2007年11月の音楽

Index

  1. 俺たちの明日 / エレファントカシマシ

俺たちの明日 [Single]

エレファントカシマシ / 2007 / CD+DVD

俺たちの明日(初回盤)(DVD付)

 今年は夏の初めにラッドウィンプスと出会って十年に一度という興奮をおぼえ、さらにその直後にフジロックで念願のキュアーのライブを初体験したことで、なんだか一年分の音楽への情熱を使い切ってしまったみたいな感じがある。あいかわらずCDは買いまくっているし、日々、絶えずなにかしら聴いてはいるけれど、あまり新しい音楽に集中しきれなくて、iPod では新譜をそっちのけにして旧譜ばかり聴いている。もとより音楽評論家を目指しているわけではないし、そんな気分のときに、なにも無理をして新譜を聴かなくてもいいだろうと──日々増殖するCDにちょっぴり頭を悩ませつつも──、耳になじんだ日本語のロックばかりを聴き続けている。ほんと、ラッドウィンプスの4枚目なんて、いったい何回聴いたことかわからない。
 そうした流れのなかで、最近はエレカシもよく聴く。で、聴き始めると止まらなくなる。なんたってつきあいは長いし、好きな曲は数え切れないくらいあるのだから。
 ほんと、かれこれ20年近く前にリリースされた曲から、この最新シングルにいたるまで、どの時期をとってみても大好きな曲が万遍{まんべん}なくあるのには驚いてしまう。こんな風にコンスタントに活動を続けているバンドは{まれ}だと思うし、そんなバンドの音楽を心から愛せる僕は、実はとても幸せな男なんじゃないかと思ったりする。
 この3年ぶりのニューシングルも、僕はしっかり気に入っている。『俺たちの明日』 は今年の正月以来、すでにライブで4回も聴いているし、着メロではかなり前にリリースされているので、あまり新曲という気がしないけれど、カップリングの 『さよならパーティー』 がこれまたいい曲で、こと楽曲に関しては、こちらがA面でもいいくらいのメロディアスさだったりする。
 この曲でおもしろかったのが、その歌詞。 『さよならパーティー』 なんて、なんとなく宮本らしからぬタイトルだなと思っていたら、歌っているのは「さよならパーティー/もう抜けようぜ/だってこんなのつまんねぇ」というネガティヴな歌詞だったりする。わはは、これって「花見なんぞのどこがいい」と歌った20代の頃とたいして変わってないじゃないか。
 ユニヴァーサルという大手レコード会社へ移籍しての第一弾シングルにして、「さあ、がんばろうぜ」と前向きに歌う中年応援ソングのカップリングに、こういう歌を持ってきてしまう宮本浩次という人が、僕は本当に大好きだ。
(Nov 29, 2007)