2016年3月のサッカー

Index

  1. 03/12 ● 仙台1-0鹿島 (J1・1stステージ第3節)
  2. 03/19 ○ 鹿島2-0F東京 (J1・1stステージ第4節)
  3. 03/24 ○ 日本5-0アフガニスタン (W杯・二次予選)
  4. 03/29 ○ 日本5-0シリア (W杯・二次予選)

ベガルタ仙台1-0鹿島アントラーズ

J1・1stステージ第3節/2016年3月12日(土)/ユアテックスタジアム仙台/NHK総合

 震災から満5年と1日目に行われた仙台との被災地ダービー(Jリーグの日程は絶対に誰かが細工している)。アントラーズは前半8分に早々に失点を許して、そのまま逃げ切られてしまった。仙台の守り勝ちって試合。
 この日のスタメンは、曽ケ端、西、植田、昌子、山本、柴崎、小笠原、遠藤、中村、赤崎、金崎の11人。途中出場は土居、カイオ、鈴木優磨。土居はこの試合が今季初出場。
 石井監督、去年は日替わりスタメンだったのに、今年は連勝中だからが、開幕戦から3試合スタメンを固定している。
 でも、そのわりには内容はいまいち。調子がいいから替えられない、というならばともかく、観ていてそんな感じがしない。
 中村充孝とか、赤崎とかは決して盤石ってプレーぶりではなかったし、前めはうしろと違って選手層も厚いのだから、どうせだったらカイオや土居、ジネイらにもスタメンのチャンスをあげて欲しい。
 とにかく、今年はここまでいまだ2得点と、攻撃が湿り気味なのが気にかかる。去年チーム得点王のカイオにベンチを温めてさせておいて、スコアレスで負けちゃしょうがないだろう。
 まぁ、この試合では遠藤得意のミドルがバーを叩いたり、カイオがゴール前でフリーのチャンスを得たのに決めきれなかったり、なぜそれが決まらない? って不思議に思ってしまうようなシーンがいくつか(あとひとつくらい?)あったから、さすがにああいうのがつづくと運も逃げてしまうのも致し方なし。まだシーズンも始まったばかりだし、基本ボールはまわせていたので、悲観するほど悪い内容でもなかったとは思う。
 あと、この試合では西村主審のファールの判定にいまいち安定感がなくて、いらいらさせられることが多かった。なんであそこで取って、そこでは取らないって思わされることが何度もあった。レフェリーは目立たないのがいちばんなので、そういう意味では残念な試合だった。
 仙台では、あいかわらず梁勇基{リャン・ヨンギ}、ウィルソンらがいい仕事をしていた。あとFC東京からレンタル移籍してきた三田もなかなか目立っていた。
 でも、なにより驚きだったのは、野沢がベンチ・スタートのまま、出番がなかったこと。鹿島のときならいざ知らず、仙台でこんなに早くレギュラー・ポジションを失うとは思わなかった。怪我かなにかが理由で、一時的なことであってくれればいいなと思う。
 決勝点はウィルソンの左サイドからのクロスをファーでフリーになった金久保という選手に決められたもの。ニアの選手につられて、山本のマークがはずれたのが痛恨だった。山本は攻撃ではいい仕事をするんだけれど、肝心の守備ではたまのミスが目立つ気がする。
 まぁ、いずれにせよ、きょうの仙台の守備での集中力は敵ながらあっぱれだった。それにしても、日本代表候補の正GK・六反が怪我で離脱中って試合に、スコアレスで負けたのがなんとも悔しい。
(Mar 12, 2016)

鹿島アントラーズ2-0FC東京

J1・1stステージ第4節/2016年3月19日(土)/カシマサッカースタジアム/スカパー!

