2017年9月の映画

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  1. 誘惑のアフロディーテ

誘惑のアフロディーテ

ウディ・アレン監督/ウディ・アレン、ミラ・ソルヴィーノ、ヘレナ・ボナム=カーター/1995年/アメリカ/DVD

誘惑のアフロディーテ (字幕版)

 ウディ・アレン演じる主人公が養子として迎えた息子がとても優秀だったことから「いったいこの子の実の親はどんな人たちなんだろう?」と好奇心を持って、その母親に会いに行ってみたところが、その人がじつは……という話。
 ヒロインを演じるミラ・ソルヴィーノってすごくきれいな人だと思っていたのだけれど、この映画の彼女はそれほど美しいって感じではなくて、しかもとても垢抜けない。まぁ、そういう役どころをばっちりと演じているからこそなんだろうけど──なんたってその演技力が認められて、彼女はこの映画でオスカーの助演女優賞を獲得している──、個人的にはそれがちょっぴり残念だった。
 とにかく彼女があまりに垢抜けないので、『誘惑のアフロディーテ』というタイトルはいまいちミスマッチな気がする。ただし、ギリシア神話をモチーフにした謎のオペラ・シーンがあちこちでインサートされるので、もしかしたら物語のプロット自体がギリシア神話のなんらかのエピソードを下敷きにしているのかもしれない。
 まぁ、そうした奇抜な演出も含めて、作品自体はいかにもウディ・アレンらしいコメディ。テーマがセクシャルなので下ネタのギャグもけっこうあるけれど、若いころの「ひょうきん族」的なドタバタ調と比べると、ある程度抑制が効いていて控えめなところに、ウディ・アレンの映画監督としての年齢を感じる。
 ウディ・アレンの奥さん役がヘレナ・ボナム=カーター。ミラ・ソルヴィーノが助演女優賞ってことだから、主演は彼女ってことになるんだろうけれど、出番はそれほど多くないような……。まぁ、とはいえ、魔女っぽくない彼女の演技を観るのはひさしぶりで、それはそれで新鮮だった。
 それにしても、週刊ウディ・アレンとかいっていたくせして、さすがにそう毎週は観れない。ウディ・アレンどころか、結局この九月は映画自体がこれ一本だけになってしまった。
(Sep 24, 2017)