2020年8月の映画

Index

  1. カフェ・ソサエティ
  2. ジョン・ウィック:チャプター2
  3. IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。

カフェ・ソサエティ

ウディ・アレン/ジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュワート/2016年/アメリカ/Amazon Prime Video

カフェ・ソサエティ(字幕版)

 ひさしぶりのウディ・アレン作品。すっかり映画を観る時間が減ってしまったので、アレン作品コンプリートへの道はまだまだ先が長い。
 2016年公開のこの作品は、ハリウッドの大物プロデューサーである叔父を頼ってニューヨークからハリウッドにやってきた青年が恋した叔父さんの美人秘書がじつは……というロマンティック・コメディ。
 特別にどこがすごいという映画ではないけれど、でもそこはウディ・アレンだけあって安心して楽しめる良作。なにごともCG頼りの大味な映画があふれかえる2010年代になってなお、こういう奇をてらわない昔ながらのコメディをあたりまえのように作れるのって、逆にそれだけでもうある種の偉業なのではという気がする。
 キャスティングもいい。ジェシー・アイゼンバーグはウディ・アレンの主人公を演じるにはうってつけだし(背は高いけれど)、ヒロインのクリステン・スチュワートもかわいい。主人公の叔父役でスティーヴ・カレルがまるで笑いどころのない役をふつうに演じているも意外といい感じだ。
 クリステン・スチュワートって僕はこれまで知らなかったけれど、『パニック・ルーム』の子役にして、トワイライト・サーガの主演の子なんですね。トワイライト・サーガってある種のアイドル映画だと思いこんでいたからまったく眼中になかったけれど、この映画の彼女はとても好印象だったので、そんな彼女がヒロインならば、ちょっと観てみたいかもって思った。
(Aug. 23, 2020)

ジョン・ウィック:チャプター2

チャド・スタエルスキ監督/キアヌ・リーヴス、コモン、ローレンス・フィッシュバーン/2017年/アメリカ/Amazon Prime Video

ジョン・ウィック:チャプター2(字幕版)

 愛犬を殺された伝説の殺し屋の壮絶な復讐を描いたキアヌ・リーヴス主演のバイオレンス・アクションの続編。
 前作につづき、今回も派手なアクションシーンと銃撃戦だらけ。まあ、それが売りの映画なんだろうけれど、あまりに過剰にそういうシーンばっかりなので、僕はいささか食傷気味になってしまいました。こんなに主人公が車にはねられまくる映画も珍しいと思う。
 そもそもなぜに僕は主人公が撃たれても死なないのかがわからないし(防弾仕様の特殊スーツを着ているとかいう噂)、どうして主人公が犬と一緒にいるのかもわからない。前作で新しい犬を飼ったんでしたっけ?
 いろいろとわからないことが多い中、延々とバトル・シーンがつづくのを観ていたら、なんだかとても眠くなってしまった。いまいちこのシリーズとは相性がわるい気がする。でも今回は明らかに続編がありますって終わり方をしているので、懲りずに次回作もたぶん観てしまうんだろうと思う。
 とりあえず、邦題が『ジョン・ウィック:チャプター2』と原題のまんまで、「炎の復讐」みたいな陳腐な装飾がついていないのはよいと思います。
 キアヌ・リーヴスと戦っている感じのいい黒人さんがラッパーのコモンだと知って、ちょっとびっくり。
(Aug. 23, 2020)

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。

アンディ・ムスキエティ監督/ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャステイン/2019年/アメリカ/Netflix

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(字幕版)

 前作で“イット”と戦った少年たちが大人になって再びピエロのペニーワイズと対峙するシリーズの完結編。
 前作を観たあとで原作を読んだので、今回はそれを踏まえての話になるけれど、今作も基本的にはかなり原作に忠実な内容になっていると思う。冒頭でゲイのカップルがイットに襲われるシーンとか、省略してもよさそうなシーンなのに、きちんと原作を踏まえて映像化されている。
 原作からの変更点でもっとも大きなものは、ビルの奥さんとベバリーの旦那が事件にかかわってこない点。あと少年少女たちが前回の事件のときに経験した(さすがにそれを映画化したら教育委員会が黙っちゃいなさそうな)人には言えない秘密が描かれなかった点。
 この二つの変更によって、“イット”との最後の戦いの部分の改ざんを余儀なくされ、結果としてモンスター退治の結末がずいぶんとしょぼい感じになってしまったのがこの映画の残念な点(なんだか子供の口喧嘩みたいだった)。
 でも、それ以外の点ではけっこういい出来映えだと思う。二時間半を超える長さがほとんど気にならなかったのがその証拠。ジェームズ・マカヴォイをはじめとした俳優陣がそれぞれ子供時代の面影を残している感じなのもいい。こういう的確なキャスティングができる懐の広さがハリウッドの強みだよなぁと思う。
 そういえば、メインは大人になってからの話ではあるけれど、回想シーンとして前作の子供たちの出番もけっこうあるので、あの子たちが好きだった人も引きつづき楽しめる内容だと思う。
 まぁ、ホラー映画としてはそれほど怖くない――というか、びっくり箱的な驚かせ方が多くて、思わず笑ってしまようなシーンも多かった――ので、身の毛もよだつようなホラー映画が観たい人には期待外れかもしれないけれど、とりあえずホラーが苦手な僕にはほどよい感じの、なかなかおもしろい映画だった。
(Aug. 23, 2020)