2017年8月のサッカー

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  1. 08/13 ● 川崎3-1鹿島 (J1・第22節)
  2. 08/31 ○ 日本2-0オーストラリア (W杯・最終予選)

川崎フロンターレ3-1鹿島アントラーズ

J1・第22節/2017年8月13日(日)/等々力競技場/BS1

 ひさびさ、およそひと月のアントラーズ戦、それも大岩監督就任以来9試合負けなしでリーグ首位に立った絶好調のアントラーズと、4位のフロンターレの上位対決!――ってことで、とても楽しみにしていた一戦だったのだけれど……。
 みごと負けました。もうこてんぱん。
 この日の鹿島はGK曽ケ端、DF西、植田、昌子、山本、MF三竿健、レオ・シルバ、遠藤、レアンドロ、FW金崎、中村充孝というスタメン。いまだペドロ・ジュニオールが復帰しない状況で、三竿と充孝とレアンドロを重用した、大岩体制ではほぼ定番って印象のメンバー構成だった。
 対する川崎は、小林悠こそ故障明けだかでベンチ・スタートだったけれど、中村憲剛に大島、ガンバから移籍してきて活躍めざましい阿部、こちらも移籍組の家長ら、代表級の選手が顔を揃えている。もとより相性のわるい相手だけに、もう前半に関しては押されっぱなしだった。
 でもまぁ、前半の出来が悪いのは去年から恒例だから、後半までしのげばなんとかなるか……と期待していたら、この日は前半の終わりに失点を許してしまう。それもきれ~な崩しから。
 前半アディショナル・タイムの失点なんて、鹿島が好調なときならあり得ないだろうってところだけれど、このシーンではあまりに相手のパスまわしが見事だった。記録上は西のオウン・ゴールだけれど、観ているときには大島のフィニッシュだと思った。それくらいきれいにパスがつながっていたし、あそこで西が触っていなければ、おそらく大島がきっちりと決めていただろうって失点だった。
 まぁその1点も痛かったけれど、試合を決定づけてしまったのはそのあと。後半開始わずか1分で決められた阿部の2点目。これも簡単にパスがつながって、最後はここしかないってコースに阿部のシュートが決まってしまった。阿部、半年足らずでチームにフィットしすぎ。
 さらには後半なかばには、故障がちでここまであまりプレーをしてこなかったという噂の家長にまで、ループ気味の技ありのミドルを決められて3-0にされてしまう。
 いやぁ、川崎はどの得点にしても、とにかくその攻撃のスムーズさがすごかった。そんなにたやすく点を決められたら、ぐうの音もでねぇって感じの素敵なゴールばかり。もう手も足もでない感じだった。
 でもまぁ、さすがに首位がそのままやられっぱなしってのは情けないから、とりあえず1点だけでも返せたのが救い。得点は残り時間が5分を切ってから。途中出場の鈴木優磨のヘディング。アシストは右サイドからの三竿だった。
 三竿が右サイドでプレーしていたのは、後半から遠藤がボランチの位置まで下がってプレーしていたから。FC東京戦でもそうだったけれど、最近はこうやって試合の途中から遠藤をボランチの位置に下げるのが恒例なのかもしれない。
 でも僕はこの采配には疑問。遠藤は技術が高いのでそりゃボランチだってある程度つとまるだろうけれど、でも低いポジションで使うことで、彼の得点力を生かせなくしてどうするんだといいたい。なかなか点の取れない試合だっただけになおさら。
 大岩体制になってから三竿がレギュラーに定着したことで、この日は永木がベンチにさえ入っていなかった。日本代表にも選ばれるボランチがいるのに、その彼をベンチから外して、攻撃的MFの遠藤をボランチで起用するって采配になんとも納得がゆかない。
 そういや、うろんな僕は気がつかなかったけれど、この日は前半の終わりごろから──おそらく遠藤のポジションをさげたのにあわせて──フォーメーションを3バックに変えたんだそうだ。なんでそういうことする? 鹿島といえば4バックでしょう?
 負けている状況なのに、優磨、安部裕葵(このふたりはとてもよかった)につづけて、3枚目の交替カードで伊東を入れた采配にも疑問が残ったし(なぜ土居ではない?)、就任以来ここまで負けなしってことで大岩の監督としての評価は高まっているのかもしれないけれど、どうにも僕にはいまだ彼の手腕に対しては疑問を感じるところがある。この日の試合にしろ、FC東京戦にしろ、観た試合では勝ってくれてないんだから、それも当然だろう。
 しかしまぁ、大岩監督になって10試合を戦って勝てなかったのは2試合だけだというのに、よりによってその2試合だけを観ているってのもどういうもんですかね。なんだか巡りあわせが悪くてやだなぁ……。
(Aug 18, 2017)

