2019年11月のサッカー

Index

  1. 11/01 ○ 鹿島1-0浦和 (J1・第30節)
  2. 11/09 ● 鹿島0-2川崎 (J1・第31節)
  3. 11/14 ○ キルギス0-2日本 (W杯・二次予選)
  4. 11/17 ● U-22日本0-2U-22コロンビア (親善試合)
  5. 11/19 ● 日本1-4ベネズエラ (親善試合)
  6. 11/23 △ 広島0-0鹿島 (J1・第32節)
  7. 11/23 ● 鹿島1-3神戸 (J1・第33節)

鹿島アントラーズ1-0浦和レッズ

J1・第30節/2019年11月1日(金)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 ACLでは決勝に進出しておきながら、J1ではいまだ降格圏内に沈んだままの不思議クラブ、浦和レッズとの一戦。
 この試合、スタメンを知らずにDAZNをつけて、入場を待つ選手たちの顔ぶれを見て驚いた。
 おー、三竿が復帰! なんと、レオ・シルバも一緒!
 さらにベンチにはセルジーニョも名前をつらねている。伊藤翔もスタメンに戻ってきた。なんだ、犬飼やレアンドロこそいないけれど、ほぼベスト・メンバーじゃん!
 ということでこの日のスタメンは、クォン・スンテ、永木、ブエノ、チョン・スンヒョン、町田、三竿、レオ・シルバ、遠藤、白崎、土居、伊藤翔の11人だった。
 このメンツを見ただけで、きょうはもう大丈夫だと思った。
 だって相手のレッズはACLで過密日程を強いられていて、中2日での試合だ。エースの興梠を温存し、西川がACL決勝・第一戦で出場停止となるために、第二GKの福島春樹という選手に出場機会を与えるなんて状況だ。そんなチームに負けるわけにはいかないでしょう?
 ――と思ったんでしたが。
 レッズのスタメンを見て、おやおやと思った。
 GK福島はともかく、3バックが岩波、マウリシオ、槙野、中盤に橋岡、柏木、柴戸、関根の4人が並び、3トップがエヴェルトン、ファブリシオ、そして杉本健勇という顔ぶれ。なんだ十二分に強力じゃないか。とくに柏木が復活していたり、ファブリシオや関根がスタメンだったりするのが侮れない。
 で、実際に試合が始まってみれば、内容的には五分って感じの展開がつづく。こりゃなかなかきびしいなぁ……という試合を救ってくれたのは、途中出場のセルジーニョだった。土居聖真のシュートをGKが弾いたこぼれ球に反応して、豪快に右足を振りぬいた(左利きだったよね?)。
 聖真のシュートまでも多くの選手がボールにさわって、いい感じに攻撃が活性化していたし、チームが一丸になって戦っているのが伝わってくる素晴らしい先制ゴールだった。
 これで勝ち。なんたって三竿とレオ・シルバがいる中盤は文句なしに強力。これならば、どんなクラブとだって互角に渡りあえる。いやー、この終盤にふたりが復帰してくれたのは大きいわ。
 おまけにその後レッズは大槻監督が永木をつきとばして乱闘騒ぎになるというおまけつき。その暴挙で大槻さんはレッドカードをもらって退場になってしまう。
 エヴェルトンと競り合った永木が、先に相手を投げ飛ばしているようにも見えたけれど、大槻監督にそのシーンが見えていたようには見えなかったので、なぜ彼がいきなり永木に手を出したのか、いまいちよくわからない。いずれにしても監督が相手チームの選手をつきとばすシーンなんて初めて見たよ。永木の倒れ方もやや大げさだったけれど、理由がどうあれ監督が暴力はまずいでしょう。なにやってんだかなぁ……。
 今年は湘南の曺貴裁監督がパワハラで訴えられて退任してしまったし、Jリーグもいろいろトラブルが多くて困りものだ。
 まぁ、なにはともあれアントラーズにとっては大きな1勝だった。
 これで残すところはあと4試合。それに全部勝てば優勝だっ。とりあえず次の川崎と、その次の広島と、リーグきっての難敵が残っているものの、その2つのクラブに負けなければ、今シーズンは全クラブ負けなしで勝率五分以上の成績を残すことができる。
 ということで、次の川崎戦が優勝へ向けての最大の山場。ぜひともルヴァン杯の雪辱をお願いします。
(Nov. 02, 2019)

