2023年8月のサッカー

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  1. 08/06 ○ 鹿島3-0札幌 (J1・第22節)
  2. 08/13 ● 名古屋1-0鹿島 (J1・第23節)
  3. 08/19 ○ 鹿島2-1鳥栖 (J1・第24節)
  4. 08/26 ○ 鹿島2-0新潟 (J1・第25節)

鹿島アントラーズ3-0北海道コンサドーレ札幌

J1・第22節/2023年8月6日(日)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 じつに三週間ぶりのJリーグ。
 なぜに日本代表の試合もないのにそんなに長い中断期間があったのかわからない。日本ツアーを行う海外クラブへの忖度? だとしたらいい迷惑だ。普通にJリーグを見せて欲しい。
 鹿島ではこの中断期間の直前に、常本がレネ・ヴァイラー監督のクラブに引っこ抜かれてスイスへ移籍してしまった。おまけに前節のFC東京戦では安西がレッドカードをもらって、この試合は出場停止。なので次の試合はSBの起用法が鍵なんだろうなと思っていたら、この日はさらに広瀬まで怪我でベンチ外だという。
 おいおいちょっと待て。SBの駒不足すげー。
 ――というこのピンチを救ったのが、甲府から緊急補強した右SBの須貝英大{すがいひでひろ}と、高卒二年目でこれが初スタメンの溝口修平だった。
 須貝は二年連続で鹿島の天皇杯優勝への道を閉ざしたヴァンフォーレ甲府(くう~)で24歳にしてキャプテンを任されていたという逸材。しかも常本と同い年でマスクもあまい。甲府には申し訳ないけれど、これ以上ない最高の補強なんじゃなかろうか。溝口は四月に途中出場でJ1デビューを飾って以来の出場。
 この初顔合わせのふたりを両サイドに配し、最終ラインの中はいつも通り植田・関川の強面コンビ。ダブル・ボランチがピトゥカと佐野海舟、その前に左・仲間で右・樋口、でもってツートップが垣田と優磨というのがこの日の鹿島のスタメンだった。
 両サイドの守備力は未知数だけれど、少なくても鬼のような守備力を誇る佐野がスタメンで、さらにはボランチのピトゥカと樋口がいて、あとひとり守備意識の高い仲間が中盤を固めているんだから、守備はまったく問題なし。あとは攻撃がどうかだよな――と思って観始めた試合は、開始わずか12分で動く。
 左サイドからパス数本をつないで、最後はゴール前に切れ込んでいた樋口がフィニッシュ! まさに電光石火の先制点~。
 さらには前半15分。今度はその樋口のCKから、植田の笑っちゃうような豪快なヘディングが決まってあっという間にスコアは2-0。後半も同じような感じで優磨がCKからヘディングを決めて今季二桁ゴール達成。3得点のクリーンシートで快勝を収めた。解説の水沼さんがセットプレーのときに植田、関川、優磨の3人が集まる絵面のごつさに大喜びしていておもしろかった。
 いやしかし、1ゴール2アシストの樋口のMVPは文句なしだけれど、個人的には植田のヘディングがいちばんのインパクトだった。マークについている相手DFをなぎはらってのダイビングヘッドは強すぎて大笑いだった。格闘家か。
 途中出場は藤井、松村、昌子、荒木、船橋の5人。昌子は関川との交替で、フォーメーションは4バックのままだった(昌子が出てから失点しなくてよかった)。船橋は溝口と替わってボランチに入り、そこからは佐野が左SBとしてプレーしていた。
 札幌はワントップの小頭が前回の対戦同様目立っていた。前回ゴールマウスを守っていたク・ソンユンは移籍してしまい、正GKに復帰していたらしい菅野もこの日は欠場だったので、GKは大谷という人だった。あとは浅野弟、駒井、荒野、ルーカス・フェルナンデス、途中出場で福森、小林祐希など、知った顔がちらほらり。
 そういやペトロヴィッチ監督ってまだ65歳なのね。俺と十も違わないじゃん。もっとおじいちゃんだと思っていた。
(Aug. 07, 2023)

名古屋グランパス1-0鹿島アントラーズ

J1・第23節/2023年8月13日(日)/豊田スタジアム/DAZN

 負けた~。この一敗は痛恨。3位のグランパスに負けてその差が9と広がり、勝ち点で並ぶ首位の神戸・横浜との勝ち点差は11と開いてしまった。残り11試合で4勝の差となると、優勝への信号は黄色を通り越して、ほぼ赤に近い。ん~、残念としかいいようがない。
 この日は早川、安西、植田、関川、溝口、ピトゥカ、佐野、樋口、仲間、垣田、優磨というスタメンだった。
 ここで最初から疑問だったのは、左SBに溝口を起用して、右に須貝ではなく安西を使ってきたところ。
 試合後のインタビューで岩政は、須貝は移籍してきたばかりだし、激動の一ヵ月で疲れもたまっているだろうから、最初から後半だけの起用にすると決めていたと語ったようだけれど、いやいや、それだったら須貝スタメンで途中から溝口にしようよ。
 なまじ経験の浅い溝口のサイドから野上の攻め上がりを許して失点してしまっただけに、この用兵が敗因だった気がして仕方ない。名古屋との対戦は1点差勝負になる可能性が高いのだから、もっと慎重にいって欲しかったぜ。
 野上は今年名古屋に移籍してきて、これが今季初ゴールだそうだけれど、なんかここ数年、そういう「今季初」とか「Jリーグ初」とかの肩書がつくゴールを許し過ぎじゃなかろうか。
 名古屋は中東のクラブに引き抜かれたマテウス・カストロの穴を埋めるため、広島から森島司を獲得したばかりだった(ニュースで知ってびっくり。さらにはその穴を埋めるため、広島がF・マリノスからマルコス・ジュニオールを取って二度びっくり)。その森島がこの試合で早くも登場。つまりスタメンに森島、稲垣、野上という元・広島勢が三人もいるという、なんだそりゃって布陣だった。相性の悪い広島で中心選手として活躍していた選手がそんなにいるんだから苦戦必至だ。やめてほしい。
 鹿島の途中出場は溝口→須貝、垣田→知念、樋口&仲間→松村&荒木、関川→藤井の5人。知念の復帰はめでたいけれど、残念ながらこの試合ではいまだその存在感を発揮できていなかった感じ。あと、最後に関川をさげて藤井を入れ、佐野にCBを務めさせた岩政は意外と大胆だなと思った。
 まぁ、なんにしろ普段はボール保持率が50%に届かないことが多いのに、この試合は68%だなんていうんだから、受けて守ってカウンターという名古屋の戦術に見事はまってしまったってことなんだろう。ユンカーや永井には仕事をさせなかったのに、まさか伏兵の野上にやられるとは……。
 神戸、横浜、名古屋の上位3チームはここまで4敗ずつしかしていない。そんな上位陣を相手に、ここから4勝差を跳ね返すなんて無理難題以外のなんでもないけれど、でもまだリーグ戦が終わったわけではないんだから、ここからどこまで追いすがれるか、岩政のお手並み拝見だ。
(Aug. 14, 2023)