日本2-0オーストラリア

ワールドカップ・最終予選/2017年8月31日(木)/埼玉スタジアム2002/BS1

 日本、5大会連続のW杯出場決定~。いやぁ、よかった。これで来年もW杯が楽しめる。それがまずなにより嬉しい。
 いや、じつはスタメンを見たときには、こりゃちょっとまずいんじゃないかと思ったんだった。だって長谷部、山口蛍、井手口と、またもやボランチが3人もいるんだもの。勝てばW杯出場ってこの試合でも、やはりハリルホジッチは負けたくないという慎重な姿勢が前に出て、極めて守備的な布陣を組んできた。この人、すごい臆病な人なんじゃないかと思ってしまった。そのことに少なからずがっかりした。
 でもまぁ、日本代表って昔から基本的に守備的な姿勢で臨んだときのほうが結果は出ているんだよね。岡田さんの南アフリカ大会しかり、関塚さんのロンドン五輪しかり。下手に攻撃力を過信せず、謙虚に自分たちの実力を受け止めて、しっかりと守備から入ったチームのほうが結果はいい。そういう意味ではハリルホジッチって、けっこう日本にあった監督なのかなと思いました。まぁ、この試合で勝ったのを見ての結果論だけれども。
 さて、ということでこの日のスタメンは、GKが川島、DF酒井宏、吉田麻也、昌子源、長友、MFが長谷部、蛍、井手口で、FW浅野、乾、大迫という布陣。途中出場は原口、岡崎、久保の3人。
 注目のボランチ3枚もあれだけれど、本田、香川、岡崎という世界的知名度ベスト3のみならず、この最終予選で主力としてプレーしてきた原口と久保がベンチってのもなにげにすごい。ハリルホジッチ、慎重なんだか大胆なんだか、よくわからない。
 でも結果的にはこの日のスタメンはどんぴしゃだった。最前線で大迫がタメをつくり、乾が高い技術で左サイドから仕掛け、井手口が豊富な運動量で攻撃の芽を摘む。
 浅野だけはいまいちボールがフィットしていなかったので、彼の起用は作戦ミスだろうと思っていたら、その浅野がよもやの先制ゴールを決めるという(それも超美麗な)。そういや、そのゴールをアシストした長友も、その場面まではいまいち存在感がなくて不満に思っていたんだった。そんなふたりがここぞで見事な働きを見せるという。これぞハリル・マジック。
 でも、この試合でもっともインパクトがあったのは、後半も残り少なくなってから2点目を決めた井手口だった。その得点に限らず、この日の彼はもう全部がすごかった。運動力ははんぱないし、守備力は高いし、視野は広いし、CKとFKはすべて任されているし。おまけにあのゴールだもの。僕がMVPを決めるならば文句なしに彼を選ぶ。これでまだ21歳だというんだから末恐ろしい。来年末に彼がまだ日本にいたらそのほうが驚きだよ。
 もうひとり、この試合で思わぬ好印象を与えてくれたのが酒井宏樹。以前はクロスだけの選手みたいなイメージだったけれど、きょうはドリブルとかでも抜群の切れがあったし、なにより本分である守備で身体を張ってとてもいいプレーを見せてくれた。がたいのいい酒井があれくらいやってくれちゃうと、もう故障明けのウッチーには出番がないんじゃないかという気がしてしまう。それはそれでちょっと複雑な気分。
 故障明けといえば、怪我から復帰してきたばかりの長谷部がいつのまにかキャプテンとしての特別なオーラを感じさせる存在になっていたのにも感心した。相手にボールを奪われるまずいプレーも二、三あったけれど、でも彼がいるとなんだかチームとしての安定感が違う気がする。長谷部って、こんなに頼もしい人でしたっけ? 地位が人を作るっていうけれど、まさにこういうことなのかなぁと思いました。
 この試合でもっとも目立たなかったのは昌子じゃないかと思うけれど、まぁ、DFが目立たないのはある意味いいことですからね。麻也にあぶなっかしいプレーがいくつかあったのを思えば──ワンタッチしてコールを変えたシュートがポストを直撃したり、イラク戦の失点シーンの再現かってプレーがあったりで、あいかわらず麻也はいいんだか悪いんだかわからない──、そういうのがなかった分、及第点じゃないでしょうか。このままレギュラーを射止めて、来年はロシアでプレーして欲しいもんだと思う。あと、無事にW杯を決めたことだし、どうせ使わないんだったら、植田はクラブに返してくれないかなぁとも思う(CBふたりを引き抜かれて鹿島はルヴァン杯ピンチなので)。
 まぁ、なにはともあれ、無事にW杯出場が決まってよかった。2点目が決まるまでのハラハラドキドキの時間帯には「こういうスリルがもう一試合味わえるならば、いっそこの試合をドローで終わって、次のサウジ戦まで結果は保留でもいいかも……」とか思ったりしたけれど、それでもし本大会に出られないなんてことになったら元も子もないですからね。やはり予選はさっさと終えるに限る。
 母国の代表チームをW杯で6大会連続で観られるってとても幸せなことだと思う。どうもありがとー、日本代表。そして、ハリルホジッチ先生。貴方さまの実力を疑って大変すみませんでした。本番もこの調子でよろしくお願いします。
(Aug 31, 2017)