 FC東京戦ってことで、義妹宅にお邪魔して、ビール片手に観戦させてもらったファースト・ステージ第4節。
 前節の敗戦を踏まえて、石井監督はスタメンを変えてきた。これまでのメンバーから中村充孝、遠藤のふたりをはずして、カイオと鈴木優磨を入れた形。
 カイオはともかく、鈴木優磨の起用は意外性があった。鈴木はこれがJリーグ初先発とのことだけれど、それにしてはなかなかの存在感だったと思う。カイオが期待していたほどよくなかったので、その分、鈴木のアグレッシブなプレーがなお好印象だった。惜しいヘディングもあったし、あれを決めていればヒーローだったのに……。
 対するFC東京は、注目の中島翔哉が今年からJ3に参戦中のU-23のほうに出ているので、この日はベンチ外(なんかもったいない)。その他、梶山、河野、羽生、高橋秀人ら、レギュラー・クラスの選手たちが軒並みベンチだったりする。五輪代表のエースやベテランの背番号10、元日本代表の選手らを使わないで戦えるんだから、やっぱ選手層は厚いよなぁと思う。若い橋本拳人とか、なにげに目立っていたし。
 ただ、このクラブの得点力不足はあいかわらず解消される兆しなし。今季は城福監督が復帰したから、攻撃的なサッカーに舵を取り直すのかと思ったら、現時点ではほとんど去年と変わっていない印象だった。
 とにかくシュートが少ない。あいかわらず少ない。前田や東はさがってボールを触ることが多くて、ストライカーっぽくないし。まぁ、FWらしいFWといえば、この日は故障で長期離脱中だったという平山が後半から出てきたけど、まだまだ手さぐり状態みたいだし。とにかく高い位置でボールが収まらない。注目していた新加入の水沼宏太もこの日は印象が薄かった。
 それでも基本的に中盤からうしろは充実しているのだから、あとは最前線に頼りになる強力なセンターFWが一枚いれば、そうとう怖いチームになると思うんだけれど。その部分にテコ入れしようとしないクラブの方針がいまいちよくわからない。
 その点、こちらには金崎がいる。持ち前の高い技術に、豊富な運動量と得点への積極性を兼ね備えたいまの金崎は、日本人FWとしては最高峰ではないかと思う。
 この日の2得点も素晴らしかった。山本脩斗のあたりそこないのシュートにオフサイド・ラインの裏ギリギリに飛び出してあわせた泥臭い1点目といい、岳からのクロスにボレーであわせた豪快かつビューティフルな2点目といい、ほんと最高。いやぁ、夢生が戻ってきてくれて本当によかった。一度は退団が決まったあとも、最後まで諦めずに粘りづよく交渉をつづけたフロント、どうもありがとう~。
 そういや、新加入選手といえば、この試合では後半途中から小笠原に替わって、永木亮太が出てきたのも、個人的にはこの試合のトピックスのひとつだった(途中出場はあと遠藤と土居)。僕がまだ一度もアントラーズでのプレーを観ないうちに代表合宿に呼ばれてびっくりさせた選手だけあって、なるほど、運動量が多くて好印象(去年の湘南戦で観ているはずなんだけれど、まったく記憶にない)。背番号6をつけてしつこいディフェンスをする姿には、ちょっぴり本田泰人を思い出させるものがあった。
 試合は2-0とスコア上は快勝ながら、お互いにディフェンスがしっかりしたものどうしなので、得点が決まるまではスコアレス・ドローで終わってもおかしくないと思うよな内容だった。それをきっちり勝ち切ったのはでかい。
 それにしても、FC東京にはこの7年、リーグ戦では一度も負けてないんだとか。それほど力の差があるわけではないので、そこまで極端なことになっているのは、なんとも不思議だ。
 まぁ、去年と今年に関しては、ゴール前での積極性の差がそのまま結果につながっている気がする。ここ2、3年のアントラーズの強さは、とにかくシュート数の多さに支えられていると思うので(そういう意味では、今年はここまで、いまいちシュートが少ない印象なので、今後がちょっと不安)。いまのFC東京に必要なのは、とにかくゴール前で積極的にシュートを打ってゆくFWの存在ではないかと思います。
(Mar 20, 2016)

