Phrazes for the Young
Julian Casablancas / 2009 / CD
ストロークスのボーカリスト、ジュリアン・カサブランカスのファースト・ソロ・アルバム。
僕は特別ストロークスのファンではないけれど、とりあえずデビュー当時からフォローし続けてはいるし、たまたま聴いたストロークスのギタリスト、アルバート・ハモンド・ジュニアのソロ・アルバムもとてもよかったので、こうなるとフロントマンのソロ・アルバムを聞かないって選択肢はあり得ない。
なによりこのアルバムはジャケットがカッコいい。少なくても僕はとても気に入った。なぜだか犬がいるのもいい(犬ジャケ好き)。これなら、もしかしたらストロークスのネーム・バリューがなくてもジャケ買いしたかもしれない。
ただし、肝心の音のほうはというと、正直なところ平均的な出来という感じ。チープ&カラフルなシンセサイザーが彩りを添えたギター・サウンドはいかにも最近のニューヨークらしいけれど、時代を揺るがすような革新性はまったく感じられない。ストロークスという00年代を象徴するバンドのフロントマンの処女作としては、やや期待はずれかなという気がする。
とかいいつつも、じつは僕はこのアルバムがけっこう気に入っている。変にきばって時代を背負ったりしていないところが、逆に気持ちいい。けっしてすごいとは思わないのだけれど、それでいてなんとなく繰り返し聴きたくなる好作品。これはこれでありだと思う。
(Jan 20, 2010)