝／2006年1月1日（日）／国立競技場／ＮＨＫ

　昨シーズンをリーグ２位で終えたレッズと残留争いを強いられたエスパルス。対照的な両チームの対戦は、その成績どおりに、あまりに妥当なレッズの勝利に終わった。エスパルスもそれなりにいいサッカーを見せていたと思うけれど、それでもやはり地力的にレッズの方が一枚上手という印象だった。その上、清水は１点返して反撃ムードが高まったところで平松が累積警告で退場してしまうんだから、話にならない。平松はこの試合、途中出場だ。それでイエロー２枚もらっちゃうんだから困ったものだ。彼がスタメンに定着できない理由がわかる気のする退場劇だった。
　それにしても本当にレッズは強くなった。この試合は闘莉王がお母さんの手術に立ち会うためブラジルに帰国していていなかった。鈴木啓太は累積警告で出場停止だし、田中達也もまだ怪我から復帰していない。これだけ主力を欠いていながら、まったくそれを感じさせない戦いぶりだから恐れ入る。今年はこの大会で５試合６得点と大活躍したマリッチが抜けると思ったら、その代わりにヴェルディからあのワシントンが移籍してくるという。ポンテは当然残留するみたいだし、田中達也も帰ってくるだろうし、いやあ、手強くてまいってしまう。
　この試合で印象的だったのはレッズの２点目のゴールシーン。マリッチのシュートが決まるまで、ダイレクトのワンツーパスが数本、たったったったっと、ものの見事につながった。それがすべてダイレクト。あれだけ綺麗なパスワークが見られることは（少なくてもＪリーグでは）めったにない。いや、お見事だった。
　あと地味なところでは、坪井からアレックスに強くて早いロング・パスが通るシーンが二度ほとあって、おおっ、こんなパスが通せるのかと驚かされた。出した方のパスの早さも、受けた方のトラップの上手さにも感心してしまった。代表でもああいうパスをバシバシ通してくれると本当に気持ちよくサッカーが見られるのに。
　エスパルスではチョジェジンとチェテウクという二人の韓国人選手にとても存在感があった。あと捻挫のためとかでスタメンを外れていた、途中出場の市川のゴール。彼にはもっともっと活躍して、ぜひ代表に戻ってきてもらいたいものだと思っているので、そんな彼のゴールでエスパルスに反撃ののろしが上がった時には、けっこう気分が高揚したものだった。でもその直後に平松の退場劇だものね……。がっくり度がとても高かった。
　それにしても元日の退場者が日本サッカーの伝統になりつつある印象の昨今だ。来年からはもっともっとフェアプレーでお願いしたい。ま、その歴史の中でももっとも印象的な退場者と言えば、まず思い浮かぶのは現日本代表監督のジーコなんだけれども……。
(Jan 06, 2006)