日本5-0アフガニスタン

W杯・二次予選/2016年3月24日(木)/埼玉スタジアム2002/TBS

 今年最初の代表戦は、W杯二次予選の残り試合二連戦。
 スタメンはGK東口、DF酒井宏樹、吉田麻也、森重、長友、MF長谷部、柏木、清武、FW原口、岡崎、金崎という組み合わせ。
 本田、香川は、合流が遅れてコンディション不十分だとかいう理由でベンチ。おかげで前めの選手は岡崎以外、準レギュラーって顔ぶれになったのが、なかなか新鮮だった。
 でも、さすがにそんなメンツだから、序盤はいまいち連係が噛みあわない。適度にいい感じでボールをまわしてはいるんだけれど、フィニッシュが決まらず。
 とくに夢生。さんざんシュートは打っているけれど、GK真正面とか、DFにあてまくったりで、不発弾だらけ。でもまぁ、積極的にシュートを打つ姿勢やゴール前でボールを受ける動きは断トツだった(でもとにかく決まらなかった)。
 まぁ、そんな感じで前半はスコアレスのまま、イヤぁな終わりかたをしそうだったところを救ったのが岡崎。ゴール真正面で清武からの優しいパスを受けると、見事なトラップから華麗な切り返しでDFをかわして、素晴らしいシュートを決めてみせたのだった。岡崎、うめー。さすがプレミア・リーグで首位のチームのレギュラー張ってるだけのことはある。
 そのゴールをアシストした清武も、きょうはとてもよかった。これまでに代表で観た試合ではいちばんよかった。彼もだてにドイツで10番背負ってるわけじゃないってところをようやく見せてくれた。
 後半最初の2点目はそんな清武のゴール。夢生がワンタッチでゴール前にふわりと浮かせたボールをDFの裏へと駆け込んできた清武が決めたもの。シュート自体はあたり損ないだったけれど、おかげでGKのタイミングがずれて、フェイント気味になった。
 清武はプレーがスマートすぎて決定力に欠ける印象があったので、あんな風にゴール前にみずから切れ込んで、泥臭いゴールを決めたのがとても好印象だった。この日みたいなプレーがいつでもできるようならば、じゅうぶんに香川のかわりが務まる。
 まぁ、上手いっちゃあ、清武にかぎらず、原口にしろ、柏木にしろ、ほんと上手い。トラップはぴたっと収まるし、パスの精度も高い。そんな選手ばっかりだから、本田たち抜きでも技術的にはまったく遜色なかった。前半こそ1-0で終わってしまったけれど、技術では圧勝している感があった。
 とにかく麻也や森重が守備より攻撃でめだつような内容だったし、1点のリードで迎えた後半のゴールラッシュは必然だったと思う。清武の2点目につづき、酒井宏のクロスが相手のオウン・ゴールを誘い、セットプレーからは麻也がヘディングを決める。最後は金崎が身体でボールを押し込むような、泥臭いにもほどがあるってゴールを決めて計5点(あぁ、1点だけでも決められてよかった)。去年の6点には及ばなかったけれど、それでも十分なゴール・ラッシュを見せて、日本代表が快勝した。
 後半の選手交替で出てきたのは、香川とハーフナー・マイクと小林悠。ひさびさに代表に戻ってきたハーフナーは持ち前の高さを生かして金崎のゴールをアシストしてくれたし、小林悠も得点こそなかったけれど、短いプレー時間のなかで得点の匂いのするプレーを見せてくれた。香川は……うーん、どうかな。よかったというほどの存在感は見せられなかった。クラブでも出番が減っているようだし、ちょっと心配。
 とにかく、これで二次予選も残すところあと一試合。次のシリアにはアウェイで快勝しているのだから、ホームでの負けなんてあり得ない。気持ちよく勝って次(三次予選? それとも最終予選?)へとつなげて欲しい。
(Mar 24, 2016)

