2020年1月のサッカー

Index

  1. 01/01 ● 神戸2-0鹿島 (天皇杯・決勝)
  2. 01/09 ● U-23日本1-2U-23サウジアラビア (U-23アジア選手権)
  3. 01/12 ● U-23シリア2-1U-23日本 (U-23アジア選手権)
  4. 01/15 △ U-23カタール1-1U-23日本 (U-23アジア選手権)
  5. 01/28 ● 鹿島0-1メルボルン (ACLプレーオフ)

ヴィッセル神戸2-0鹿島アントラーズ

天皇杯・決勝/2020年1月1日(水)/国立競技場/NHK総合

 新・国立競技場のこけら落としの一戦にして、大岩剛監督体制のアントラーズ最後の試合。でも結果はがっかりという天皇杯の元日決戦。
 この日のスタメンはGKクォン・スンテ、DF永木、ブエノ、犬飼、町田、MF三竿、レオ・シルバ、名古、白崎、FWセルジーニョ、伊藤翔の11人。途中出場は土居、山本脩斗、中村充孝の3人。
 12月はなぜか不在だったクォン・スンテが復活。でも、土居がコンディション不十分なのか、ベンチ・スタートというあたりが注目点。
 対するヴィッセルは現役引退を発表して、これが最後の公式戦となるビジャがスタメン――かと思ったら、こちらもコンディションの問題か、ベンチ・スタート。かわりにワン・トップを務めたのが藤本憲明だった。
 でも、結局はこの藤本の起用が試合を分けた感がある。神戸の2点はどちらも鹿島のミスからで、そのミスに絡んだのが藤本だったから。
 1点目はクォン・スンテが右からのクロスをパンチングで防ごうと弾いたボールが犬飼にあたってオウン・ゴールとなったもの。そのときに犬飼がついていたのが藤本だったので、最初は藤本のゴールという判定だったのがあとで訂正された。
 2点目は逆サイドからのクロスを(またもや)犬飼がクリアミス。するっとゴール前に抜け出たボールの先にいた藤本の足にあたってそのままゴールとなった。
 藤本はこれで今シーズン鹿島から4ゴール目。出てきた試合すべてで得点している。鹿島キラーすぎて洒落にならない。来年優勝を狙うならば、藤本を獲得して味方につけちゃうのがいちばんの補強なんじゃないかって思ってしまった。
 いずれにせよ記念すべき新国立競技場での初戦はアンラッキーな2失点でそのまま敗戦。ミスからの失点は痛かったけれど、でもそれ以前にこの試合でもぜんぜん得点の匂いがしなかったから、まあ順当な結果だと思う。終盤戦で湿った攻撃は最後まで湿りっぱなしだった。なんか11月以降はこんな試合ばっかり見せられていた気がする。
 まぁ、これでACLにイニエスタが出場する可能性が高くなったんだから、AFCとしては願ったりかなったりだろう。悔しいのは鹿島と、鹿島が勝っていればACLに出場できていたリーグ4位の川崎のみという決勝戦だった。
 ということで2019年シーズンはこれでおしまい。新シーズンは1月末のACLプレーオフから。あっという間に2020年シーズンが始まる。
 大岩監督、3年間、お疲れさまでした。
(Jan. 04, 2020)

