2024年5月のサッカー

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  1. 05/03 ○ 鹿島3-1湘南 (J1・第11節)
  2. 05/06 ○ 柏1-2鹿島 (J1・第12節)
  3. 05/12 △ 鹿島3-3東京V (J1・第13節)

鹿島アントラーズ3-1湘南ベルマーレ

J1・第11節/2024年5月3日(金)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 ひさびさの連勝~。
 スタメンは早川、濃野、植田、関川、安西、知念、海舟、樋口、仲間、名古、優磨という、前節と同じ11人。チャヴリッチはなぜかまたベンチスタートだった。
 でもって、このメンツで前半はまるでいいところなし。相手は降格圏内に沈んでいる湘南なんだから、ここはさくっと勝って欲しいところなのだけれど、なかなかそうはいかないのがJリーグだなぁと、この日もまた思う。
 でも後半の頭から樋口をチャヴリッチに替えたことで状況が一変する。
 開始わずか5分で、右CKの流れから先制点。一度は跳ね返されたボールを仲間が右サイドのチャヴリッチへとつなぎ、チャッキーがファーサイドへと頭で折り返したボールを優磨がヘディングで決めた。
 頼れるエースふたりの連携から生まれた素晴らしいゴール。前半の苦戦が嘘みたいにあっさりと点が入ってしまって拍子抜けした。
 つづく追加点も優磨。名古の左サイドからのFKに、ゴール前へするっと入り込んで足で合わせた。練習かよってくらいに鮮やかだった。湘南のディフェンスはなにしてんだよってくらいのあっけなさ。
 とどめの3点目もよかった。相手の攻撃をしのいでボールをセーヴした早川が、右サイドの最前線に残っていた優磨を見逃さす、即座のロングフィード。そこからドリブルで攻めあがった優磨が相手DFをかわしてクロスを入れ、ゴール前に詰めていたチャヴリッチが下がりながら頭であわせた。開幕戦での彼のゴールを思い出させる上質のヘディング弾だった。早川のセーブからわずか10秒足らずじゃなかろうか。わずか3人で決めたとても見事なカウンターだった。
 いやはや、この日の3ゴールはどれも完璧だった。
 惜しむらくは、そのあと後半40分に1点を奪われたこと。相手の波状攻撃から、一度は早川がシュートを止めるも、そのこぼれ球を福田翔生{ふくだしょう}という23歳のFWに押し込まれた。今年は早川がせっかく止めたのに、そのあとのこぼれ球を決められるケースが多い気がする。もうちょっと守備陣にがんばってもらいたい。
 でもまぁ、残念だったのはその1点だけ。エース鈴木優磨の2ゴール1アシストでの快勝でいい気分だ。途中出場は、チャヴリッチ、聖真&師岡、藤井、須貝の5人で、藤井は優磨に替えての投入だった。過密日程ゆえ、エースを早めに引っ込める余裕の展開(失点はそのあと)だった。
 対する湘南の監督は今年も山口智で、最前線にかつてのJ2得点王ルキアンを要し、GKは26歳の韓国人ソン・ボムグン、最終ラインにはキム・ミンテ、途中出場で杉岡という元・鹿島勢がいた。杉岡と一緒に後半頭から出てきた山田直樹は髪を七三にセットしていた(誰かと思った)。途中から阿部浩之も出てきたし、思ったより選手層が厚い気がする。
(May. 04, 2024)

