2012年9月のサッカー

Index

  1. 09/01 ○ 鹿島1-0神戸 (J1・第24節)
  2. 09/06 ○ 日本1-0UAE (親善試合)
  3. 09/11 ○ 日本1-0イラク (W杯・最終予選)
  4. 09/22 ● 鹿島1-2横浜M (J1・第26節)
  5. 09/29 △ G大阪2-2鹿島 (J1・第27節)

鹿島アントラーズ1-0ヴィッセル神戸

J1・第24節/2012年9月1日(土)/カシマサッカースタジアム/BS1

 柴崎が出場停止だったため、ひさびさ本田拓也がスタメンに名を連ねたヴィッセル戦。
 スタメンは曽ヶ端、岩政、青木、新井場、本田、小笠原、ドゥトラ、レナト、大迫、興梠という顔ぶれ。中田、山村が故障中だそうで、CBには青木が入っていた。それゆえ本田拓也の出番となったんだろうけれど、それにしてもこの状況でなお、スタメンで使われない増田の立場は……。俺は彼が不憫でしょうがない。
 いや、べつに本田拓也がよくなかったというわけじゃない。それどころか、とてもよかった。ひさしぶりのスタメンとは思えない落ち着き払ったボール捌きで、中盤の守備に安定をもたらしていた。アントラーズに移籍してきてからは、怪我つづきであまりプレー機会に恵まれていないのに、いざ出番となってのあの堂々たるプレーは見事だ。やはりこの人もただ者じゃない。
 ──とはいって、だから増田を干していていいかというと、いいとは言えないわけで。彼に実力がないのならばともかく、仮にも日本代表に選ばれるくらいの人材なのだから、もうちょっと使い方を工夫して欲しいよなぁと。ジョルジーニョには、そう望まずにはいられない。
 この日は途中出場で10分足らず出番をもらっていたけれど、あれだけで満足できるはずもなかろう。このままの使い方がつづくようならば、このオフに彼がふたたび移籍を志願するのはまず確実だろう。レンタル移籍から戻ってきてチャンスをつかみかけた矢先に指揮官が変わって、その好みに合わないがために出番が激減してしまうってんでは、気の毒でしょうがない。
 まぁ、鹿島はボランチの人材が豊富であるがゆえの問題ではある。小笠原の経験とキャプテンシーは何物にも代えがたいし、柴崎や山村には将来の日本代表を背負って立って欲しいという期待がある。青木や本田は守備力に秀でている。そんなライバルと比べると、増田は(ジョルジーニョの目には)中途半端に映ってしまうのかもしれない。攻守のバランスに優れた、いい選手だと思うんだけれどなぁ……。
 まぁ、そんな選手起用への不満も、成績がともなっているならば仕方ないと思えるのかもしれないけれど、あいかわらず降格ラインのちょっと上を上がったり下がったりしているんだから、ジョルジーニョの監督としての実力に対する疑問は深まるばかりだ。この日の試合も大迫のゴールで勝ちこそしたものの、内容的にはいまいちだったしなぁ……。
 とりあえず、大迫のゴールはよかった。思い切りのいいミドル・シュートで、見事だった。あの1点とひさしぶりに見た本田のプレーが救いという試合だった。
 それにしても、調べてみたら、なんと今年の鹿島はここまで一度も10位より上に上がったことがない。20年以上になるクラブの歴史の中でも、そんなシーズンおそらく初めてだろう。常勝軍団を自称するクラブだ。ジョルジーニョ以外の人が監督だったら、すでに解任されているに違いない。考えてみれば、相手の監督は、そうやって途中から就任した西野さんだった。
 なまじクラブの英雄を監督に招いてしまっただけに、ほかのクラブのような荒療法が行えないという。なんとももどかしい今シーズンだった。
(Sep 02, 2012)

