2016年8月の映画

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  1. ジュラシック・ワールド

ジュラシック・ワールド

コリン・トレヴォロウ監督/クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード/2015年/アメリカ/Amazon Prime Video

ジュラシック・ワールド (字幕版)

 前三部作から十五年ぶりに製作された『ジュラシック・パーク』シリーズの第四弾。
 かつてのジュラシック・パークでの悲劇を乗り越えて、恐竜ビジネスがすっかり大成功を収めたという設定のもと、大盛況を誇る恐竜テーマパークにて、遺伝子操作で生み出された新種の巨大恐竜が牙をむく……という話。
 あのジュラシック・パークがいまやこんなに!……という設定はとてもキャッチーでいいと思うし、そこで見せる新たな恐竜の数々にはお~っと思うのだけれど、いかんせんシナリオがめちゃくちゃ。特に、かの凶暴なるヴェロキラプトルがすっかり飼いならされていて、主人公のオーエン役のクリス・プラット(ぱっと見でパトリック・ウィルソンかと思っていたら、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の主役の彼だった)とともに敵に向かってゆく展開には「ギャグ?」と言いたくなる。
 あと、旧作の流れを踏襲してか、この映画でも子役が重要な役どころを演じているのだけれど、その行動パターンにしてもやたらと嘘っぽい。初めて訪れたテーマパークに避難勧告が出ている状況で、わざわざ立ち入り禁止区域に入り込む高校生なんていないでしょうよ。兄ちゃんなぜだかやたらサバイバル能力が高かったりするし。下の子はさっきまで恐竜で興奮しまくっていたと思ったら、いきなり両親の離婚について考えて泣き出したりするし。話の進め方がいちいち不自然。
 そもそもラストはいかにもハッピーエンドって演出になっているけれど、あの状況でハッピーエンドはないでしょう? たんに最悪の事態を回避しただけで、あのでかいのは逃げ出したままなんだけれど……。まるで原発が爆発しなかったから放射能はだだ漏れだけどまぁオッケーって日本政府並みの無責任さだ。
 いやぁ、いろいろとあまりにいい加減なので、これはもしや確信犯なのかもと思うほどの出来映えだった。ほんとつっこみどころ満載なので、誰かと一緒にケチつけながら映画を観るのが好きな人にはいいかもしれない。逆にひとりでは観ないほうがいいと思う。ひとりで観ていたら、腹が立っても怒りのやり場がなくて困りそう。
 でもまぁ、とりあえず鴨川シーワールドのシャチ的にプールから飛び出してくるどでかい恐竜、あれはよかった。この映画の影の主役はまちがいなく彼(または彼女)。
(Aug 15, 2016)