2009年2月のサッカー

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  1. 02/04 ○ 日本5-1フィンランド
  2. 02/11 △ 日本0-0オーストラリア (W杯・最終予選)
  3. 02/28 ○ 鹿島3-0G大阪 (ゼロックス杯)

日本5-1フィンランド

2009年2月4日/国立競技場/TBS

 先週のアウェイのバーレーン戦は放送がなかった。時差の関係上、深夜放送になって高視聴率が望めないところへきて、バーレーンから放送権を買い取った代理店がべらぼうな金額をふっかけてきたとかで、日本のテレビ局がこぞって放送を見送ってしまったらしい。
 まあ、もとより代表人気が{かげ}ってきている昨今だ。あこぎな代理店の言いなりになるのも足元を見られているようで気分が悪いから、それも仕方なかろう――そもそも深夜放送をリアルタイムで観るよりも翌日に録画で観たほうが楽だし――とか思ったら大まちがい。なんと生放送がないどころか、録画放送さえなかった。さらには翌日のニュース番組でさえ映像なしだというのだから、ひどい話もあったものだ。
 インターネットではリアルタイム配信があったものの、経験則からしてそういうやつはトラブルがつきものだと思って見送ってしまったし──案の定、まともに観られなかった人がたくさんいたらしい――、結局、先週の試合はこの11年間で初めて観られないで終わった代表戦となった。もしかしたら今後どこぞで録画放送があるかもしれないけれど、0-1とノーゴールで負けた試合をいまさら録画で観ろって言われてもなあ……。試合内容は最低だったというし、ちょっと考えてしまう(でも、きっと観るんだろうけれど)。
 ま、そういうわけで今回の試合は、先週の試合をひとつ飛ばして観ることになった、フィンランドとの親善試合。会場は国立競技場。
 なんでもこの試合、やたらとチケットが売れ残っているというので、こういう機会に日本代表を生で観ておくべきかとも思ったのだけれど、やはりこの寒い時期にわざわざ親善試合に足を運ぶ気にはなれなかった。入場者数は3万5千人だとか。けっこう入ったけれど、それでも満員にはほど遠い。やはりこんな時期の試合は、それなりの好カードか、よほどのサッカー好きじゃないと観にゆかないだろう。Jリーグでは秋春制への移行を検討しているというけれど、いともたやすく寒さに負ける根性なしな僕としては、この時期にふつうに試合がある秋春制の実施は、やはり日本ではまだ無理がある気がしてしまう。
 なんだか前振りが長くなってしまったけれど、さて、本題はここから。
 この日のスタメンは、都築、内田、中澤、闘莉王、長友、橋本、遠藤、憲剛、香川、岡崎、玉田という顔ぶれだった。途中出場は高木和道、駒野、今野、安田、巻の5人。
 スタメンで先週のバーレーン戦から入れ替わったのは、都築、闘莉王、橋本、遠藤、香川の5人。楢崎につづいて川口までけがをしたということで、バーレーン戦では川島がGKだったけれど、2試合連続でセットプレーから失点していたりして、どうにも安定感を欠く印象のせいか、今回はスタメンを外された。けがで合流が遅れた闘莉王と遠藤は、この試合が本年初出場。あと前回は稲本、本田、田中達也の3人がいた。海外組のふたりはヨーロッパに近いアウェイ戦ということで前回のみの起用。達也は腰痛だとかで、今回は香川にスタメンをゆずった。
 試合のほうは5-1と快勝(フィンランド弱すぎ)。岡崎2ゴールで、香川、中澤、安田が1ゴールずつ。たくさんゴールが決まって、寒いなか集まったサポーターにはいい結果だった。
 しかし、こうしてみると5点のうち、じつに4点が北京五輪組の得点だ。中澤のヘディングをアシストしたのもウッチーだし(彼は岡崎の1点目もアシストしている)、つまりすべての得点に五輪代表世代が絡んでいることになる。こうやって結果が出ているのだから、若手を積極的に登用する岡田さんの方針は成功しているとみるべきなんだろう。
 ただ、それではいまの日本代表が世代交代をへて順調に進歩しているのかというと、どうにもそんな印象は受けない。たとえこの試合で岡崎が2得点を決めているにせよ――しかもどちらもとてもいいゴールだったというのに――、来年、南アフリカで彼が日本代表のスタメンに名を連ねているイメージは、僕にはとんと抱けない。香川にしてもしかり。それなりに活躍していることは認めるけれど、まだまだ彼らに日本代表を任せても大丈夫というほどの信頼感はない。逆にこういう楽な試合で活躍すればするほど、いざというときに本当に役に立ってくれるのかと、半信半疑になってしまうようなところがある。
 ということで、そんな彼らの活躍で勝ったせいか、快勝したわりには、なんとなく盛りあがりに欠けた気分の今宵だった。まあ、アントラーズ・ファンとしての興梠びいきのせいで、単に同世代の彼らの活躍をやっかんでいるだけかもしれない。
 そうそう、この試合でフィンランドの指揮をとっていたのは、かつて神戸で監督を務めていたバクスターさんだった。さらにスタンドには、来週対戦するオーストラリアの現監督で、かつては京都を率いていたピム氏が視察に訪れていた。どちらもよくは知らないけれど、顔には見覚えがある。元Jリーグ監督と代表戦で再会するというのも、これまた一興。
(Feb 04, 2009)