日本1-0UAE

親善試合/2012年9月6日(木)/東北電力ビッグスワンスタジアム/日本テレビ

 ジーコ率いるイラクとのW杯最終予選を5日後に控えてのUAEとのテストマッチ。
 前にも書いていると思うけれど、去年までの僕はサッカーを観ながら食事したりはしなかった。やっぱり90分しっかりと集中して観ないと、サッカーの醍醐味は味わえないと思っていたからだ。だから平日に試合がある日には、早めに帰宅して、食事を済ませてから観るようにしていた。
 でもいまの職場は終業時刻が前より遅くなった上に職場が遠いので、キックオフの時間までに帰ってくるのがやっとで、その前に食事を済ませることができない。まぁ、最近は疲れ切っていて、そこまでサッカーにも熱くなっていないし、まぁいいやと思って、この試合は夕食を取りながら観はじめた。
 それでわかったこと。アサリたっぷりのペスカトーレはサッカー観戦には向かない。殻が邪魔だぜ~、アサリ。最初の5分くらいはアサリの殻をよけるのに忙しくて、ぜんぜん試合に集中できなかった。
 ということで、序盤はいい加減に「ながら観」することになってしまったこの日のUAE戦。
 スタメンは、GK川島、DF酒井宏樹、吉田、伊野波、駒野、MF長谷部、遠藤、清武、本田、香川、そしてマイク・ハーフナーのワン・トップという布陣だった。おー、ハーフナー! ひさしぶりのスタメン。そういや、岡崎がスタメンを外れるのも、ひさしぶりな気がする。清武、本田、香川の3人が並ぶ中盤もすごいし、こりゃ強いだろう──と思ったのに、あらら。意外とそんなことはない。
 やはり海外から集まって間もないから、連携とかもいまいちなんだろう。それぞれにクラブが始動したばかりで、代表に集中しにくい状況もあるんだろう。このメンツだけに、時には、おっと思うようなプレーもあったけれど、全体的にはいまいちピリッとしない内容だった。
 相手のUAEは先日のロンドン五輪に出場した選手たち中心の若いチームだったそうだ。そんな相手に1-0で勝つのがやっとなんだから──まあ、UAEが思いのほか、よかったにしろ──、やはりあまりいい内容とは言えない。
 マンチェスター・ユナイテッド移籍後、初の代表戦となった香川もいまいち精彩を欠いた。まぁ、悪いってほど悪くもないんだけれど、並んでプレーする本田が、いつもどおりの圧倒的なキープ力を見せつけるので、比較で分が悪く見えている気もする。香川が本田と互角の存在感でピッチに並び立つ日がきたら、日本代表ってとんでもなく強くなるんじゃないだろうか。
 この日の決勝点は駒野のクロスからハーフナーのヘディング。GKの頭上を越す見事なクロスをハーフナーがフリーで決めた。いいゴールだった。
 駒野はなんか、ここへきてまた上手くなった気がする。両サイドできるユーティリティの高さは貴重だし、この調子があと2年維持できれば、ブラジル大会も代表に選ばれそうな気がする。でもまぁ、日本代表のサイドバックはいまや激戦区だからなぁ。長友、ウッチーの両サイドバックに両酒井が割って入る構図はとても贅沢に思える。
 それにしても、御当地・新潟出身の酒井高徳を最後のわずか10分足らずしか使わないザッケローニは、あいかわらずサービス精神が足りない。しかもその交替にしろ、酒井宏が足を痛めたからであって、あのまま放っておいたら酒井高の出番はなかったんじゃないだろうか。最後に出てきた高橋秀人のプレー時間なんてわずか5分ちょっとだし、時間つぶしのための交替ならばともかく、テストマッチにそれだけの時間でいったいなにをしろというのやら。
 ザッケローニ氏、いい人だとは思うんだけれど、指揮官としては、やや冒険心とおもしろ味が足りない気がする。
(Sep 06, 2012)