日本5-0シリア

W杯・二次予選/2016年3月29日(火)/埼玉スタジアム2002/テレビ朝日

 W杯・二次予選最終戦。日本代表は無事シリアに勝ち切って一位抜けを決めた。
 この日のスタメンは、西川、酒井高徳、吉田、森重、長友、長谷部、山口蛍、本田、香川、宇佐美、岡崎という形。
 前の試合とくらべると、いたってまっとうすぎて、正直なところ、あまりおもしろみがないと思ってしまった。
 ところがこのメンツで見せてくれたサッカーが素晴らしかった。
 さすがにレギュラー陣、しかも前の試合に出ていなくて休養十分なだけあって、ワンタッチ・パスがつながる、つながる。前半だけでもどれだけ素晴らしい崩しを見せてくれたことか。
 とはいえ、決まんないんだ、これが。驚いちゃうくらいに決まらない。なぜ得点できないのか、不思議なくらいに決まらない。あれだけ華麗に攻めておいて、前半の得点が相手のオウン・ゴールによる1点だけって。ある意味、マジカル。
 そのオウン・ゴールもおかしかった。GKのパンチングしたボールが味方DFの顔を直撃して、ずどんと自分のゴールに刺さってしまったもの。ダン・ダン・ダン!って。あんなに豪快に決まるオウン・ゴールも珍しいだろう。思わず笑ってしまった。
 まぁ、そんなわけで前半の日本はひとつもゴールが決まらなかったのだけれど、その反面、ディフェンスは十分すぎるほどに機能していた。高めから積極的にチェックをかけて、ノーファールでボールを奪ってゆくその戦いっぷりはとても小気味よく、ゴールこそ決まらなかったものの、安心して観ていられた。
 後半は点差が開いたこともあって、山口が負傷退場したあとでバランスを崩して、あわや失点って場面が二、三あったけれど、でもまぁ西川のファイン・セーブなどもあり、結果的には無失点に抑えているし、終わってみれば、この二次予選を通じて1点も失っていないってんだから、これはもう立派なもの。攻めてよし、守ってよしで素晴らしい。
 そうそう、この試合は岡崎の代表100試合目だったそうで、そのご褒美だとかいって、ハリルホジッチは岡崎にキャプテン・マークを託した。長谷部が出ている試合で、彼以外の選手がキャプテン・マークをつけているのっていつ以来か、とんと記憶にない。
 でもこのキャプテン・マークが悪かったんじゃないだろうか。この日の岡崎はチャンスにあとちょっとのところで足が届かない、みたいなプレーのオンパレードだった。なんだかキャプテン・マークの重さのぶん、ほんのわずかに狂いが生じて、プレーがワンテンポずれてしまったかのよう。キャプテンなんか任されず、いつも通りにプレーしていたら、前半だけで3-0くらいになっていたんじゃないかって気がした。
 でもまぁ、そんなふうにエースが不発で前半が駄目でも、後半で帳尻を合わせられるのが、今回の代表の強みだ。この日も後半だけで4点を奪って、消化不良だった前半の埋め合わせをしてみせた。
 得点のうちわけは、香川、本田、香川、原口(途中出場)。
 このうちもっとも素晴らしかったのが香川の1ゴール目で、本田が頭上に浮かせたボールを胸トラップすると、右足を軸にくるりと一回転。落ちてきたボールを左足で引っかけるようにして、ゴール左隅へと突き刺してみせた。うぉぉ、すごっ。これぞまさにワールド・クラス。
 香川はそのあとの本田のゴールもアシストしてみせ、さらにはもう1点みずからで決める大活躍。ひさびさにエースらしい活躍を見せてくれた。こういうプレーがコンスタントに出てくれば、怖いものなしなんだけれど、香川の場合、いまいち調子に波があるのが困ったもの。その点、この二次予選はこれで6試合連続ゴールとかいっている本田はやっぱり偉かった。
 山口蛍の怪我により急きょボランチでの出番となった原口は、最後にゴールこそ決めてみせたものの、最初のうちはトラップは大きいし、バックパスは多いしと、いらいらさせられるプレーぶりだったので、それほど印象がよろしくない。とはいえ、まぁ、慣れないボランチとしての起用だったし、徐々に調子をあげていって、最終的にはゴールまで決めたのだから、その点は評価されてしかるべきかもしれない。
 それより心配なのが怪我で退場してしまった山口蛍。相手選手との空中戦で、顔面に思い切り頭突きをかまされて、倒れたまま起き上がれず。結局、鼻血を流しながら担架で退場となった。運ばれてゆくときに心なしか手が震えていたし、出血もひどかったので、とても心配。大事に至らないよう祈っている。
(追記:診断結果は鼻骨骨折および左眼窩底{がんかてい}骨折とのこと。とても痛そうで気の毒だけれど、脳波には影響がなさそうなのが不幸中の幸い)。
 ということで、スタメン出場した選手はみんないいプレーを見せてくれたし、夢生も途中出場ながら出番をもらって、あいかわらず貪欲に走り回っていたし(もうひとりの途中出場は清武)、試合内容はよかったものの、山口のことが気になって、いまひとつ気分が晴れないのが残念な一戦だった。
(Mar 29, 2016)