2003年7月のサッカー
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- 07/05 ○ 鹿島5-2磐田 (J1・1stステージ第11節)
- 07/13 ● 清水2-0鹿島 (J1・1stステージ第12節)
- 07/20 磐田2-2市原 (J1・1stステージ第13節)
- 07/23 △ U-22日本1-1U-22韓国
- 07/26 清水3-0市原 (J1・1stステージ第14節)
- 07/27 ● 鹿島0-1C大阪 (J1・1stステージ第14節)
鹿島アントラーズ5-2ジュビロ磐田
J1・ファースト・ステージ第11節/2003年7月5日(土)/カシマスタジアム/BS1
およそ一ヶ月半の中断期間を経て再開したJ1ファースト・ステージは、しょっぱなから、いきなりの大一番、わずか勝ち点2の差でトップを走るジュビロ磐田戦。
イタリア・セリエAのサンプドリアへレンタル移籍が決まった柳沢にとっては、(順調にゆけば)これがアントラーズでの最後の試合となる。ということでチケットは完売、スタジアムは満員御礼の大盛況だった。そして試合自体も柳沢の門出を祝うかのごとく、誰一人想像だにしていなかったような派手な内容となった。
試合は前半わずか8分にいきなり動く。ゴール前でボールをキープしたエウレルが、フリーで右サイドに上がってきたフェルナンドに絶妙のラスト・パス。アントラーズが早々と先制する。
これだけでも驚きだったのに、さらにまいったのはそのわずか3分後。小笠原からのロングパスで決定的なチャンスを得たエウレルと柳沢に対して、ペナルティ・エリアを出てボールを止めに行った磐田のGKヴァンズアムが思わず手を使ってしまう。岡田レフェリーの判定は一発レッドカード。これで試合の趨勢は決まってしまった。
代わりに出てきたGKは、この試合がJ初出場というルーキー高原。いきなりの登場がゴール前でのFKのピンチというのは気の毒だった。しかもこれをフェルナンドが見事に決めてくれてしまったからなおさらだ。デビュー戦で出場後1分もしないでゴールを許したゴールキーパーというのもなかなか珍しいんではないだろうか。
このあと、わずか5分後にまたもやフェルナンドのFKから大岩がヘッドを決めて3点目を奪う。前半16分でゲームは3-0。そして前半も残りわずかの時間帯にまたもやセットプレーから、この日の主役・柳沢が自らの門出を祝うようなボレーシュートを決めた(手前でオーバーヘッドを試みた大岩はお愛嬌?)。前半終了時のスコアは4-0。こんな試合を落としたら笑いものだ。
後半に前田の突破を許してゴールを奪われ、そのわずか2分後に大岩が福西をペナルティ・エリア内で倒してPKを奪われる。これをグラウが決めて一気に2点差に詰められた時にはおやおやと思ったけれど、後半なかばにまたまたセットプレーからエウレルのヘッドで5点目を奪った時点で完全に勝負あり。鹿島が宿敵相手に思わぬ大勝を納め、ジュビロを抜いてリーグ2位に順位を上げた。
この試合のポイントは柳下監督の選手交代ではないかと思う。故障の山西をベンチに置き、代わりに新人の上本を起用した彼は、ヴァンズアムが退場になったあと、この選手を下げて、代わりに服部をディフェンスに下げた。負けているのだから守備よりも攻撃優先という選手起用だったのだろうけれど、これで傷口を広げてしまったのではないかと思う。さもないと、いくら鹿島相手に一人ビハインドだったからといって、磐田が5失点もするなんて信じられない。よほど守備のバランスが悪かったんだろう。どうもあの人はあまりよい監督じゃないんじゃないかという気がずっと前からしている。
なんにしろリーグ戦でのジュビロ相手の勝利は2年ぶりらしい。素直に快勝を祝いたい。そしてサンプドリアでの柳沢の健闘を祈る。
(Jul 05, 2003)
清水エスパルズ2-0鹿島アントラーズ
J1・ファースト・ステージ第12節/2003年7月13日(土)/草薙競技場/BS1(録画)