U-23日本1-2U-23サウジアラビア

AFC U-23選手権・グループB/2019年1月9日(木)/タンマサート・スタジアム(タイ)/BS1

 オリンピック・イヤー初の代表戦は、五輪代表がアジア最強の座を争うU-23アジア選手権。日本代表はグループ・リーグでサウジアラビア、シリア、カタールと対戦する。でもって、この日の緒戦でいきなりサウジに黒星を喫する。
 森保がこの試合の先発に起用したのは、GKが大迫、DFは渡辺剛、岡崎慎、古賀太陽の3人、MFは両サイドに橋岡と杉岡(どっちも名前はダイキ)、ボランチは田中碧と田中駿太(どちらもタナカ)、攻撃的なポジションに旗手と食野、そしてFWに小川航基というメンツだった。
 海外組としての招集は食野のみで、その食野もクラブとの合意はグループリーグの3試合のみという制限つきらしい。そもそもなぜ食野だけ招集できたのかわからない――というか、わざわざ食野を呼ぶ必要があるのかが疑問。
 いや、食野はよかったよ?――というか、食野以外にはまったく得点の可能性を感じなかった。食野のゴールは相手DFにあたってコースが変わったラッキーなものだったけれど、あれだって積極的にシュートを打っていったから生まれたものだし。ガンバのころと変わらず、その積極性は好印象。
 だから食野を起用したこと自体には不満はないんだけれど、でもこのポジションには安部裕葵、堂安、久保建英と有望なタレントがたくさんいるわけで。本番ではOAで中島翔也や南野を招集することだってできる(クラブが了承しないだろうって話だけれど)。食野をその中に加えるってことは、その分これまで主力だった誰かが外れるってことだ(まぁ「これまでの主力って誰?」って感じだけれど)。
 そんな状況で――わずか3試合なんて制限まで受けながら――なぜ食野を呼んでくる必要があるのかがわからない。ま、わざわざこの局面で呼ぶのは、彼がどれだけ成長したかを確認しておきたかったってことなのか。でも試すならばもっと早く試しておけよなって思う。
 今回の五輪代表は海外組が多くて、思うようにベスト・メンバーで戦えないのは気の毒だとは思うけれど、それにしたってこの局面でいまだにメンバー選考ばかりで、チームの骨格さえ固められない森保の姿勢に僕はまったく共感できない。
 そもそもさ、上位3チームにオリンピック出場権が与えられるというこの大会。日本は開催国として予選が免除されているから、海外組を呼べずに負けてもノープロブレムって雰囲気だけれど、そんなことでいいはずがないでしょう?
 だってこの世代にとってこの大会は、五輪出場権うんぬん以前に、アジア・チャンピンを決める最後の公式大会なわけですよ。A代表にとってのアジア杯と一緒だよね? それなのに優勝を狙わないでどうするんだよって話だ。
 五輪での金メダルを狙うと公言するのならば、すべての国が本気で挑んでくるこの大会は願ってもないシミュレーションの場でしょうよ。国内での親善試合なんかより、ここでの真剣勝負のほうがチームの強化には何倍も役に立つはずだ。ならば、協会はできるかぎりの努力で本番に近い選手をかき集めて、優勝を狙いにゆくのが筋ってもんだろう。アジアで優勝できない国がどうしてオリンピックで金メダル獲れるっていうんだよ。とんだ笑い話だ。
 とにかく本番まであと半年の時点で、いまだにチームの形が固まっていない――しかも本気でアジア・チャンピオンを目指しているようにさえ見えない――森保にはがっかりを通り越して怒りさえ覚える。このままグループリーグ敗退なんてことになるようならば、まじで解任すべきだと思う。
 とにかく僕個人は3バックって時点でイヤなのに、この日はそれでちゃんと守れないんだから論外だ。
 先制点を許した場面では、ゴール前でドリブルでマークをはがされて、逆サイドから交錯する形で入ってきた選手に見事なゴールを決められている。なんであれだけDFがいて守れないんだってあきれた。
 後半の残り5分で決勝点を許した場面では、古賀のバックパスが相手への絶妙なスルーパスになってしまい、それを止めようと追った岡崎がうしろから相手の足を踏んづけてPKを献上してしまう。GKの大迫と接触する前に相手が勝手に倒れたように見えたので、VARで判定が覆るだろうと思ったら、ビデオ判定の対象は大迫じゃなくて岡崎だった。なんてこった。
 そもそもなんで本番まで残り半年というこの局面で岡崎が2試合連続でスタメンなの? クラブでスタメンを確保している渡辺や古賀はともかく、岡崎はほとんど出場機会さえもらえていないのに。しかも今年は清水にレンタルされることが発表されている――つまり現時点ではFC東京の戦力としては不十分ってことでしょう? そんな選手が世界で戦えるのかって話だ。とにかく森保の選手起用には納得がゆかないことが多い。
 選手交替もそう。気温が30℃を超えるなかでの試合ということで、選手の疲労も激しいだろうに、小川航基を上田綺世に替えたのが同点の後半27分。最後の2枚のカードを切って、田川亨介と相馬勇紀を投入したのが決勝ゴールを許したあとの後半ロスタイムって。どう考えたって遅すぎでしょう? もうわけがわからない。
 まぁ、敗戦がひとえに森保だけのせいだとはいわない。前述したとおり決勝点は古賀と岡崎のミスからだし。前半にDFラインの裏へと抜け出した旗手がGKと一対一のチャンスを得ながら、ゴール前でスローダウンしてシュートを打てずにゴールラインを割ったシーンとか、意味がわからなかったし。
 結局あれはオフサイドだったみたいだけれど、判定を受ける前にちゃんとシュートを打って終われないのが信じられない。対するサウジの選手が常に積極的にシュートを打っていたのとは対照的だ。
 旗手はフロンターレへの加入が決まっているくらいだから、きっといい選手なんだろうけれど、あんなプレーをしている限りは一流のストライカーにはなれないと思うぞ。
 まぁ、いずれにせよそういう選手――しかもいまはまだ大学生――をわざわざ起用しているのは森保だ。結局、責任は彼にあると思わずにはいられない。
 試合内容的には日本が押している時間も長かった。大迫は二度ほどスーパーセーブをみせてチームを救ってくれたし、ダブル田中のボランチ・コンビも僕は好きだった。橋岡・杉岡の両サイド・ウィングもさすがにクラブで活躍しているだけあって存在感があった。
 ただ、ゴール前での積極性ではサウジのほうが断然上だった。サウジの選手たちはちゃんとゴールを狙ってシュートを打っていた。大迫のファイン・プレーがなければ、もっと悲惨な結果になっていたかもしれない。
 そういう意味では負けるべくして負けた試合って気がする。
 そういえば、鹿島への加入が決まってから杉岡のプレーを観るのはこれが初めてだった。杉岡、ようこそ鹿島へ――とかいう一方で相馬はレンタル元の名古屋へ帰ってしまった。来るものあれば、去るものもある新年の初めだった。
 まぁ、いずれにせよ、もう一試合でシリアとカタールが引き分けたから、現在日本はグループ最下位。もしも次のシリア戦が引き分け以下に終わったら、グループリーグ突破はほぼ絶望でしょう。U-23森保ジャパン、新年早々いきなりの正念場。
(Jan. 11, 2020)