鹿島アントラーズ0-2川崎フロンターレ

J1・第31節/2019年11月9日(土)/カシマサッカースタジアム/BS1

 ああ、やっぱり駄目だった……。
 天敵・川崎に敗れて首位陥落どころか、いっきに3位まで順位を下げてしまった第31節。
 鹿島のスタメンはクォン・スンテ、内田、ブエノ、チョン・スンヒョン、町田、永木、レオ・シルバ、セルジーニョ、白崎、土居、伊藤翔の11人。途中出場は綺世、相馬、遠藤の3人。
 残念なことに三竿が浦和戦でまた足を痛めたらしく欠場。永木じゃ代役はつとまらないとはいわないけれど、できればこの大一番は三竿とレオ・シルバのコンビで観たかった。
 対する川崎も中村憲剛が怪我をして今季はもう出られない。精神的支柱を欠く上に、ACLの都合で次節の浦和戦が前倒しで行われたため中3日での試合だったし、これは鹿島有利かと思ったんでしたが――。
 やっぱ川崎は強かった。序盤から高い位置でボールを奪いにきて、なかなか自由にプレーさせてくれない。前半の途中まではなんだか11人対11人で戦っている気がしなかった。川崎、なんか人数多くない?――とか思ってしまった。
 それでも鹿島にとってこれはホームでの試合。そうそう押し込まれてばかりはいられないとばかりに、前半の途中からは徐々に試合を制するようになってゆき、そのまま後半の途中――川崎に先制ゴールを決められるまで――はずっと鹿島のペースで試合が進んだ。
 残念なのはそのあいだに生まれたいくつかの決定的なチャンスを決められなかったこと。
 伊藤翔の振り向きざまのシュートは枠をとらえられず、セットプレーからの町田のヘディングはポストに阻まれる。土居が右サイドから完璧に崩した場面では、ラストパスを受けたセルジーニョのシュートが車谷に止められた。
 そのほかにもここぞのチャンスでシュートをふかすシーンが二度、三度。あれくらい決定機を逃すと、勝利の女神がそっぽを向くのも当然って気がする。
 対する川崎は後半に入っても押される展開のなか、セットプレーからのワンチャンスを山村がフリーで決めて先制。なぜにあんなにもフリー……。しかもなぜ元鹿島の山村に決められる……。
 1点差ならばまだしも、そのあとにロングボール一発で小林悠に裏をとられ、そのシュートがポストに嫌われた跳ね返りを途中出場の長谷川竜也に決められて万事休す。鹿島がリーグ戦としては5月の鳥栖戦以来のスコアレスで、8月の湘南戦以来の黒星を喫した。まぁ、そう聞くとずいぶん立派な成績だけれど……。
 勝利者インタビューで山村があのセットプレーは分析通りだったといっていたので、どうやら鹿島のセットプレーでの欠点が相手に見透かされていたらしい。ちくしょう、悔しいなぁ……。
 ということで、首位のFC東京に勝ち点3、2位マリノスに勝ち点2の差で鹿島は3位。川崎は鹿島から勝ち点2離れた4位まで順位をあげてきた。
 この試合に勝てば、来期のACL出場が決まり、川崎の3連覇も阻止できるはずだったのに、終わってみればACL出場まで怪しい結果に……。全チームに勝利しての完全優勝の夢もついえた。
 まぁ、川崎にもまだ優勝の可能性が残っているとはいっても、川崎は消化試合がひとつ少ない関係で、残り3節で東京か横浜のどちらかが1勝でもすればジ・エンド。実質的にはもう3連覇の可能性はなくなったといっていいと思う。
 一方で横浜がまだFC東京と川崎との直接対決を残しているので、3位の鹿島にはまだまだ優勝のチャンスが……。
 ――といいたいところだけれど。このところ5試合で4点と攻撃が湿り気味なこともあって、終盤戦で失速して優勝を逃した2年前の悪夢がよみがえってきて、今年はもう駄目じゃないかって気分になってしまっている。
 それにしても川崎には勝てないよねぇ……。通算成績はこれで14勝20敗9分なんだとか。そんなに負け越してんのかとびっくりだよ。
(Nov. 09, 2019)