磐田に勝って、さあ残りすべて取ればファースト・ステージ初優勝も見えるというその次節で天敵・エスパルスとの対戦を迎えるというのもリーグ戦の綾だろう。この日の鹿島は前節での快勝が嘘のような不甲斐ない戦いぶりを見せて、V戦線から脱落してしまった。しかしまあ、下位に低迷している今期のエスパルス相手でも、やっぱり苦杯を喫してしまうなんて……。なんでここまで清水が苦手なんだろう。これはもうJリーグの七不思議のひとつだ(あとの六つはなにかとか聞かないで欲しい)。
とにかくこの試合に関しては、アントラーズには、いいところがまったくといっていいほどなかった。攻撃は全然形にならない、守備は時々破綻するでは、負けるべくして負けた試合だった。これくらいやりきれない敗戦もひさしぶりだ。深夜の録画放送のためもあって、最後の方は眠くて仕方なかった。
最初の失点はDFがみんな中央に集まってしまって、右サイドから上がったトゥットをフリーにした結果だった。なんであそこまで一箇所に集中しちゃうんだかなあ。ベテラン揃いとは思えないぞ。
後半に奪われた二点目は完全に崩された形だった。右サイド深くを駆けあがった市川から完璧なクロスが、ゴール前へ切り込んだアン・ジョンファンへ上がる。アンのヘッドはバーをたたいたものの、これが跳ね返ったところにしっかりとトゥットが詰めていた。あの位置であれだけフリーでボールをもたれてしまったらばもうアウト。
この日のアントラーズでは二点差を跳ね返せるとはとても思えなかった。それなのにダメ押しをするかのように、残り十五分という時間帯に小笠原が二枚目のイエローカードをもらって退場してしまう。これで万事休す。鹿島のファースト・ステージ自力優勝の可能性はついえてしまった。
試合後にセレーゾが「試合前、グラウンド・コンディションが悪いのでスパイクを替えろと指示を出していたのに、それに従わなかった選手が何人かいた。プロとしての意識が低過ぎる」とえらい剣幕だったらしい。確かに優勝を狙っているとは思えない、全然覇気の感じられない戦いぶりだった。本当にひどい試合だった。
見ていて特に気になったことが三点ある。まずは解説でも散々言われていたけれど、平瀬の力不足。ボールはキープできないし、ポストプレーもこなせない。柳沢の穴を埋めるどころか、逆に彼の不在を強烈に感じさせた。あとから出てきた隆行や深井にさえ負けている印象だ。彼はどうしてあんなにも伸び悩んでしまっているんだろうか。そもそもなぜセレーゾは彼をスタメンに起用したんだろう。隆行は足の具合が悪いそうだから仕方ないにしろ、今の状態ならば、よほど深井の方が期待できそうな気がする。今の平瀬ならばアントラーズに必要ないだろうとさえ思ってしまう。
二つ目は小笠原のプレーに対する姿勢。このところの彼は妙にイライラとプレーしているように見える。いまやチームの中心である彼のそうした態度が、チーム全体に嫌な雰囲気をもたらしているように思える。
彼が退場になったのもそうした姿勢のせいだ。二枚目のイエローは仕方のないものだったけれど、一枚目の方はどう考えたって問題だった。鹿島がファールをもらった場面で、こちらの素早いリスタートを警戒してか、ボールを手にして離そうとしなかったトゥットに対して、小笠原は足で相手の手元にあるボールを蹴るという、まともじゃない行為に出た。レフェリーの判定は喧嘩両成敗ということで両者に対するイエローだったけれど、レフェリーによっては小笠原にレッドが出されても仕方ないような行為だった。いずれにせよこれが祟って退場を食らってしまったんだから、非難されてしかるべきだ。
そういえば今シーズンの初めの頃には、試合中にチームメートのエウレルを小突いたこともあった。セレーゾの守備的な方針やチームが今ひとつうまく機能していないことに対する苛立ちがあるのかもしれないけれど、プロなのだからそれをピッチ上であらわにするのはやめて欲しい。