U-23シリア2-1U-23日本

AFC U-23選手権・グループB/2019年1月12日(日)/タンマサート・スタジアム(タイ)/BS1

 勝てないんじゃないかと心配はしていたけれど、まさかいきなり二連敗でグループリーグ敗退が決まるとは思ってもみなかった。アジアの大会で日本がグループステージで姿を消すのって、僕がサッカーを観るようになってからはたぶん初めてだ。森保の駄目さ加減、ここに極まれり。あぁ……。
 この大会2試合目のスタメンに選ばれたメンバーは、GK大迫、DF渡辺剛、岡崎慎、町田浩樹、MF橋岡、齊藤未月、松本泰志、相馬、食野、森崎司、FW上田綺世の11人だった。途中出場は田川、立田、旗手の3人。
 森保のことだからまた全とっかえくらいの暴挙に出るかと思ったら、比較的おとなしめ。前の試合との入れ替えは6人だけだった(まぁ、それにしたって多いけど)。
 意外に思ったのは、3バックのうちFC東京コンビのふたりを残してきたこと。このポジションには本番では冨安が入るのが確実なので、選考の意味でもっと積極的に入れ替えてくるかと思った。
 でまあ、彼らと組む3バックの一角として町田が起用されたのは期待通りだったけれど、でも残念ながらこの日はそれがあだとなってしまう。
 開始わずか8分で相手の顔を蹴り上げたというVAR判定を受けてPKを献上。不可抗力とはいえ、町田はたまにああいうポカがあるよなぁ。190センチの長身で左利き、攻撃的なパスのセンスにもいいものを持っているので、将来の日本代表を背負って立つ逸材として、大いに期待しているんだけれどなぁ……。
 まぁでも、この1失点は前半のうちに鹿島での元チームメイトの相馬が挽回してくれた。相馬は前半31分に自分のシュートの跳ね返りを拾うと、すぐさまもう一度シュートを打ち直してゴールを決めてみせた。もう鹿島の選手じゃないのが残念だよ。
 ただし結局この試合でも日本のゴールはこの1点のみに終わった。で、対するシリアには後半残り1分という時間帯にカウンターを食らい、追加点を許してそのまま試合終了の笛を聞くことになってしまった。いやはや、なってねぇ。
 サウジやカタールならばまだしも、シリアに負けちゃ駄目でしょう。実況いわくシリアの選手はほとんどが国内リーグでプレーしているという。ならば条件は今回の日本代表と変わらない。Jリーグがシリア・リーグより劣るとは思えないので、きちんと実力差を発揮できさえすれば、海外組抜きでも結果は残せたはずだ。
 与えられた戦力で最善の結果を引き出すのが監督の仕事でしょう? 森保にはそんなあたりまえのことができていない。
 次の試合ではここまで2引き分けのカタールが五輪出場を賭けて死に物狂いで勝ちにくるだろう。A代表がアジア杯・決勝で負けた相手にいまの五輪代表がどれだけ戦えるものか非常に心許ない。下手したら3連敗もありうるんじゃないかって気がする。
 まあ、勝っても負けてもこの大会は次の試合が最後。ここで一矢報いるだけの力が森保にあるのか、けっこう注目している。
(Jan. 13, 2020)