日本1-0イラク

ワールドカップ最終予選/2012年9月11日(火)/埼玉スタジアム2002/BS1

 ジーコ、敵として現る。
 しばらく前に、イラク・サッカー協会が監督としての報酬を払っていないから退任するかもという噂があったから、てっきり日本と対戦する前に辞めているかと思ったら、そんな話はまったくなかったかのような顔をして、ジーコ先生は堂々と日本へやってきた。
 昔の師が弟子の前に立ちふさがるという構図は、『巨人の星』で星一徹がオズマを連れて飛雄馬の前に現れたり、『あしたのジョー』では段平のとっちゃんが鑑別所の青山くんにこんにゃく殺法を仕込んでジョーを悩ませたりと、少年マンガでは昔からおなじみのパターンだ(たとえが古い)。今回ジーコがイラクを率いて日本と戦うというのは、まさにこの黄金パターンそのまま。いまいち親近感の湧かない中東のチームってのがまた、敵役としてうってつけ。
 で、マンガの場合だと、この手の展開は、まずは師匠側が先に一勝するものと相場が決まっている。飛雄馬はオズマに大リーグ・ボール一号を打ち砕かれ、ジョーは青山にプライドをズタズタにされる。そののちに主人公の巻き返しがある、ってのが定番。
 だとするならば、もしかして今回のイラク戦は危ないのか?
 ……と思ったりしたんだったけれど、さすがに現実にはそんなドラマは起こらなかった。今回の師弟対決では、ジーコ師匠に一日の長はなく、日本が(内容はいまいちながらも)なんとかイラクを1-0で破って、勝ち点を10と伸ばし、W杯出場へ大きく前進した。いやぁ、現実は小説よりも奇なり、なんてことにならなくてよかった。
 この日のスタメンはGK川島、DF駒野、吉田、伊野波、長友、MF長谷部、遠藤、岡崎、本田、清武、FW前田。──ってんで、まずは驚いたのが、香川がいないこと。
 なんでも香川くん、腰痛だとのことで、ベンチにさえ入っていなかった。足を痛めた酒井宏樹とともに、スタンド観戦。おいおい、これからイングランドへ帰るのに、フライト大丈夫なのか。腰に悪そうだけれど。ま、大事に至らないように祈っている。
 とりあえず、香川がいない分は、清武がそのテクニックで、岡崎が持ち前の運動量でそれなりに埋めてはいたけれど、この試合ではイラクのマンマークがきつかったとのことで(よくわかっていないやつ)、前半は本田があまりボールに絡めていなかった。香川抜きで、本田をふさがれたのでは、さすがに攻撃が活性化しない。
 今回のイラクも前回のUAE同様、五輪世代が中心だったそうだけれど、これがまた侮れない。セットプレーの精度が高く、守備もアグレッシブで、けっこう手ごわかった。ただ、ちょっとした接触プレーでも、大げさに痛がる選手ばかりなのが見苦しい。ああいうのって好感度ダウン必至だと思うんだけれどなぁ。いいプレーがだいなしだから、やめときゃいいのにと思う。
 まぁ、なんにしろ日本はそんなイラクにけっこう手こずりつつも、前半中ごろにあげた前田の先制点を守り切って、なんとか勝ち点3をもぎ取った。
 得点の場面は、右サイドのスローインをもらった岡崎が、そのままドリブルでゴールライン近くまでボールを持ち込み、左足アウトサイドでちょこんとラストパス。そこにどんぴしゃのタイミングで走り込んできた前田が、ノーマークでヘディングを決めた。スローインからわずか数秒って感じの、あっけにとられるほどスピーディーな得点だった。お見事。
 後半はそれなりにいい感じで連携を見せる時間帯もあったけれど、結局追加点は奪えず。ザック氏の腰の重さもあいかわらずで、清武を細貝に、前田をハーフナーに替えたのが、後半も残り5分を切ってから。最後の高橋秀人なんて、ロスタイムに交替を待っているあいだに終了の笛が鳴って、出番なしのまま終わってしまったという……。ありゃ可哀想だって。どうせなら、もっと早く動きましょうよ、ザッケローニさん。
 でもまあ、勝ったからよし。UAE戦では出来が悪くてハーフタイムで交替させられていた長谷部(今年はクラブでベンチ外らしい)と伊野波も、この日はとくに問題のないプレーを見せてくれて、ひと安心だった。あ、でも川島のナイス・セーブが光るシーンとかもあったっけ。
 しかし、前半の4試合を終えて、勝ち点10は上出来もいいところながら、後半4試合のうち3試合がアウェイだと聞くと──でもって、ホームで今日のような戦い方をしているのを見ると──、いまいち安心してられない気がしてしまうから困りものだ。
 あぁ、無駄に心配性な日本人。
(Sep 11, 2012)