最後はトニーニョ・セレーゾの采配。彼はなぜあんなにクラウデシールを使いたがるんだろうか。この日も後半わずか十分ほどで本山に代えて彼を投入している。確かに前半終了間際に本山は肩を痛めていたけれど、後半もそのまま出場し続けたということは、その負傷はとりあえず問題がなかったということだろう。なのに負けている状況において、得点力のある本山に代えてボランチのクラウデシールを投入するという采配はどうにも納得がいかない。
クラウデシールという選手は高さがあるので(身長189センチだそうだ)、その高さを生かして得点に結びつけたいという考えだったのだろう。実際、その後はゴール前に攻め上がる彼をターゲットにしたロングボールばかりが目立っていたし。それにしたって、やはりあの時間帯にボランチの投入はないだろう。そういう戦術を取りたいのならば、最初からボランチではなく、長身のFWを獲得するべきだったんじゃないのか。鹿島には青木という将来性のある守備的MFがいるというのに、彼をベンチに置いたまま、しかも10番をつけた選手を下げてまで、わざわざブラジルから連れて来た新外国人を起用するという監督の姿勢にはどうしても納得がいかなかった。
そういえば小笠原が退場になったあとは相馬を深井に代えて、相馬の位置に中田浩二を下げたりしていたけれど、あれだってなしだと思う。確かに浩二はDFの経験もあるので、緊急事態にそうした戦い方をしたいというのはわからなくはない。それにしたってそのポジション変更の理由は結局クラウデシールの投入の結果だろう。キャプテン・マークをつけた選手が、背が高いからという理由だけで起用された選手によって本来のポジションを追われてしまうようでは、戦意が低下するのも当然だ。
もとより本山の伸び悩みをトニーニョ・セレーゾのせいじゃないかと疑っている僕としては、これらの監督の戦術に対して不満を否めないのだった。セリエAで活躍したボランチ出身という経歴のせいか、基本的に守備を重視するセレーゾ監督にとって、守備的貢献度の高い小笠原の方が本山よりも重要な選手だというのはわかる。そもそも二人のデビュー当時にはまだビスマクルがいて、本山とポジションが被っていたという事情もある。
しかし去年ビスマルクが退団して、代わりにチームの攻撃の核となることが期待された本山はその重責を十分に担えていない。原因のひとつはセレーゾの本山に対する信頼の低さにあるのではないかと思ってしまう。確かに本山のプレー自体にも改善の余地は十分にあるのは確かだろうけれど、同時に彼をフル出場させて経験を踏ませようという懐の深さがセレーゾにはない。なんだかあの二人の関係には、日本代表におけるトルシエと俊輔の関係を映し見る思いがする。
とにもかくにもこの敗戦により、仙台に圧勝した首位市原(5-1!)との勝ち点差を4と広げられたアントラーズは、横浜、名古屋にも抜かれて順位を4位に落とした。一日遅れで今夜試合のあるジュビロに抜かれるのもまず間違いないだろう。残り3試合で5位ともなると、優勝はほぼ絶望的だ。それでもわずかな可能性を諦めず、セカンド・ステージへの調整も兼ねて、残り3試合はすべて勝ち取って欲しいと思う。とりあえず現在の順位と今後の対戦相手を考えると、ファースト・ステージの試合が見られるのはこれで最後だろうか。うーん、本当に残念な敗戦だった。
(Jul 13, 2003)
ジュビロ磐田2-2ジェフ市原
J1・ファースト・ステージ第13節/2003年7月20日(日)/ジュビロ磐田スタジアム/BS1
首位市原と2位磐田の直接対決。前半をグラウのゴールで1-0で折り返した磐田が貫禄勝ちかと思ったら、後半になって市原がPKで追いつき、さらには勝ち越しゴールも決まって2-1で勝ち越し。しかし磐田も底力を見せて、その直後に前田のヘッドで同点に追いつき、結局ゲームはドロー。市原が磐田相手に首位がフロッグでないことを見せつけた、堂々たる内容の一戦だった。これでファースト・ステージは一位市原を横浜が勝ち点1差、磐田が勝ち点2差で追う展開。残りはわずか2節。どうやら優勝の行方は市原の次の対戦相手、清水が握っているらしい。
(Jul 20, 2003)
U-22日本1-1U-22韓国
2003年7月23日(水)/国立競技場/TBS