日本0-0オーストラリア

ワールドカップ・最終予選/2009年2月11日(水)/横浜国際総合競技場/テレビ朝日

 駄目。ぜんぜんおもしろくない。宿敵オーストラリア相手にホームでスコアレス・ドローなんて試合では、まったく盛りあがれない。あっちにしてみれば、現在日本に2ポイント差をつけてグループ首位にいるのだから、この試合は引き分けで十分なわけだ。そんな相手の鼻をあかしてやるチャンスをみすみす逃してしまったと思うと、やはりむなしい。
 目標はW杯への出場なのだから、別にここでの勝ち点1は悪くないという意見もある。それはそれでまちがっちゃいないんだろう。
 しかし、誰がなんと言おうと、しょせんサッカーはエンターテイメントだ。おもしろくないものはおもしろくない。ライバルに一矢を報いることもできずに終わってしまうような試合内容では文句のひとつも言いたくなる。相手がほかの国ならばいざ知らず、前回のW杯以来、オーストラリアは僕にとってある種のトラウマになってしまっているので、その相手とホームで引き分けという結果では、とてもじゃないけれど満足できないのだった。
 そもそもこのところの「オーストラリアは欧州リーグに所属する選手ばかりだから強くて当然」というマスコミの風潮も気に入らない。
 そりゃマンUやバルサのようなクラブの主力級がわんさといるならば、強いだろうさ。でもオーストラリアはそうじゃない。多くの選手がヨーロッパでプレーしているといっても、チャンピオンズ・リーグ級の選手はほとんどいない。中堅チームのレギュラー・クラスが相手ならば、Jリーグのトップ・クラスで十分太刀打ちできる──と僕は思う。というか、できてもらわないと困る。その程度ならば普通に戦えるくらいにならないと、もっと上は狙えない。さもなくばW杯でベスト4に入ったり、クラブW杯で欧州チャンピオンにひと泡ふかせるなんて、夢のまた夢だ。
 ということで、僕はオーストラリアとの引き分けという結果を素直に受け入れる気分には、どうしてもなれないのだった。
 この試合では岡田さんのベンチワークにも不満をおぼえた。
 スタメンは都築、内田、中澤、闘莉王、長友、遠藤、長谷部、俊輔、松井、田中達也、玉田の11人。交替は松井→大久保、達也→岡崎の2人だけ。
 個人的に一番残念だったのは、岡崎がスタメンに選ばれなかったことだった。僕は彼のことを特別評価しているわけではないけれど、少なくても前の試合で2得点──今年に入ってからは3試合で3得点──しているわけだし、そんな彼がこの大一番でどれだけ力を発揮できるものか、見てみたいという思いはあった。
 ところがそんな岡崎の出番はラスト10分たらず。いいかげん中盤もばててくる時間帯だけに、いいパスが出てこないから、前の試合で見せたようなディフェンス・ラインの裏をとるような動きはいっさい見られなかった。彼が最初から出ていたら、オーストラリア相手にどれくらいできたのか、どんなプレーをしてみせたのか、ぜひ見てみたかった。そういう若手のチャレンジが見られれば、印象もいくらかよくなっていただろうに……。
 それでもまあ、岡崎のベンチ・スタートは理解はできなくもない。玉田と達也って選択肢が悪いと思ったわけではないし。
 けれど稲本がベンチ入りしていなかったのは、思いきり疑問だった。わざわざ海外から呼び寄せた稲本をベンチから外しておいて、代わりに橋本と今野のボランチ二人を入れるってのは、ちょっとひどくないだろうか。スタメンはともかく、ベンチに入れる気さえないならば、最初から呼ばなければいいのに……。そういういきあたりばったりの招集が選たち手の士気にあたえる影響のほうが僕は心配だ。
 そういえば、この日のサブは川島、寺田、今野、橋本、岡崎、大久保、巻の7人で、中村憲剛も香川もベンチ外だった。選ばれた選手の顔ぶれにはある程度、納得がいくけれど、それでもここ3試合スタメンで出場していた──つまりもっともコンディションがいいだろう──憲剛をあっさりはずしてしまう起用法には、なんとも一貫性のなさを感じてしまう。
 試合内容自体をみれば、相手にはほとんどチャンスらしいチャンスを与えなかったし、反対にこちらはそれなりにチャンスは作れていたので――あいかわらずフィニッシュがきちんと形にならないところへきて、頼みの俊輔と遠藤のセットプレーもいまいち精度を欠いたので、得点のムードはあまりなかったけれど――、けっして悪い試合ではなかった気もする。でも、そうした選手起用にたいする不満とスコアレス・ドローという結果があいまって、なんとも気分のすっきりしない試合になってしまったのだった。とても残念。
 どうにも岡田さんは生真面目すぎて、観客を喜ばせるエンターテイナーとしての資質が足りない気がする。こんな調子では、人気が衰えるのも仕方ないんじゃないだろうか。なによりこの寒いなか集まって、スタンドを埋め尽くした満員のお客さんたち──そのなかには僕の義理の妹夫妻も含まれる──が、ひとつのゴールも見られずに終わってしまったのが気の毒だった。
(Feb 11, 2009)