キルギス0-2日本

FIFAワールドカップ・二次予選/2019年11月14日(木)/ドレン・オムルザコフ・スタジアム(ビシュケク@キルギス)/TBS

 W杯・二次予選の四試合目。アウェイでのキルギス戦。
 この試合でまず注目されたのは、来年のオリンピックで着用することになるという青い迷彩柄の新ユニフォームのお披露目。
 コンセプトは日本晴れだそうだけれど、日本サッカー協会は日本晴れの意味を知らないらしい。どこの世界にあんな荒れ模様の日本晴れがあるんだか。広辞苑・第四版の定義は「空に一点の雲もない好天気」だ。まちがい過ぎるにもほどがある。どっちかというと日本海っていわれたほうがぴんとくる。
 この日のピッチはそんな迷彩柄のユニフォームにお似合いのひどい状態だった。こんな荒れた芝生、最後に見たのはいつだろうってくらいに、でっこぼこ。芝生の枯れた部分をごまかすために、試合の前に緑色の塗料みたいなのを吹きつけている現地映像とかあって、笑ってしまった。
 でも対するキルギスのサッカーは、そんな荒れたピッチや、94位というFIFAランキングほどにはひどくなかった。ただひたすら守りを固めてカウンターという、弱い国によくあるパターンではなく、積極的に自分たちでボールを持って攻めあがってくる。
 何度か決定的なチャンスを作られしまったし、最後のところの精度が低かったから助かったけれど、あれでもしグレードの高いFWがひとりでもいたら、もしかしたら負けてたんじゃないかって出来だった。いやはや、アジアも本当に日に日に難しくなる。
 この日のスタメンはGK権田、DF酒井、植田、麻也、長友、MF柴崎、遠藤航、伊東純也、南野、原口、FW永井という11人だった。
 今回は堂安と久保が五輪代表として招集を受けているために不在。こんな風にA代表と五輪代表のスケジュールがかぶると、森保の代表監督兼任は間違いだろうよって気がしてくる。なんか俺、五輪代表で森保が指揮をとっているの、見たことがない気がする。次の日曜日のコロンビア戦が初じゃんじゃないだろうか。
 まあともかく、今回はあの若手ふたりは不在。でもってなぜか中島がベンチ。かわりに起用された原口が後半に直接FKを決めているので、一概に中島のサブでの起用が間違いだったとはいえないけれど、日本のゴールが前半の終わり近くになってから南野がもらったPKとそのFKの2点だけ――つまり流れから奪ったゴールはゼロ――という内容だっただけに、この日の攻撃には不満が残った。
 なんだか森保ジャパンって、大迫、堂安、南野、中島の4人が揃っていないといいサッカーができない印象がある。今回はそのうち南野しかスタメンにいない状態で、結果的にやはり不出来な内容だったので、中島が途中出場でわずか15分程度しかプレーしなかったことに対しては、なんとも納得がいかない気分になった。
 そのほかの途中出場は山口蛍と鈴木武蔵。蛍もひっさりぶりだな~。まだ森保の構想に入っていたのがちょい意外だった。
 南野のW杯予選での4試合連続ゴールは史上初とのこと。あと代表戦5試合連続ゴールも釜本、カズと並んでトップタイだって。そんなにスペシャルなプレーをしている感はないんだけれどな。いつの間にかすごい結果を残している。
 それにしても、キルギスってどこの国だろうと思ったら、ほぼ一年前に親善試合で対戦してるんじゃんね。まったく覚えていなかった。どんだけぼーっと生きてんだ。本当に最近は記憶力に難ありでいけない。
(Nov. 16, 2019)

