2008年8月の音楽

Index

  1. Waited Up Til It Was Light / Johnny Foreigner
  2. Carnavas / Silversun Pickups

Waited Up Til It Was Light

Johnny Foreigner / 2008 / CD

Waited Up Til It Was Light

 サマソニ08のための予習その4。UKバーミンガム出身のニューカマーで、白人男女に黒人ドラマーという珍しい構成のスリーピース・バンド、ジョニー・フォーリナーのデビュー盤。
 このバンド、どこぞでちょろっと耳にしたそのサウンドにおっと思ったのに加え、アルバム・ジャケットがとても可愛かったのにも惹かれて、サマソニ10日前のいまさらながら、とりあえず聴いておこうという気になったのだけれども……。
 そしたらこれが、めちゃくちゃ好みだった。ピクシーズにブロック・パーティーを掛けあわせて、毒抜きして陽性にしたような、もしくはロス・キャンペシーノスをスリーピース・バンドにして、よりスピーディーに、よりノイジーにしたような感じで、まさに僕の趣味にどんぴしゃ。いやあ、こういうバンドと出会えて、なにげにライブが観られるのは幸せだ。
 それにしてもこのバンドにしても、ロス・キャンペシーノスにしても、UKのアマゾンにレビューがほとんど掲載されていないところを見ると、どうやら本国ではそれほど話題になっていないらしい。個人的にはどちらも非常に気に入っているだけに、ぜひとも売れて欲しいところなのだけれど、なんだか一期一会に終わりそうな気も……。とりあえずしっかりと観てきたい。
(Aug 04, 2008)

Carnavas

Silversun Pickups / 2006 / CD

Carnavas

 サマソニ08の予習その5。こちらはスマッシング・パンプキンズが引き合いに出されることの多い──しかもそのご本家スマパンのビリー・コーガンも絶賛しているという噂の──カリフォルニアの4ピース・バンド、シルヴァーサン・ピックアップスのデビュー・アルバム──ただしリリースは一昨年という作品。
 このバンドはスマパンが引き合いに出されるのが非常によくわかる、いやそれどころか、まさしくスマパンのフォロアー以外のなにものでもないって音を聴かせてくれる。スマパンからビリー・コーガンが持つ情緒不安定さと70年代的ハードロック志向を取り除いて、タッチをもっと繊細にしたような──もしくはちょっと線を細くしたような──感じ。まあ、人によっては、そこをもの足りないと思う人もいそうだけれども、僕は十二分に気に入っている。
 あとこのバンド、ベーシストが女性という点も、かつてのスマパンと同じながら、こちらの女の子はご本家とはちがって、ベースを弾くだけではなく、部分的にソロでボーカルをとったり、コーラスをつけたりしていて、そこがまた魅力的だ。その点はひとつ前のジョニー・フォーリナーも同じで(あちらもベースが女の子)、これまであまり意識したことがなかったけれど、どうやら僕はピクシーズの昔から、この手のボーカリスト兼任の女性ベーシストに、からきし弱いらしい。
 ということで、この数日はジョニー・フォーリナーとこれとを、とっかえひっかえしながら、聴きまくっている。同時に入手したふたつの新人バンドのアルバムがどちらも大当たりってのは、ロック・ファン冥利につきる。
(Aug 04, 2008)