U-23カタール1-1U-23日本

AFC U-23選手権・グループB/2019年1月15日(水)/ラジャマンガラ・スタジアム(タイ)/BS1

 日本とカタールのA代表がアジア杯の決勝戦で対戦した――でもって日本が負けた――のがちょうど一年前。その両国がアンダーカテゴリーの五輪代表で再び対戦、結果がドローに終わったことで、そろってグループリーグ敗退の憂き目にあったU-23アジア選手権の第三戦。
 今大会最後の五輪代表のスタメンはGK大迫、DF橋岡、立田、町田、MF相馬、田中碧、田中駿太、杉岡、旗手、食野、FW小川という顔ぶれだった。
 CBが立田と町田のふたりだったから、この期に及んで4バックかと思ったら、結局は橋岡を最終ラインに入れての3バックで、両サイドが相馬と杉岡というフォーメーション。前の試合とはふたたび6人の入れ替え。緒戦との違いは3バックの全員と右SWの4枚。途中出場は齊藤未月と田川と松本泰志だった。
 この試合に関しては、森保がどうとかいう以前に判定がひどすぎた。前半の終わりに田中碧にVARでレッドカードの判定が出るわ、逆に後半、齊藤未月がPKをとられたシーンでは、齊藤が足を蹴られているのにVARなしだわ。なにそれ? どちらも意味がわからない。
 あまりこういうことはいいたくないけれど、レフェリーがマジでカタールに金もらってんじゃないかって思ってしまうレベル。悪いのは主審かVAR担当者か知らないけれどさ。絶対にカタールに有利なようにバイアスがかかってたよね? そう思わないと納得がゆかなすぎる。
 この試合でわかったことがふたつある。
 ひとつ目はたとえVARを導入したところで、最終判断をくだすのが主審である以上、誤審はなくならないんだってこと。
 もうひとつは、やっぱり代表監督は森保じゃ駄目だってこと。
 確かにこの試合では判定に泣かされた。でもそれにしたってアジアの大会で1分2杯の勝ち点1でグループリーグ最下位って……。
 数字だけ聞いたら、これはもしかしてW杯のグループリーグでしたっけ?――って勘違いしてしまそうだよ。
 結局この大会で日本は1試合で1点ずつしか取れなかった(この日のゴールは小川)。それもすべて個人技と運まかせで、連携から崩した得点はひとつもない。
 得点が取れないのは選手の決定力不足が原因かもしれないけれどさ。そんなこといったら、選手以前にいつまでたってもスタメンを決められない監督の決定力不足が問題じゃん? 選手選考の優柔不断さゆえの連携不足が得点力不足に直結してない?
 ほんと毎回毎回違う選手が出てくるのにはもううんざりだよ。海外組が使えないのなんて最初からわかってんだからさ。それを踏まえてちゃんと戦えるチームを作ってくれよ。
 僕は森保の監督としての優柔不断さはキャプテンの選出に表れていると思う。
 今回のゲーム・キャプテンは最初の2試合が渡辺剛で、この試合では杉岡だった。前の試合で渡辺が足を痛めなかったら、もしかしたら渡辺がこの試合にも出場してキャプテンマークをつけたのかもしれない。でも本当にそうなのか、あやしくない?
 このチームのチーム・キャプテンはGKの小島だって聞いたけど、じゃあなんでその選手がベンチを温めてんだって話で。なんかこのまま、三人とも本大会では出番なく終わりそうな気がして仕方ないんだけれど。
 ほんと森保が監督になってからの代表は、誰が出てくるかもわからなければ、キャプテンが誰かさえわからない。人が多すぎてまるでチームの個性が見えない。こんなに無個性な代表、誰が観たいと思うかって話だ。それで結果が出ていればともかく、この一年でアジア杯、E-1選手権、この大会と、3大会連続で優勝を逃している。
 アジアでグループリーグを突破できないくせに五輪で金メダルを獲るなんて、よく恥ずかしげもなくいえるもんだと思うよ。カッコ悪いにもほどがある。
 なまじ個々の選手のプレーにはそれなりに好感をおぼえているだけに、チームとして実力を発揮させられない森保采配の不手際に腹が立ってしょうがない。
 もうマジでうんざりだよ。森保が監督のあいだは代表戦を観るのをやめてしまいたいくらい。でも、長年こんなもの書くのをルーティンにしているせいで、そうはいかないのがつらいところだ。
 あぁ、今年の夏が憂鬱だよ……。
(Jan. 16, 2020)