鹿島アントラーズ3-0ガンバ大阪

富士ゼロックス・スーパーカップ/2009年2月28日(土)/国立競技場/日本テレビ

 さて、Jリーグも来週開幕。史上初の3連覇をめざすアントラーズにとって、前哨戦としてのゼロックス杯の対戦相手がガンバ大阪というのは、願ってもない顔あわせだった。結果が3-0という快勝ならば、なおさら。
 今年のアントラーズの戦力は、高卒スーパールーキー大迫勇也(!)の加入を除くと、ほぼ昨年同様だ。唯一のマイナス材料は、中後がジェフ千葉へ移籍してしまったこと(レンタルとは言っているけれど、深井なんかと同じように、おそらく来期には完全移籍ということになりそうな気がする)。
 ボランチには小笠原と中田浩二がいるので、中後が移籍しても当面はそれほどダメージがないんじゃないかと思っていたけれど、いざ開けてみれば、ふたりとも昨年末に受けた手術のため、どうやら開幕には間にあわないらしい。今年から新設されたアジア枠を利用して、J2水戸からパク・チュホという選手を獲得しているけれど、いきなり22歳の韓国人にボランチのレギュラー・ポジションを任せるわけにもいかない。となると、いきなり駒不足ということになってしまう。
 結果、この試合で青木と組んでボランチを務めることになったのは、なんと本山だった。オリヴェイラ体制になってからは守備意識の高まり著しい本山だけれど、それでも、やはり魅力は攻撃力。そんな彼をボランチで起用してくるとは、オリヴェイラさんも随分と思い切ったことをする。
 まあ、じゃあほかにどういう選択肢があるかというと、ボランチとしてプレーできるのは増田くらい(実際にこの試合では後半早々に本山と交替で出場していた)。増田を使うとなれば、ダニーロか野沢をベンチに下げざるを得ない。それだったらば、ちょっとくらいリスクを冒しても、本山の守備力に期待して、彼をボランチに起用するほうが総合力は上がる――そういう計算なのだろう。
 この起用法の是非はわからない。この日の試合をみる限り、決して無理ではなさそうだけれど、かといって本山がイージーなミスパスでひやりとさせる場面などもあり、問題なしとも思えなかった。いずれにせよ小笠原か浩二が戻ってくるまでの応急処置で、かつて小笠原が攻撃的MFからボランチにコンバートされ、そのままそこが定位置になってしまったようなことは起こらないだろうと思う。少なくても僕個人が本山に期待しているのはもっと攻撃的なプレーなので、逆にボランチに定着してしまうようでは困るのだった。
 さて、そんなわけでこれは今年初のアントラーズの公式戦。
