2014年12月の映画

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  1. ウルフ・オブ・ウォールストリート

ウルフ・オブ・ウォールストリート

マーティン・スコセッシ監督/レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マーゴット・ロビー/2013年/アメリカ/WOWOW録画

ウルフ・オブ・ウォールストリート [DVD]

 気がつけば、映画の感想を書くのも夏以来だ。
 さんざん聴いてはいるくせして文章を書くのをサボっていた音楽と違って、映画については単にすっかり観なくなってしまっため、書くことがなかった。
 正確にはまったく観ていないということもなくて、食事をしながら観たりした映画は2、3本あったけれど、どれもナガラ観だし、きちんと集中して観ていない映画について書くのは一応ルール違反なので、あえて書かなかった。
 というか、このごろは疲れ切っていて、文章を書くのが面倒だから映画を観るのをやめていた、という面もなきにしもあらず。
 でもまぁ、いまは年末休暇中で時間にも余裕があるし、反対にHDDレコーダーの残量には余裕がないので、この辺でひさしぶりに映画を観ようと思って、録画してあるうちでいちばん長い映画ってことで選んだのがこれだったのですが──。
 いやぁ、こんなに最初から最後まで下品で悪趣味な映画も珍しくないですか?
 ひさしぶりに観る映画がこれってのもどうかと思ってしまった。
 とにかく、セックス、ドラッグ、ロックンロールのかわりに、セックス、ドラッグ、マネー、マネー、マネー。
 金は正義だというポリシーのもと、証券会社を起して、口八手八丁で客をだましては大金を稼ぎ、その金でセックスとドラッグに明け暮れる凄腕証券マンの半生を描くスコセッシのこの映画は、とにかく徹頭徹尾お下劣。そのひとことにつきる。
 でも、主人公の徹底した拝金守備が、それ自体まさに特別にパワフルであるがゆえに、かって清々しくさえ感じられてしまうという。そこがすごい。いわば『グッド・フェローズ』の最後の方だけを取り出して、成り上がりパワーを注入して、全面培養したような映画。
 あと、この映画、人とは微妙にずれた価値観を持った主人公が暴走する話という点では、『タクシー・ドライバー』や『キング・オブ・コメディ』にも通じるところがあると思う。ただ、あれら過去の傑作が人生の落伍者を描いていたのに対して、ここでの主人公ジョーダン・ベルフォートは大富豪。そこのところは決定的に違っている。
 そんなスコセッシの描く主人公像の変化に、時代の確実な変遷を感じた一編。
(Dec 30, 2014)