U-22日本0-2U-22コロンビア

親善試合/2019年11月17日(日)/フジテレビ

 日曜日のお昼に五輪代表の試合がある――しかも対戦相手はまたもやコロンビア――というので観てみれば、出来はさんざん。先月だかに中南米遠征でブラジルに勝ったというから、どんなに順調に仕上がっているのかと思っていたら、さっぱりだった。森保や堂安が東京五輪で金メダルをめざすと公言しているそうだけれど、いまのままじゃとうてい無理でしょう? 笑い話にもならない。
 森安いわく現時点でベストだというスタメンは、GK大迫、DFが3バックで岩田智輝(大分)、立田悠悟(清水)、板倉、MFがキャプテンの中山雄太に田中駿太(大阪体育大)のダブル・ボランチに、両サイドが菅原由勢{ゆきなり}(AZアルクマール@オランダ)と菅大輝(札幌)、でもってその前に堂安と久保建英がいて、FWに上田綺世という布陣。
 この期に及んで菅原とかいう知らない選手が出てくるのはすごいと思うけど――しかも海外組だというからびっくりだ――でもなんかこのチーム、見るたびにメンツが変わっていて、いつまでたってもチームカラーがはっきりしない。そもそも、これまではA代表優先で招集されていなかった堂安と久保が今回から加わったというのに、攻撃はそのふたりからしか機能しないってのはどういうことなんだか。
 まあ、スコアレスで終わった前半はそのふたりを中心にコロンビアに一対一で負けてなかったので、やっぱ若い子たちは自信満々で上手いよねって思って観ていたんだけれど、後半に入ってからはコロンビアに押し込まれ始める。
 でもって右サイドからクロスをあげられ、それをヘディングで競り合ったこぼれ球から豪快なシュートを打たれて先制を許してしまう。この場面、GKの大迫が一応は反応はしたんだけれど、止めたボールがそのままゴールラインを割ってしまった。
 2点目はなんかゆるい守備のあいだをつかれた。どちらも大迫には止めて欲しかったんだけれどなぁ。大迫、もう少しやれる子かと思っていた。
 途中交替は後半のあたまから綺世にかえて小川航基、2失点後に三好、原輝綺、食野、前田大然らを次々と投入してみるも、結局得点は奪えず。そのままコロンビアに逃げ切られてスコアレスのまま黒星を喫した。
 まあ、A代表は4バックなのに、五輪代表は3バックって時点で間違っていると思う。しかも3バックでスタートしておきながら、2点の失点を喫したあとは岩田を下げて4バックにしちゃうし。それだったら最初から4バックで戦えよなぁ……。背番号10を託した三好をベンチに置いとくんじゃないって。あと、A代表ではボランチで起用している板倉が五輪代表だとCBをつとめているってのも一貫性がない。
 正直いって、いまのままじゃ東京五輪が楽しみだなんて気分には、とてもじゃないけれどなれない。
(Nov. 17, 2019)

日本1-4ベネズエラ

親善試合/2019年11月19日(火)/パナソニックスタジアム吹田/フジテレビ

 たまたま断れない飲み会があったので、録画で観ざるを得なかったのだけれど、1-4という結果をあらかじめ知ってしまったせいで、かえって「どんなこてんぱんにやられてんだよ」と興味が沸いたベネズエラ戦。
 この日の日本代表は川島、室屋、植田、畠中、佐々木、橋本、柴崎、原口、中島、浅野、鈴木武蔵という11人でスタート。で、前半だけで4失点を喫する。日本代表がハーフタイムを待たずに4点も奪われたのは65年だそうだ。ことホームに限れば、なんと96年ぶりだとか。そりゃまさしく記録的。
 いやー、守れないこと、守れないこと。退場者が出たり、PKやセットプレーでの失点があればまだわかるんだけれど、そういう要因なしで、4失点が全部流れのなかから崩されての失点って、ある意味すごい。どんだけ駄目なんだ、日本代表。
 まー、この日の4バックがことごとく駄目なこと。室谷はクロスを防げない、佐々木は高さに競りあえない、畠中はマークさえできない、上田はブロックすべきボールをよけてしまう。最終ラインがそろいも揃ってあの調子では惨敗も当然。
 特においおいって思ったのが4失点目で、シュートコースに入った植田が身体をそらしてボールをよけて、みすみすゴールを許したシーン。
 なにやってんだ、いったい。DFがボールをよけてどうすんだよ。格闘技経験者がボールから逃げてんじゃないよ。そんなことしているから前半だけで替えられちゃったんじゃないの? 植田、アントラーズを抜けてから日に日に駄目になっている気がする。
 三浦弦太、古橋亨梧、山口蛍、永井、井手口らが出てきた後半は、前半に比べるとずいぶんとよくなっていたけれど、それだって4点をリードした相手がある程度流してきたからでもあるだろうし。そもそも反撃だって蛍のミドルが相手にあたってゴールネットを揺らした1点のみ。この試合に関しては前半の4点がすべてだった。
 ベネズエラとは去年も戦って1-1で終わっている(といいつつ、すっかり忘れていた)。そのときもけっこう難しい試合だったようだけれど、この日は23番のロンドンという選手にハットトリックを決められ――なんと中国スーパーリーグでプレーしているそうだ――18番のソテルデという選手に翻弄され、さんざんだった。
 ベネズエラ、日本代表よりFIFAランキングが高い(26位)のは伊達じゃなかった。調べてみたら自国リーグでプレーしている選手はひとりだけで(しかも出番なし)、あとはほとんどがスペインほかの海外でプレーしているそうなので、そりゃ経験値が高くて当然だなと思った。クラブでは欧州でプレーして、代表ではブラジルやアルゼンチンと戦ってりゃ、そりゃ鍛えられるだろうよ。とはいえ、W杯に一度も出たことがないという国にこんなにこてんぱんにされちゃう日本って……。
 とりあえずこの試合のトピックスは、古橋のA代表デビューと、ひさびさの井手口の代表復帰と、ひさびさの蛍のゴールくらい。
 それにしてもこの局面でGKに川島を起用する森保の意図が僕にはぜんぜん理解できない。チャンスを与えてしかるべき若いGKがほかにいくらだっているだろうに。
(Nov. 20, 2019)