帰宅した途端にキック・オフという試合だったので、序盤はあまり落ち着いてみることができなかった。しかしそれを差し引いても前半は退屈だった。雨の影響もあったのだろうと思う。それにしても全然いいところがなかった。このチームのロング・ボールを多用するサッカーはどうにも好きになれない。ジーコが監督としてはいまいちだとしても、まだ中盤の才能を活かしてつないで戦おうという彼の戦術の方が僕は好きだ。本当に前半の、右サイドバックの池田ばかりがパスをさばいているようなサッカーにはがっかりだ。ま、池田くん自身は非常にがんばっていたと思うのだけれど。
当然のことながらこの世代には中田も俊輔もいない。前半は特にそうした攻撃の中心となる選手の不在を強く感じさせた。でも代わりに松井がいるじゃないか。その意味で彼がいくらかは機能した後半の立ち上がり十分ばかりはそれなりに楽しかった。その後はまた目立たなくなってしまったけれど。やはり彼にはもっと伸びてもらわないと困る。
彼のことをテレビではファンタジスタと呼んでいるけれど、僕はどちらかというとトリックスターと呼んだ方が正しいんじゃないかというイメージを持っている。この試合でもいくつか思わず声をあげてしまうようなトリッキーなプレーを見せていた。でも、ああいうのばかりではなく、もっと基本的なプレーで存在感を見せられるようになって欲しい。本当にファンタジスタという形容が似合うようになるのはそうなってからだろう。頼むから、もっと上へ。僕は松井には大久保以上に期待している。
先制点は韓国。この試合でもセンターバックとして起用された青木のパスミスから韓国の選手にボールが渡ってしまい、強烈なミドルを打たれてしまう。コースとしてはキーパーの正面だったのだけれど、なぜかこれにGK川島が反応できず。無念の先制を許した。
それまでまったくいいところのなかった日本だけれど、不思議なものでその7分後に同点に追いつく。チャンスを作ったのは松井の意表をつくヒールパスだった。そのパスに石川が賢明に追いつき、いい位置でのファールを誘う。そのセットプレーからの波状攻撃で、最後はなぜか右サイドへと流れていた石川がグラウンダーのクロス。これが相手DFの足に当ってゴールネットを揺らした。オウンゴールではあったけれど、実効のある攻撃の結果としての得点だったから、とても嬉しかった。
その後の日本の攻撃は、相手のミスから得たチャンスで大久保のボレーシュートがバーをたたいた場面と、後半早々に松井が阿部のラストパスからフリーのシュートを打った場面以外にはほとんど形にならなかった気がする。大久保はフル代表とJリーグと休みなしで戦い続けている影響か、いまいち切れが感じられなかった。
対する韓国は二度ほどディフェンス・ラインを崩してフィニッシュの形を作るも、シュートミスで得点には到らず(ラッキー)。セットプレーからの惜しい場面も二度三度あったけれど、これも枠に飛ばず。日本よりはいい形を作れていたものの、やはり最後の一押しが足りない印象だった。とはいえ高さがある上にセットプレーの精度も高く、しかも前からうしろまでシュート力がある選手が揃っているという点では、残念ながら現時点では、日本より韓国の方が実力は上だと思う。まいった。
やはり体格で世界標準に劣る日本の未来は、中田、俊輔、小野、松井など、次々と登場する才能あるミッド・フィールダーに賭ける以外にはあるまいと僕は思い始めた。なので問題は多々あるけれど当面はジーコを支持する。
(Jul 23, 2003)
清水エスパルス3-0ジェフ市原
J1・ファースト・ステージ第14節/2003年7月26日(土)/日本平スタジアム/BS1
わずか勝ち点1差で首位に立っていたジェフ市原がエスパルスに完敗。前半だけで3点を奪われ、そのまま完封負けを喫した。しかも終盤になってチェ・ヨンスがレッド・カードで退場となり、ファースト・ステージ最終節となる次節は出場停止。追う立場になった上、チーム一の得点元を欠いては優勝はきびしかろう。こういう大切な試合を落としてしまうあたりは、やはり優勝経験のなさだろうか。気の毒な結果になってしまった。