鹿島アントラーズ1-2横浜F・マリノス

J1・第26節/2012年9月22日(土)/カシマサッカースタジアム/BS-TBS

 ほんとにもう、アントラーズが弱すぎて感想を書く気力が湧かない。
 ある意味、今年最低の試合だったんじゃないかとさえ思う(追記:試合後にジョルジーニョもそう言っていたらしい)。前半の10分過ぎに締まらないプレーの連鎖から先制を許して、その後は反撃の糸口もつかめない。
 それでも、前半の終わりにマルキーニョス(!)がスパイクの裏でレナトの{すね}を蹴るプレーで一発レッド。後半は数的有利な立場で戦えるので、これならば逆転も可能だろうと期待していたのに、逆転どころか、同点ゴールさえ奪えない。それどころか、ひとり少ない相手に追加点を許す始末。ここんところ好調だったはずの大迫も不発で、結局7分もあったロスタイム(相手GKが痛んで交替に時間がかかった)に途中出場のジュニーニョのゴールで1点を返すのが精いっぱい。こんな試合がおもしろいはずがない。
 そもそも、ホームで人数の少ない相手に負けたというだけでも屈辱なのに、さらにはこの日のマリノスは中澤、栗原というセンターバックの新旧代表コンビを欠いていた。それどころか、ここ6試合連続で2失点以上していて、白星もなかったという。カンフル剤的な意味だったのか、この日はGKもレギュラーの飯倉ではなく、今季初出場だという榎本哲也だった(でも結局その榎本は後半途中で足を痛めて飯倉と交替)。
 そんな相手に──しかも順位では自分たちのひとつ上にいる相手に──ホームで負けるんだからイヤんなる。後半をまるまる数的有利な状況で戦いながら、同点にさえ追いつけないなんて……。
 これで戦い方に納得がゆけば、まだ気も紛れるのだけれど、とうてい納得がいかないからやり切れない。
 相手に退場者が出て有利な状況になったことで、ジョルジーニョは後半の開始からドゥトラ、レナトに替えて本山、本田拓也を入れてきた(スタメンはソガ、西、岩政、青木、新井場、柴崎、オガサ、ドゥトラ、レナト、大迫、興梠)。
 まぁ、本山はいい──というか、僕としては大いに嬉しい。彼の登場で確実に攻撃が活性化したことだし。なぜに先発で使わないんだといいたいくらいなので。でもなぜもうひとりが本田拓也?
 どう考えたって本田は守備的な選手だ。1点のビハインドを追いかける展開で使う理由がわからない。あえて推測するならば、柴崎を前に出して、彼の攻撃力に期待したいと思ったんだろう。まぁ、本田がいい選手なのは知っているので、ここまではよしとしよう。問題はそのあとだ。
 小野、俊輔のマリノス新旧エースの競演からマリノスに2点目を奪われ(悔しいけれど、どちらも見事なプレーだった)、さらなる劣勢となったあとにジョルジーニョが打って出た最後の手は、岩政をジュニーニョに替えるという奇策だった。
 不動のCBを引っ込めてまで、スクランブル体制で点を取りにゆくことで、勝利への執念を見せた──といえば聞こえはいいけれど、でもその結果、本田は岩政が抜けた穴を埋めるために、最終ラインをケアする役割を担わざるを得なくなってしまった。つまり、結果的には、岩政を本田に替えたのと変わらなかったってことになる。なんだそりゃ、だ。
 岩政の役割はなにも守備だけじゃなかろう。セットプレーでのターゲットとして、彼の高さは貴重な得点源でもある。相手がひとり少ない状況でパワープレーを仕掛けるとなれば、なおさら彼の高さは貴重だったはずだ。でも、終盤に立て続けにコーナーキックを奪った場面では、すでにピッチ上に岩政の姿はいなかった。これを迷采配と呼ばずしてなんと呼ぼう?
 まぁ、最後にかろうじて一矢を報いたジュニーニョのゴールは、大迫、興梠、ジュニの3トップがそれぞれの持ち味を発揮してのものだったから──大迫がヘディングで競り勝ち、興梠がそのこぼれ球をボレーシュートでバーに当て、その跳ね返りをジュニーニョがきっちり決めた──、スタメン2トップを残してのジュニーニョの投入は結果を出していることになる。それにしたって岩政を下げる必要があったとは僕には思えない。結果、ジョルジーニョの采配には不満ばかりが募ってしまう。ここまでの成績を見れば、彼の監督としての手腕不足は明確だと思うし。この戦力でこの順位はあり得ないだろー。
 ──ということで、やはりジョルジーニョに鹿島の監督を任せるのは時期尚早だったのだと思う。悪いけれど、いまはもう一日も早い勇退を願ってやまない。彼にはほかでもっと経験を積んで、きちんと監督としての実績を残した上で、もう一度名誉挽回のために戻ってきて欲しい。
 それにしても、ひさしぶりに俊輔のプレーを観たけれど、なんだかんだいいつつ、あいかわらず上手かった。攻撃だけではなく、守備での貢献度も高くて、おいおい、なんでそこで俊輔がボール奪うんだよってシーンが何度もあったのには、敵ながら感心させられた。
 元日本代表の俊輔と元鹿島のマルキーニョスがいい連係を見せる場面とか、僕にとってはとても刺激的だったし(マルキの退場は残念だ)、その俊輔から10番を受け継いだ小野や熊谷アンドリューなる十代の選手(この子が先制点)がいいプレーを見せていたり、つい先日まで五輪代表だった齋藤学や、かつての五輪代表の青山直晃(今季初スタメンらしい)がいたりして、マリノスはなかなかおもしろいチームだった。でも、だからって負けちゃいかんだろ。
 もうほんとに今年のアントラーズ戦はつまらない。今年はこの先一試合も観れなくてもいいかなって思ってしまうくらいにつまらない。札幌なんか負けっぱなしで、次節にも降格が決まるって噂なのに、それでもサポーターは応援をやめないんだから、ある意味すごいよなと思う。俺にはとても真似できそうにない。
 ……って、書く気力がないと言っていた割には、なんだか長くなってしまった。
(Sep 22, 2012)