サンフレッチェ広島0-0鹿島アントラーズ

J1・第32節/2019年11月23日(土)/エディオンスタジアム広島/DAZN

 難しい試合になるんだろうなと思っていたら案の定。広島との対戦はがっぷりと五分に組み合ったまま、スコアレスドローに終わってしまった。スタッツを見るとほとんどの数字がイーブンだから、この結果は順当だとは思うんだけれど、それにしても……。
 この日のスタメンはクォン・スンテ、内田、ブエノ、チョン・スンヒョン、町田、永木、レオ・シルバ、セルジーニョ、白崎、土居、伊藤翔の11人。つまり2週間前の川崎戦と同じメンツだった。
 これがいまのベスト・メンバーってことなんだろうけれど、結果が出なかったメンバーでそのままってのもなぁ……。結局、優勝がかかった大事な局面で2試合連続で勝ち点3を逃しているわけだから、いまいち納得がゆかない。
 まぁ、仮にこのスタメンはいいにしても、途中交替のカードの切り方にはさらなる不満がつのった。後半17分過ぎから断続的に、白崎→名古、内田→三竿、町田→相馬と交替させていったけれど、はたして両サイドバックの交替が必要? そもそも勝たなくちゃいけない試合で、交替で出てくる3人のうちふたりがボランチってどうなの?
 ウッチーが外れたあとに永木が右に入り、相馬が出てきてからは名古が左SBに入った。それでサイド攻撃が活性化したかというと、そんなはずないじゃんって話で。不用意なコンバートで単にチームのリズムを乱しているだけのように僕には思えた。キャプテンマークをつけているウッチーを簡単に下げんじゃないよって思う。
 とりあえず、この試合のハイライトは、キックオフ前にキャプテンマークをつけたウッチーと青山が握手しているシーンだったかもしれない。
 広島は代表帰りの大迫、佐々木、荒木隼人(出番はなかったけれどA代表に招集されていたらしい)はもちろん、青山、森崎司、柏好文、川辺駿ら、いつも好印象な選手たちに、稲垣祥、野上といったよく知らないけれど勢いのある中堅、レアンドロ・ペレイラ、ハイネル、途中出場のドウグラス・ヴィエイラといった外国人ら、思わずほとんどの選手の名前をあげたくなるくらい、戦力が充実していた。でもって守備がよくてなかなか崩せない。どう考えてもこの日の鹿島の出来では、ドローが順当な結果だった。
 いやしかし、内容的に拮抗していたからだろうけれど、どうにもファールが多い試合だった。それも手が顔にあたったり、足で踏みつけられたりって、痛そうなシーンが頻発。そのわりには、どれも故意じゃないからカードはほとんど出ないという。そういう意味ではちょっと珍しい試合だった気がする。
 そうそう、カードといえば、鹿島は三竿とブエノが1枚ずつもらって、これでともに累積4枚で時節は出場停止なんだそうだ。三竿が故障明けで復帰したって喜んでいたら、いきなり出場停止って。この大事なときにまったく……。
 裏ではFC東京が湘南相手に取りこぼしてドロー。マリノスが松本相手に順当に勝って首位に躍り出た。
 マリノスと鹿島の勝ち点の差は4。でもまぁ、マリノスの次の相手は川崎だし、最終節はFC東京との直接対決だから、そうそう簡単に勝ち点は伸ばせないだろう。残り2節で鹿島が勝ち点6を積み上げられれば、まだ優勝の可能性はある。まあ、最後まで諦めずに戦っておくんなさい。
 この翌日には中村俊輔がシーズン途中で加入した横浜FCが13年ぶりのJ1昇格を決め、すでに先週J2優勝を決めていた柏は13-1という冗談みたいなスコアで京都を粉砕して有終の美を飾り、その夜にはレッズがACL決勝でアル・ヒラルに敗れてタイトルを逃した。
 あぁ、2019年シーズンも残りあと少しだねぇ……。
(Nov. 24, 2019)