鹿島アントラーズ2-1サガン鳥栖

2023年8月19日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 サマソニの日だったので、帰宅後に見逃し配信で観た試合。疲れ切って帰ってきて、家族とおしゃべりしながら観ていたので、詳しいことは書けない。
 スタメンは前節と一緒で、安西を右サイドに配した形。途中出場は知念、藤井、松村、船橋、昌子の5人だった。
 この日は須貝がベンチ入りさえしていなかった。
 週の初めに中村亮太朗が古巣の甲府にレンタル移籍することが発表された。ここ数年のアントラーズは補強が下手すぎる気がする。同じポジションの選手を複数取って、ほとんど出場機会を与えないまま放出って、そんなことばかりしている。
 複数タイトルを目指すのならばターンオーバーできるくらいの戦力が必要だというのはわかるけれど、でもチームが結果を残せずに主力を固定せざるを得なくなり、せっかく補強した選手に満足に出場機会を与えられないままお別れってパターンが多すぎる。なまじ永戸、杉岡、小泉ら、他のチームに移籍してから主力として活躍している選手たちがたくさんいるので、なんでそういう選手たちをもっと上手く活かせなかったかなぁって、残念でしかたない。いまは須貝がそんな一人にならないことを祈るばかりだ。
 試合のほうは前半途中に樋口の個人技で鹿島が先制。後半に入って、鳥栖の楢原という19歳の選手のゴラッソで同点に追いつかれるも、途中出場の藤井がPKをもらって再び勝ち越し(キッカーは知念)。そのまま逃げ切るという内容だった。
 楢原にプロ初ゴールを許したときにはまたか!って思ったけれど、とりあえず勝ててよかった。PKを誘った藤井のペナルティエリアでの切り返しは見事だったし(VARの出番のない、あれくらい明確なファールも珍しい気がする)、GKの朴一圭にコースこそ読まれたものの、きっちりとゴール右隅に決めた知念のシュートもナイスだった。もちろん利き足とは逆の左で狙いすましたゴールを決めて先制点をもたらした樋口も。今年のチームは彼抜きでは語れない。
 川井監督になってからの鳥栖には毎回苦戦を強いられているので、PKが決勝点とはいえ、きっちり勝ち切れて本当によかった。
(Aug. 22, 2023)

鹿島アントラーズ2-0アルビレックス新潟

2023年8月26日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 感想を書くのを怠けていたら試合から3日も過ぎてしまった。優磨と垣田、ツートップのナイスゴールでひさびさに文句なしの快勝だった新潟戦。
 スタメンは早川、広瀬、植田、関川、安西、佐野、ピトゥカ、樋口、仲間、垣田、優磨という顔ぶれ。故障明けの広瀬が復帰して、安西が定位置の左に戻った形だった(そしてまたもや須貝はベンチ外)。途中出場は藤井、知念、松村、カイキ、船橋の5人。
 垣田の先制点は前半9分。安西からのどんぴしゃのクロスに頭であわせた。
 つづいて優磨も前半30分に追加点。こちらは広瀬のクロスから、垣田がまたもやヘディングであわせてファーへと流れたボールに優磨が頭から飛び込んで決めた。
 優磨はそのあとにも相手GKと交錯しながらヘディングで決めたシュートがもうひとつあったのだけれど、そちらはファールの判定でノーゴール(あれのどこがファールなんだ)。接触プレーを恐れもしない、怖いもの知らずなプレーがすごい。
 この日のカシマスタジアムでは「男祭り」と題してプロレスラーをゲストに呼んだイベントがあったらしいけれど、これぞまさに「男!」ってプレーだった。
 新潟は前回と同様、トーマス・デンと舞行龍{マイケル}ジェームズのCBコンビと高木善朗以外は知らない顔ばかり。前半戦で活躍した伊藤涼太郎が海外移籍してしまったいまとなると、あまり難しい相手ではなかった。――ってまぁ、そんな風に思うのは、早い時間に先制できたからこそかもしれない。
 前述のGKとの接触プレーでイエローをもらった優磨が次節は累積警告で出場停止だそうだ。ゴールは認めてもらえないわ、次の試合は出られないわって。勘弁してほしいぜ、御厨{みくりや}主審。
(Aug. 29, 2023)