ガンバ大阪2-2鹿島アントラーズ

J1・第27節/2012年9月29日(土)/万博記念競技場/スカパー!e2

 スパカーの無料放送デーだったもんで運よく観れた、ガンバ大阪との一戦。シーズン終盤にこの2チームが12位と16位で対戦するってのも困ったもんだと思う。
 この日の試合、中盤の構成力が高いガンバが相手だということで、ジョルジーニョはフォーメーションをいじってきた。いつもの4-4-2ではなく、大迫をワントップに据えた4-2-3-1を選択。GKソガ、DF西、岩政、青木、新井場はいつも通りで、オガサと本田拓也のダブル・ボランチ、柴崎をレナト、ドゥトラと並べて、大迫のワントップという布陣。ジョルジが本田を気に入ったので、オガサ、柴崎との共存方法を探っているのかなと思った。
 で、前半はこの形がはまって、まあまあの出来だった。トップ下に入ったレナトのゴールで先制すると、一度はレアンドロのボレーシュートで同点に追いつかれたものの、そのあとまたもやレナトのミドルシュートから、その跳ね返りをドゥトラが豪快に蹴り込んで勝ち越し。全体としてのパフォーマンスは相変わらず低調だし、相手のパスワークに押し込まれる時間帯もあったけれど、前半で2-1とリードして終わったのだから、結果オーライ。ワントップの大迫もポストプレーで存分に存在感を発揮していた。
 後半はスコアレスのまま時間が経過(途中でドゥトラ→遠藤の交替あり)。残り時間も15分を切るってあたりで、本田とレナトに替え、本山と昌子を入れた(昌子がCBに入り、青木がボランチ)とこから先は、本山を中心にリズムよくボールが回るようになって、得点こそなかったけれど、安心して観ていられる内容だった。これで勝ち点3はもらったろう、ガンバはますます苦しそうだなぁ……と思っていたら、最後の最後に落とし穴。
 アディショナル・タイムのワンプレーで、加地からのクロスが、すすっとファーに開いてマークをはずしたレアンドロにフリーで渡ってしまった。レアンドロがこれを豪快に決めて万事休す。土壇場でドローに持ち込まれ、勝ち点2を逃すことになった。
 それにしてもレアンドロ、途中加入してからの8試合ですでに11得点で、得点王ランキング3位タイだって。凄まじいな、おいおい。この人がいれば、ガンバは降格圏内から抜けるの、時間の問題なんじゃないだろうか。
 それに対して、こちらの成績はこれで9勝7分11敗と黒星が2つも先行している。降格圏内にいるガンバとの勝ち点の差はわずか5。残り7試合に仙台、名古屋、柏といった難敵を控えているのを考えると、あまり安心できる差じゃない。あぁ、まいったな。まさかマジで降格争いの一角を担うとは思ってもみなかった。
(Sep 30, 2012)