鹿島アントラーズ0-1メルボルン・ビクトリー

ACLプレーオフ/2020年1月28日(火)/カシマサッカースタジアム/日テレジータス@スカパー!

 アントニオ・カルロス・ザーゴ監督ひきいる新生・鹿島アントラーズ。冷たい雨の降る初陣でいきなり黒星を喫してACLプレーオフに散る……。
 今年の緒戦を飾った鹿島のスタメンは、GKがクォン・スンテ、4バックが右から広瀬陸斗、奈良竜樹、犬飼智也、永戸勝也、ダブル・ボランチが三竿健斗とレオ・シルバ、攻撃的MFにファン・アラーノと和泉竜司、そして2トップに土居聖真とエヴェラウドというメンバー構成だった。
 クォン、犬飼、三竿、レオ・シルバ、土居の5人をのぞいて、あとの6人が新加入。つまり過半数は初顔。こんなに見慣れない顔ぶれのアントラーズは初めてな気がする。
 さすがにこのメンツではまだまだ連携のよさは望めない(まぁ、それなりにチャンスは作れていたけれど)。でもって対戦相手が豪州勢のメルボルンとくる。しかも相手はシーズン途中だという。
 なぜにプレーオフでそんな手強そうなところと……と思っていたら不安的中。0-0で突入した後半に、元浦和のナバウトが打ったシュートが奈良の足にあたってコースが変わり、アントラーズのゴールネットを揺らしてしまう。
 去年はレッズにいた選手の打ったシュートが、去年はマリノスにいた選手にあたって、今年の鹿島が初失点を喫するの図。あぁ……。
 対するこちらのシュートはことごとくGKの正面。チャンスは相手より多く作っていたのに、なぜそれが決まらないってシュートが次々と相手GKに止められる。ひとつボタンをかけちがえればボコボコ点が入りそうな展開なのに1点も奪えない。こりゃ負け試合のパターンだなぁ……と思っていたら、やはり結局そのまま終わってしまった。
 Jリーグ勢がACLプレーオフで姿を消すのはこれが史上初とのこと。あぁ、これで今年のACLは終了とか無念すぎる……。
 ザーゴ監督の手腕についてはまだわからないけれど、内容よりも結果というこの試合では、新加入の選手よりは去年までの慣れ親しんだメンバーを中心に戦って結果を残しにゆくという戦い方でもよかったんではと思う。まあ、内容的には去年の終盤からの流れのままって気がしたので、メンツを変えたところで変わらなかった気もする。
 それでも途中交替のカードで、1枚目の和泉→白崎はともかく、2枚目にレオ・シルバ→伊藤という、大岩のときには考えられない攻撃的な切り方をしてきたのには新鮮な驚きがあった。交替枠を残して終わってしまったのはちょっと疑問だけれど、それでも負け試合でボランチやDFが出てくるよりはまだ納得ができた。
 新加入では和泉、広瀬が好印象だった。あとのメンツはいまだ未知数。エヴァラウドとファン・アラーノの両ブラジル人は、移籍してしまったセルジーニョとレアンドロの分まで活躍してくれないと困るんだけれどな。きょうの試合を観ただけでは、どれだけ期待していいのかわからない。
 そのほか、この日は新加入の杉岡大輝や、町田、綺世ら、五輪組はなぜか不在。ブエノは今年もACLは登録外だとのこと。充孝、チョン・スンヒョン、山口、小池、小田、相馬らは去年でチームを離れた。
 うーん、しかしこんなにあっという間にACLが終わってしまうとは……。しかもその結果出場が決まったルヴァン杯では川崎と同じグループってのが、一難去ってまた一難。困ったもんだよ、まったく。
 それにしても、ふだんならばシーズンオフのはずのこの一月は、鹿島と五輪代表の試合が5試合もあって、なのに結果は4敗1分というていたらく。今年に入って一度も勝ち試合を観ていない。オリンピック・イヤー、幸先わるすぎだろ。
(Jan. 28, 2020)