2004年11月のサッカー

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  1. 11/17 ○ 日本1-0シンガポール (W杯・アジア一次予選)
  2. 11/20   浦和1-2名古屋 (J1・2ndステージ第13節)

日本1-0シンガポール

W杯アジア一次予選/2004年11月17日(水)/埼玉スタジアム/BS1

 カズ、ゴンらのベテランを招集するというジーコ案で物議を{かも}したアジア地区一次予選最終戦。結局、周囲の猛反発に加え、サブのメンバーの出場したいという要望を受け入れる形でジーコは腹案を引っ込め、これまで出場機会の少なかったメンバーを中心としたスタメン構成でこの消化試合に臨んだ。スタメンは土肥、加地、松田、宮本、三浦淳、遠藤、中田浩、小笠原、藤田、本山、玉田の十一人。正直なところ、あまり変わり映えがしない印象がある。
 意外なのは土肥と加地の起用くらいだろう。土肥は浦和をスコアレスに押えてPK戦を制したこの間のナビスコカップでの活躍が認められた形だろうか。個人的には川口にスタメンを奪われた形になってしまっている楢崎が見たかった。
 加地の方はこういうメンバー構成でなおスタメンに入るかという逆の意味での意外性があった。全ポジションのうち、この試合、レギュラー陣での出場は宮本と加地のみだ。宮本はチーム・リーダーとしての信頼が厚いんだろうということで、ある程度納得がいくけれど、加地に関してはそういう理由は考えにくい。左サイドにはアレックスの代わりに淳宏が入っているのに、右は加地のまま。ディフェンスラインを総入れ替えしちゃうのは不安だから半分は残そうと思ったとも考えられるけれど、そうじゃない方に賭けた方が分がよさそうだ。これはもう単に代わりがいないからだろう。どうにもジーコ・ジャパンの右サイドは深刻なウィークポイントな気がする。加地が怪我をしたらどうするつもりなんだろうか。まったく最後まで困った人だ、ジーコ先生は。
 とにかくジーコ自らがハッパをかけたこともあり、サブ組の奮起が期待されたこの一戦。開けてみれば結果はいつもどおりの不甲斐なさだった。シンガポール相手にホームでわずか1点しか取れないんじゃ非難は{まぬが}れられない。なんとももどかしい戦いぶりだった。
 僕が一番気になったのは本山の起用法だ。FWとして起用された彼は、序盤の決定的チャンスでシュートミスをしてチームの勢いを殺いだ。その後も出来はいまいちだったように思う。とにかく日本人にありがちで自らシュートを打とうとしない姿勢にイライラさせられた。もとより日本人らしい謙譲さをたっぷりと持ち合わせていそうな彼のことだから、仕方ない面もあるのかもしれないけれど、あれでは絶対に中田や俊輔のポジションは脅かせないだろう。それなのに後半、ジーコは大久保を投入するにあたって、そんな本山を下げずに藤田を下げた。中盤に下がった本山はFWの時よりはいい動きを見せていた。この事実がジーコの起用法の失敗を物語っている。その後ジーコは、玉田を隆行に、小笠原をアレックスに代え、結局、本山を最後まで使い続けた。確かに残り時間がなくなってから、本山のラストパスで大久保がシュートを決めるという場面を演出した(判定はオフサイドで得点ならず)。それでも僕は今日の本山がフル出場に値するプレーをしていたとは思えない。そんな彼を使い続けたのはジーコの依怙贔屓なんじゃないかと思えてしまう。それがとても嫌だ。いい加減、鹿島に対する身贔屓は勘弁して欲しい。
 なんにしろ勝ったことのみが救いという試合だった。あ、でも決勝点が玉田のゴールだったのは、とりあえずよかったかな(ちなみにそのゴールにつながるラストパスを出したのは本山)。松田のプレーも堂に入っていて頼もしかったし、後半ロスタイムの土肥のセーブもナイスだ(あれが決まっていたら大変な騒ぎだったろう)。これであと一点でも入っていてくれたら……。
 今年の締めくくりとなる次のドイツとの親善試合ではもうちっとマシな試合を見せてくれることを期待しよう。
(Nov 17, 2004)

浦和レッズ1-2名古屋グランパス

J1・セカンドステージ第13節/2004年11月20日(土)/駒場スタジアム/NHK

 セカンド・ステージは首位を独走する浦和レッズの自力優勝のかかった一戦。名古屋相手に圧倒的にボールを支配しつつもエースのエメルソンが決定機を決めきれない。そうこうするうちにグランパスにカウンターから先制を許し、後半には2点目を奪われてジ・エンド。PKで1点を返したものの、二人の退場者を出した相手を攻め切れなかった。
 まあ、点こそ取れなかったけれど、あいかわらず浦和の攻撃力には舌を巻いたし、それをかわしながらウェズレイを中心とした前線のニ、三人で効果的なカウンターを仕掛けていった名古屋のサッカーにも見応えがあった。とてもおもしろい試合だった。
 結局、浦和は負けはしたけれど、裏で二位のガンバ大阪が負けたために優勝が決定した。J1史上最後のチャンピオンシップは横浜F・マリノスVS浦和レッズ。とてもおもしろいシリーズになりそうで楽しみだ。
(Nov 23, 2004)