鹿島アントラーズ1-3ヴィッセル神戸

J1・第33節/2019年11月30日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 前半はDAZNの障害で観られず、その間に1-2と神戸に先行され、後半にはさらに引き離されてJ1優勝の夢が果てるというさんざんな第33節のホーム最終戦。
 というわけで、この試合については後半しか観ていないし、こんな結果に終わった試合の前半をわざわざ見返す気もしないので、本来ならば感想を書くべきじゃないんだけれど、でもここまで32試合を観てきて、この試合だけなにも書かないのもなぁ……。
 ということで、とりあえず記録だけ。
 鹿島のスタメンはクォン・スンテ、内田、チョン・スンヒョン、犬飼、町田、永木、レオ・シルバ、セルジーニョ、名古、土居、伊藤翔。途中出場は綺世、レアンドロ、白崎。
 ブエノが出場停止の試合で、故障明けの犬飼が戻ってこれたのは朗報だったけれど、でも3失点もしているんだから、守備は最悪だ。なんかこの終盤戦は三竿が不在だったせいで、攻守に渡っての三竿の存在感の大きさばかりが目立っている気がする。
 神戸の先制点はシーズン途中で大分から移籍してきた藤本憲明。2点目の郷家のゴールも藤本のアシスト。
 藤本、神戸に移ってからはほとんど出番がなく、名前も聞かなくなっていたので、移籍なんかしなきゃよかったのにと思っていたら、最後の最後にようやく出てきて(これが神戸での初スタメンだそうだ)、またもや鹿島戦で大活躍しがやりました。開幕戦での2ゴールもあったし、新たな鹿島キラー誕生の感あり。困ったやつだ。
 鹿島としては、前半の残り5分に土居がセットプレーのこぼれ球を素晴らしい個人技でゴールにぶち込んで1点差に追い上げたシーン――その時間帯はDAZNがブラウザ限定の動画配信を始めていたので、かろうじて生で観られた――がこの試合のハイライト。あれはいいゴールだった。
 願わくばあと1点を取って同点で終わりたい――そうすれば勝ち点で3位以内が確定して来期のACL出場が決まるので――と思っていたのに、後半も攻撃は活性化せず。反対にポドルスキのアシストから小川慶治郎にゴールを決められ、3点目を奪われて勝負あり。鹿島がホーム最終戦で完敗を喫して、優勝への夢がついえた。
 そういや、この試合、ヴィッセルはなぜかイニエスタとビジャが不在だった(ビジャは今季での引退を発表しているので、見られなくて残念)。サンペールもベンチスタートだったし、高額スペイン人たちのいない神戸に負けたのがなおさら悔しい。
 それでもまぁ、神戸は今季が最後という噂のポドルスキや、酒井高徳、山口蛍、古橋なんかがいるんだから、戦力的には申し分ないんだけれど。シーズン途中から指揮をとっているドイツ人のフィンク監督も悪くなさそうだし。
 そもそも、たとえこの試合に勝っていても、首位のマリノスが勝ってしまったせいで、鹿島の優勝はなくなっていた。
 そのマリノスはフロンターレ相手に4-1でまさかの大勝(なにやってんだ川崎)。FC東京はレッズと引き分けに終わったので、勝ち点3差で最終節の直接対決こそ残すものの、得失点差で7のリードを奪っているマリノスが実質的に優勝を決めたも同然って結果になってしまった。あぁ、興ざめはなはだしい……。
(Nov. 30, 2019)