それにしても前々節でのアントラーズ戦に続いて、再び優勝を狙うチームを蹴落として見せたエスパルス。こんな試合のできるチームがなんで下位に低迷しているんだかとても不思議だ。アレックス、市川という代表クラスのサイドアタッカーがいて、前にはアン・ジョンファンのような素晴らしい選手がいるというのに。なんだかなあ。
特にアン・ジョンファンがいい。あまりいいものだから、かつての悪い印象もすっかり払拭されてしまった。まいりました。
(Jul 27, 2003)
鹿島アントラーズ0-1セレッソ大阪
J1・ファースト・ステージ第14節/2003年7月27日(日)/カシマスタジアム/BS1
ファースト・ステージのアントラーズが見られるのはこれで最後だろうと清水戦のあとで書いたけれど、対戦カードに恵まれて、今日もう一試合を見ることができた。昨日で今節の優勝候補チームの試合はすべて終わっていた上に、本日のもう一試合はFC東京と最下位の京都というカード。そうなれば4位アントラーズと日本代表で売り出し中の大久保が所属するセレッソ大阪との試合が放送されるのは当然のことだった。
しかし正直なところ、見られなかった方が良かったんじゃないかという試合だった。前節・神戸戦でレッドカードをもらった秋田、相馬の二人加え、本山まで累積警告で出場停止。スタメン三人を欠いて臨まなければならなかった試合ではあった。とはいえ相手も大久保は疲労の蓄積に配慮した監督采配によりベンチスタート、西澤も累積警告で欠場という状況。その意味では五分の戦いができてしかるべきだった。しかし。
欠場した三人の代わりに出場したのは池内、石川、そしてクラウデシールだった。DF二人は当然だとしても、なぜクラウデシール? 青木の方がよほどよくはないかと、どうしても思ってしまう。実際、後半早い時間に、足を痛めていた名良橋とクラウデシールに代えて青木と鈴木隆行を投入してからは随分とチームのリズムが良くなったように思えた。まあ交替で入った青木は右サイドバックの位置に入ったので、攻撃的MFとして起用されていたクラウデシールと一概に比較はできないわけだけれど。なんにしろクラウデシールの偏重がチームのリズムを乱しているような気がしてならない。
とにかく結果は0-1だったけれど、内容的には0-3で負けていてもおかしくなかったと思う。実際に真中のシュートがオフサイドと判定されず、真中のPKが枠を外していなかったらば、それだけの差をつけられて負けていたはずだ。とにかく相手にボールを支配されまくりだった。チャンスの数でも圧倒的な差をつけられていた。対するアントラーズの攻撃で形になったのは、終盤に小笠原がゴール真正面でシュート・チャンスを得た一回だけじゃなかったかと思う。どっちが上位のチームだかわかったものじゃない。
昨日の試合で市原が負けたことにより、この試合が始まる時点では、アントラーズにもかろうじて優勝の可能性が残されていた。次節で上位の三チームが揃って負けるのが条件という、極めて低い可能性ではあるけれど、残っていたことには変わりがない。けれどこの試合に負けたことで一巻の終わり。こんな試合をしていたんでは、優勝うんぬんを語るのが恥かしくなってしまう。まったく。
ちなみに、この試合は7月一杯での引退を表明していた長谷川祥之にとっての、最後の公式戦だった。結局負けていたせいもあって、最後まで彼に出番がなかったことを残念に思う。三枚目の交替枠を使ってトニーニョ・セレーゾが投入したのが本田だったのを考えるとなおさらだ。本田の投入により確実にチームのバランスがよくなったのを考えると、妥当な選手交替だったとは思うけれど、ただそれだったらば最初からクラウデシールじゃなくて本田を使えよと言いたいところだ。
なんにしろ負けている状況で、最後の交替カードを使ってボランチの選手を送り出すことでチームに流れを引き寄せたトニーニョ・セレーゾの采配は、サッカーのおもしろさを感じさせてくれた上で、この試合唯一の収穫だった。
(Jul 27, 2003)