柏レイソル1-2鹿島アントラーズ

J1・第12節/2024年5月6日(月)/三協フロンテア柏スタジアム/DAZN

 ゴールデンウィークの三連戦で三連勝~!
 しかもそのうちのふたつは、開幕戦以来勝ち星がなかったというアウェイ!
 サッカーファンとしてはこんなにハッピーなGWはまたとない。まさに黄金週間の名にふさわしかった。
 ――とはいっても、前節のスタメンから樋口を師岡に入れ替えて臨んだこの柏戦。決して試合内容がよかったわけではなかった。
 いやもとい。前半についてはそうでもない。そうそうに名古の個人技から先制したし、対する相手のシュートはマテウス・サヴィオが早川と一対一のチャンスに打ったループシュート一本(さいわい枠を外れた)だけじゃないかったかと思う。ほぼ鹿島が主導権を握った45分だった。
 柏は直前までU-23アジア杯に参加していたエース細谷(優勝おめでとー)がベンチを外れたので、その一点だけでも鹿島有利だった。
 ところが、柏が後半の頭から木下康介という長身(190㎝)のFWを入れてきてから様相が一変する。
 ロングボールに競り勝てるFWが入ったためか、ここからは完全な柏ペース。ポポヴィッチも劣勢を跳ね返すべく、名古と仲間を聖真&チャヴリッチに替えて反撃に出ようとするも、その直後に戸嶋のアシストから島村拓弥という坊主頭のFWに技ありのシュートを決められて同点とされてしまう。
 さらにはその5分後には植田がハンドでPKを取られて、すわ逆転というピンチ。
 このPKでキッカーのマテウス・サヴィオのシュートが左の枠をとらえられなかったのが、もしかしたらこの日の勝因かもしれない。
 ――なんてのも情けないが。でも柏のハイプレスが厳しくて、その後もまるで勝ち筋が見えなかったから、あのシュートを外してくれたのは、ほんとサヴィオ様々だった。
 彼は後半ロスタイムの最後にも早川が飛び出してゴールが無人になったチャンスにシュートを外して同点のチャンスを不意にしていたし、本当にこの日は踏んだり蹴ったりだった。お気の毒さま。間違いなくいい選手なんだけどねぇ。
 でもほんと、後半の柏のハイプレスはすごかった。中二日での過密日程なのに、この差はなにって思って確認したら、あちらは前節から四人スタメンを入れ替えていた。対する鹿島は一人だけで、この三連戦のスタメンはほぼ固定。そりゃスタミナに差が出るのも仕方ないかもなぁって思ってしまった。
 ポポヴィッチの選手起用にはこれといった不満はないけれど、もうちょっとローテーションを上手く使いこなしてくれると嬉しい。あと、この日も交替カードは4枚しか切ってないし。日程が厳しいんだから、ここはちゃんとすべて使おうぜとは思う。
 ちなみに残り十分ちょいで師岡を樋口に替えたあと、この日の最後のカードを切ったのは後半ロスタイムの勝ち越し後。守備固めで5バックにするため、途中出場の土居聖真を下げて須貝を入れてきた。おそらくピッチでいちばん疲れてないだろう聖真の交替はさすがにどうかと思った。彼のプライドもあるだろうし、そりゃないんじゃないと思いました(試合後に優磨が聖真の肩を抱いて慰めていた)。
 その交替の直前に生まれた劇的な決勝弾は、優磨のアシストからチャヴリッチ。頼れるエースふたりの見事な連携から生まれた素晴らしいゴールだった。結果的にはこの三連戦でチャヴリッチをスーパーサブとしたポポヴィッチ采配はずばり正解だった。
 柏は順位こそ低めだけれど、さすがに井原のチームだけあって守備が固く――個人的には古賀と犬飼のCBコンビが大のお気に入り――失点の少なさだけなら上位クラスだから、そこから土壇場で勝ち点3をもぎとれてほんとよかった。
(May. 07, 2024)

鹿島アントラーズ3-3東京ヴェルディ

J1・第13節/2024年5月12日(日)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 16年ぶりにJ1に戻ってきたかつての宿敵・東京ヴェルディとの一戦は3-0からドローにされるという、まさかの展開になった。あぁ、痛恨の連勝ストップ……。
 前節と同じスタメンでのぞんだこの試合。ホームゲームという点を差し引いても、どう考えたってこちらが有利だった。
 なんたってヴェルディは鹿島からレンタル移籍中の染野と林(ふたりともこれまで全試合スタメン出場していたらしい)が契約の都合で出られない。そのほかにはキャプテンの森田晃樹と、U-23アジアカップ優勝の立役者になった山田楓喜くらいしか知っている名前がない。でもって外国人選手はGKのマテウスと途中出場のチアゴ・アウベス(聞いたような名前だけれど知らない選手)だけ。
 そんなクラブ相手に開始わずか5分でVARの介入によりハンドでPKをゲット。これを優磨が決めて先制すると、その3分後にはカウンターから名古が追加点。後半5分にはセットプレーから植田のヘディングが決まり3-0。誰だって当然これで4連勝間違いなしと思う。
 ところがそれから、まさかの展開が待っていた。
 まずは濃野&師岡を須貝&藤井、名古を樋口に替えたあとに、途中出場の齋藤功佑という選手に技ありのゴールを決められる。シュートコースに鹿島の選手が3人もいたのに、誰も止められず。
 まぁ、このゴールはまだ仕方ない。思い切りよくシュートを打った相手の勝ち。
 でもそのあと、残り15分ちょいを残して知念を土居に替えたところから、さらに雲行きが怪しくなる。
 そのまま聖真がボランチに入ったことで守備が不安定になり、チームは相手に押し込まれたままになってしまう。でもって80分に左サイドからクロスを入れられ、それをニアの選手が空振りしてファーに流れたボールを木村勇大という23歳の選手に決められて1点差。
 楽勝のはずがいきなり薄氷を踏むような試合になったと思っていたら、ついには後半ロスタイムにセットプレーから10番の見木友哉という選手に押し込まれて同点とされてしまう。あぁ、なんであと数分持ちこたえられないかな……。
 ヴェルディの2点目、3点目はどちらも一人目の選手がシュートミスしたボールを二人目が決めた形だった(3点目は見木が触らなくて入った気がするけど)。そうやって複数選手がちゃんとゴール前に詰めていたからこその得点だ。3点差に折れずに戦いつづけた相手があっぱれだった。
 まぁ、終わってみれば、シュート数はヴェルディの17本に対して、鹿島はわずか8本。途中まで3-0だったのが嘘だったみたいな、ひどい試合になってしまった。これで勝てたらそのほうが不思議ってスタッツだった。あーあ……。
 ヴェルディの監督は城福さん。かつてFC東京を指揮した人が、同じ東京のもうひとつのクラブの監督としてJ1に戻ってきたのはなかなか熱いよなとか思っている場合じゃなかった。まぁ、とりあえず負けなかったのだけが救いだ。
(May. 13, 2024)