2004年2月のサッカー

Index

  1. 02/07 ○ 日本4-0マレーシア
  2. 02/08 △ U-23日本1-1U-23イラン
  3. 02/11 △ U-23日本1-1ロシア(A代表)
  4. 02/12 ○ 日本2-0イラク
  5. 02/18 ○ 日本1-0オマーン (W杯・一次予選)
  6. 02/21 ○ U-23日本2-0U-23韓国

日本4-0マレーシア

2004年2月7日(土)/カシマスタジアム/TBS

 ドイツ・ワールドカップの第一次予選を十日後に控えた日本代表の今年の初戦。
 なんでもマレーシアという国はかつて日本にとってはかなりの強敵だったらしく、これまでの対戦成績では負け越しているのだそうだ。ハーフタイムにインタビューを受けた川淵キャプテンがアナウンサーの問いかけに感慨深げな口調で答えていた。そりゃあ今昔{こんじゃく}の感があるだろうなと思う。今のマレーシアはまったく日本の相手ではないのだから。海外組は一人も参加していないとはいえ、実力の差は歴然。とにかく大量得点で勝って当然だし、もし一点でもとられたら大騒ぎという試合だった。
 ジーコの采配も今までとは違っていた。なによりコンビネーションを高めることが大事だからとメンバーを固定して使うのが常だったジーコが、この試合では少しでも多くの選手に実戦感覚を取り戻させるのが目的という選手起用をしてきた。GKは楢崎ではなく土肥、4バックはいつものメンツ。ボランチには遠藤とともに山田卓也(山田が二人いてややこしい)が入った。攻撃陣は小笠原、藤田に加えて、FW登録であるけれど本山が出場。FWは久保一枚。4-4-2というよりは4-5-1、もしくは4-2-3-1というフォーメーションだった。
 得点は前半に小笠原のミドル、同じくオガサのクロスに宮本のヘッド、本山のマイナスのパスを受けた山田暢、後半に遠藤という内訳。宮本の頭以外はみんなミドル気味のシュートであり、攻撃の形うんぬんという内容ではなかった。弱い相手に対して積極的にゴールを狙っていった結果だろう。それなりに得点はあげたものの、正直なところはもうちょっと取らないと仕方ないだろうという相手だった。ただこの日の戦い方では後半一点のみに終わったのも仕方ないかと思う。
 というのもジーコの選手交替が思いっきりふるっていたからだ。なんたって後半十五分が過ぎたところで4バックを総入れ替え(加地、茂庭、中澤、三浦淳)。残り十五分となったところで、前線の久保、藤田、山田卓を引っ込めて黒部、石川直、奥、さらにGKを都築に交替させる。レギュレーションによって前後半二回ずつ好きな人数の交替が認められていたからという話みたいなのだけれど、それにしてもバランスのかたよった突飛な交替だった。特にディフェンスラインをいっぺんに総とっかえするなんて采配はいままでに見たことがない。印象的には、この日の相手じゃどうやったってスタメンの4バックが失点するはずもなさそうなので、いい機会だから全部入れ替えて実戦感覚を取り戻させようという狙いだったんじゃないかとは思うけれど、それにしてもやることが偏向している。やっぱりジーコは迷監督かもしれない。
 選手個々のプレーでは久保があまり攻撃に絡めず、チームに馴染んでいないように見えた。今年は期待が大きいだけにこの日の存在感のなさは気にかかった。あと小笠原、遠藤と並んでのフル出場となった本山。それなりの仕事はしていたけれど、本人がインタビューで言っているようにまだまだだろう。おもしろかったのが試合後のジーコの発言。彼もやっぱり本山の守備力が足りないと思っているらしく、今後もFWとして起用してゆく方針だと話していた。そういう意味では本山が代表で生き残る道は前線のスーパーサブでしかないんだろう。今の彼のプレーではそれも仕方ないかと思う。
 そのほかだと山田卓也と途中出場の両サイド、加地と三浦淳宏の攻撃参加が新鮮に映った。このあたりの選手からは虎視眈々とスタメンを狙っている印象を受けた。段々と競争意識が芽生えてきた感じがする。いいことじゃないだろうか。
 なにはともあれシーズン前ということで、誰も彼も出来はいまひとつという感じだ。第一次予選の緒戦まであと十日。いったいどんな風にその試合を迎えるのか、いまだ形が見えていない状態で、若干の不安を感じさせる内容だった。
(Feb 08, 2004)