 スタメンはGK曽ケ端、DF内田、岩政、伊野波、新井場、MF青木、本山、野沢、ダニーロ、FWマルキーニョス、興梠。本山のボランチという新鮮味はあるものの、顔ぶれ自体は昨年とほとんど変化がない。リーグ優勝したチーム状態をそのまま翌年に持ち越しているのだから、今年もある程度の成績は計算できそうだ。
 対するガンバは例年どおり、Jでの実績を重視した補強で、チョ・ジェジンとレアンドロというFW2枚を獲得したにもかかわらず、両者とも出遅れて開幕に間にあわず。さらには二川もあいかわらず不在、加地も故障中とのことで、新加入の高木和道を加えた即席の3バックでこの試合に臨んできた。
 ところがこの形が機能しない。序盤から得意のパスワークでこちらを圧倒していたにもかかわらず(この調子でいったらまずいなあという感じだった)、たった一度のセットプレーから、いともたやすく失点を許してしまう。2点目も似たような形だったし、せっかく3バックにして守備を厚くしたのに、前半だけで3失点というのはお粗末。この調子では、今年もガンバはリーグ戦では苦戦必至だろう。
 その点、鹿島は安泰っぽい。1点目は興梠、2点目はマルキーニョスと、ツートップがともに得点。3点目も興梠のアシストだったし(決めたのは野沢)、大迫の加入によりチーム内のポジション争いが熾烈になった効果が如実に表れている気がする。
 注目の大迫くんも公式戦デビューを果たしたものの、出番はわずか4分間だけ。それじゃあ、いいも悪いもあったもんじゃない。
 大迫に関しては、あまりに評判が高いので、僕も高校サッカー選手権の準決勝と決勝はチェックしたのだけれど、正直なところ、それほど強いインパクトは受けなかった。どちらの試合でもしっかり得点を決めているにもかかわらず、だ。
 彼の場合、あまりに普通にゴールを決めているせいか、いまいち凄みを感じない。逆にいえば、特別すごそうに見えないのに、きちんと結果を残してきているあたりが、この子のすごさなのかなという気もする。いわばファンタジスタではなく、リアリスト。それってもしかして、いまの日本にもっとも必要なタイプの選手なのかもしれないという気もする。この先どうなるのか、楽しみな選手にはちがいない。
 そういえば、日本中が大迫の出番がいつかと注目している中、その大型ルーキーよりも田代を先にピッチに送り出したところにも、オリヴェイラさんの指揮官としての手腕の確かさを見た気がした。あれは「お前だって大切な戦力だ」というオリヴェイラさんから田代に対してのメッセージだろう。でも、その田代くんはせっかく出番をもらったのに、見せ場ひとつ作れず終い。本当に彼にもがんばってもらいたいもんだ。
 まあ、なんにしろ、強敵を破ってまずは一冠を獲得。開幕へ向けていい{はず}みがついた。さあ、来週はJ開幕。いきなり相手は浦和レッズだっ。
(Mar 01, 2009)