2014年1月のサッカー

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  1. 01/01   横浜M2-0広島 (天皇杯・決勝)

横浜F・マリノス2-0サンフレッチェ広島

天皇杯・決勝/2014年1月1日(水)/国立競技場

 昨年と同じく、実家でおせち料理をつつきながら観た天皇杯・決勝。
 東京オリンピックのための改修前の現・国立競技場では最後となる──元日に決勝戦が行われるのも今回が最後になるのではないかという噂の──今回の対戦カードは、大逆転でリーグ連覇を果たしたサンフレッチェと、最後の最後でその広島に優勝をかっさらわれて2位に終わったマリノスとの対戦。で、結果はマリノスの快勝。
 リーグ戦では勝負強さを見せた広島だったけれど、この天皇杯では準々決勝、準決勝とともに延長戦を戦っているため、疲労が抜けきらなかったらしい。なおかつ、この最後の3試合での得点がわずか1というのを考えると、ここへきて調子を崩していた感が否めない。今年も広島はとてもいいサッカーをしていたと思うのだけれど、最後の最後で息切れしてしまった印象。
 まぁ、とはいっても、この試合でのマリノスの戦いっぷりも見事だった。序盤から高い位置でボールを支配できていたし、先制点の場面も、右SBの小林がドリブルで攻め上がり、FW端戸、MF兵藤とつないで、最後は齋藤学がフィニッシュしたもの。チーム・リーダーの俊輔抜きで、この人数が絡んでゴールをあげたところに価値がある。
 とはいえ、もちろん俊輔だって活躍しないわけがない。その得点からわずか4分後には、俊輔のCKからのこぼれ球(中町のヘディングを一度は西川が防いだ)を中澤が豪快なヘディングで押し込んで、2点目をゲット。意外や意外、前半なかばにして試合の趨勢は決してしまう。
 まぁ、サッカーでは2-0というのがいちばん難しい点差だという話はよく聞くし、早い時間帯に広島が1点でも返せば、まだわからないと思ったのだけれど、なにせこの年末の広島は得点力不足。おまけに相手は守備力でリーグ2位のマリノスとくる(1位はこちらも広島)。さらには不思議なもので、広島はJ1連覇を果たしたこの2年、一度もマリノスには勝ていないんだそうだ。
 ──ということで、試合は結局そんなデータ通りに、そのままマリノスが危なげなく逃げ切り、ゲームセット。国立最後の天皇杯はマリノスのものとなった。マリノスの天皇杯制覇は、じつに21年ぶりらしい。つまりJリーグ発足後初? へー、そりゃ意外。
 マリノスはリーグ戦序盤にチームへの貢献大だったマルキーニョスがなぜかさっさと帰国してしまっていたり(来年はヴィッセルとのこと)、そのマルキの代役で活躍していたらしい藤田祥史{ふじたよしひと}が累積警告で出場停止になっていたりという苦しい台所事情を、全員攻撃で打開して見せたのがあっぱれだった。でも、いまのままの選手層の薄さだと、今年はACLですごく苦しみそうな気がする。齋藤学に海外移籍の噂もあるし、彼が出て行ってしまった日には、マジでまずいんじゃないでしょうか。
 そういえば、すでにACLへの出場が確定していたこの2チームが決勝進出を果たした時点で、リーグ4位のセレッソ大阪の、繰り上げでのACL出場が決定。あと、2月のゼロックス杯もこの日の2チームの対戦になるとのこと。この数年、ゼロックス杯はまたこの組み合わせかってカードが多い気がする。
 それにしても、J1最終戦でアントラーズがせめて引き分けていれば、勝ち点でセレッソを上まわって4位となって、ACL出場を果たせていたわけだ。あぁ、返すがえすもあの日の黒星は痛かった……。
(Jan 04, 2014)