2019年11月の映画

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  1. このサイテーな世界の終わり シーズン2

このサイテーな世界の終わり シーズン2

ジェシカ・バーデン、アレックス・ロウザー/2017年/イギリス/Netflix(全8話)

The End of The F***ing World 2 (Original Songs and Score)

 アリッサとジェイムズふたたび――。
 自称サイコパスの男の子と不機嫌な女の子、出逢ったったばかりの高校生ふたりが勢いで家を飛び出して繰り広げる逃避行の顛末を描いた傑作青春ロードムービー・ドラマの続編。
 このドラマのシーズン1は、ゴダールの『勝手にしやがれ』や『気狂いピエロ』、はたまた『俺たちに明日はない』や『明日に向かって撃て』、『バニシング・ポイント』などのアメリカン・ニューシネマのように、好き勝手やったあげくに破滅してしまう若者を描いた、絶望的な結末ゆえに深い余韻を残す作品だった。
 でもそれらの作品がどれも傑作なのは、そこで終わっているから。その先を描くなんて蛇足でしかない――というか、その先は禁じ手でしょう?
 要するにそれらの名画に通じる世界観を持ったこのドラマは、続編なんて絶対に作っちゃいけないタイプの作品だったわけだ。少なくても僕はそう思っている。
 なので、このシーズン2に関しては、最初からもう前作をしのげないのは想定内。そもそも作ったのが間違い――って作品だと思う。
 ――だがしかし。
 あのアリッサとジェイムズのその後が観られるといわれちゃったら、それはもうどうしたって観たくなるのが人情ってもの。そもそもあのあとを受けて、どうやって話をつづけんだよという好奇心が抑えられない。
 ということで、公開されるが早いか、さっそく観てしまいました、『このサイテーな世界の終わり』のシーズン2。
 はてさて、このドラマの作り手たちはいったいどういう形でふたりのその後を描いてみせたのか――。
 それは観てのお楽しみ。
 このドラマについては、いっさいなにも知らずに観るのが正しい見方だと思う。いやぁ、さすがに前作のインパクトはしのげていないけれど、それでもこれはこれでまずまずおもしろかった。前作に引きつづき、レトロ感たっぷりのグレアム・コクソンのサントラもいい感じです。
 いやしかし、よもやシーズン3があったりはしないよな? あったらあったで喜んで観ちゃうけど。
(Nov. 13, 2019)