U-23日本1-1U-23イラン

2004年2月8日(日)/埼玉スタジアム/テレビ朝日

 昨日のA代表に続いて今日は弟分のオリンピック代表がイランと対戦。ともにアジア地区の国とはいっても、マレーシアとイランじゃ雲泥の差がある。弛緩し切った印象のA代表の試合と比べ、今日のU-23代表の試合のなんて見応えのあったことか。やっぱりサッカーはこうでないといけない。
 この試合の一番の目玉はなんといっても超高校級と騒がれた大型FW、平山相太のスタメン出場だった。僕にとっては初めて見る平山だ。百九十センチを越える十八歳がいったいどんなプレーを見せてくれるのか、興味津々だった。
 そして見てみて納得。月並みだけれどすっかり魅せられてしまった。確かにこの子はすごい。イランの長身DFに何度もヘディングで競り勝つ高さ。ボールを持った時の判断力の良さと球離れの早さ。そして19分の先制ゴールの場面での位置取りの巧みさと落ち着きぶり。一対一の場面での動きの柔らかさも、なんだか怪我をしにくそうで印象的だった──もしかしたらまだ激しいあたりに慣れていないだけなのかもしれないけれど。なんにしろこれらすべてを兼ね備えていていまだ十八歳だというのだから恐れ入る。
 平山は筑波大学への進学が決まっているという。僕はその話を聞いて以来、この子は世間が騒ぐほどの大物には育たないだろうと思っていた。今いかにすごいプレーをしていようとも、しょせん十八歳。伸び盛りのこれからの四年を無駄にしては、いかなる才能があろうともサッカー漬けの毎日を送っているワールドクラスの選手に太刀打ちできるようになるはずがない。環境的なビハインドのある日本人が本気で世界のトップを目指そうと思ったならば、プロとしてプレーを始めるのは十八だって遅過ぎるくらいだ。
 平山のプレーに強い感銘を受けた今でも、大学へゆくという彼の選択は「僕は世界のトップを目指すつもりはありません」という宣言に思える。そんなつもりでいるのならば、結局彼もそんじょそこらの選手で終わってしまうだろう。Jリーグは本当にこの子を大学に進学させるつもりなのか? 日本の将来のためには首に縄をつけてもプロにしなきゃいけないんじゃないだろうか。僕は彼のプレーを見ながら、そんないらぬ心配をしていた。
 いまさら進学の意志は翻らないのならば、いっそ五輪代表のスタメンは平山に固定してしまうのはどうだろう。そしてアテネ五輪に出てものすごいプレーを披露してもらって、世界をあっといわせよう。日本にHIRAYAMAというとんでもないFWがいると世界中に知らしめよう。そうなればきっと大会後にはセリエAやプレミア・リーグからオファーが舞い込み、いきなり海外デビューという可能性だって出てくる。
 僕は彼がそこまで考えて、移籍金がかからない大学生になることを選んだ、というくらいであって欲しいと思ってしまう。あれだけのプレーが出来る選手が、大学へ行って無駄な時間を過ごした挙句、ありきたりの選手で終わってしまうのなんて見たくない。
 この試合にはさまざまな見所があった。イラクは強く、ゲームは親善試合とは思えないほど内容が濃かった。去年日本に帰化した田中マルクス闘莉王も代表初出場を果たし、大いにリーダーシップを発揮していた。先制点につながった田中達也が出したクロスには、それだけで0.8点分くらいの価値があった。ワールドユースで活躍した今野、徳永、菊地、坂田など、フレッシュな戦力の台頭もあった。その一方で松井大輔が最後までベンチを暖めていたのには、驚いたのとともに失望した(代わりにトップ下に入っていた山瀬はよかった)。最終予選まで一月を切ったこの時点でまだ最終ラインのメンバーを総入れ替えしている山本監督に対して疑問も感じた。同点ゴールを許したイランのFKの場面では壁の作り方が悪かったのではないかと思った。
 けれどそれらの話題をすべてそっちのけにしたくなるほど、今日の平山のプレーは魅力的だった。願わくばこれから先、彼がその持てる才能を十二分に伸ばして、日本代表のFWとして不動の地位を確立するほどに成長してくれますように。
(Feb 08, 2004)

U-23日本1-1ロシア(A代表)

2004年2月11日(水)/静岡スタジアム・エコパ/テレビ朝日

 ふたたび五輪代表。中二日ということで前線の選手を大幅に入れ替えて望んだロシアA代表との変則マッチ。期待された平山の二試合連続スタメンはなかった。
 前の試合では出番のなかった松井がフル出場して、相変わらずトリッキーなボールさばきを見せてくれていた。ディフェンスにも意欲が感じられたし、悪くなかったと思う。山瀬とのポジション争いはどちらも甲乙つけがたいんじゃないだろうか。なんだかちょっと贅沢な悩みという気もする。
 この試合の主役は田中マルクス闘莉王だろう。前の試合で初めて見た時には随分と声の出る選手だなと感心した。おとなし過ぎると言われ続けてきたこのチームには貴重な戦力に違いない。ただそれだけではなく、すごく攻撃参加が好きみたいで、ことあるごとに攻め上がる。今日はついにその積極性を得点に結びつけてしまった。
 前半30分くらいだったろうか、ピッチの中央でボールを得た場面で、前が空いていると見るや自らドリブルで攻め上がり、ペナルティエリア手前でフリーのチャンスを作ってしまう。慌てて止めに入ったロシアDFに倒されたものの、しぶとくボールをキープして味方につなぎ、そこから高松の先制ゴールが生まれることになった。それまではあまりに好き勝手に上がり過ぎじゃないかと思っていたけれど、あそこまでやられてしまうと文句がつけられない。平山と並んで高さもあるし、日本代表に新しい戦力が加わったことを素直に喜びたい。
 この闘莉王の加入によりセンターバックのポジションを追われたアントラーズの青木が、今後このチームで生き残っていけるのかにも注目している。今日は後半途中から本職のボランチとして出番をもらっていたけれど、このポジションには阿部勇樹、鈴木啓太、森崎兄、今野と強力なライバルがひしめきあっている。センターバックとボランチの両方をこなせるというメリットがあるので代表には残れるかもしれないけれど、スタメンを確保するのは至難の業だろう。がんばって生き残っていってもらいたい。
 注目の平山は最後の20分だけピッチに立ち、ちゃんと枠を捕らえたシュートを一本打って見せてくれた。あまりボールタッチは多くなかったものの、なんたって相手はA代表。ヨーロッパリーグ在籍選手が欠けていてベスト・メンバーと言えないチームであるにしろ、その中でちゃんとシュートを打って見せただけでも、最低限の期待には応えてくれたことになると思う。高松のゴールの場面以外はシュートらしいシュートのない試合だっただけに、やはりこの子は特別だということを印象づけるプレーだった。
 チームとしてはロシアA代表と引き分けたのだから上出来だ。あいかわらずバックパスとパスミスが多いのが気になるけれど。
(Feb 11, 2004)

日本2-0イラク

2004年2月12日(木)/国立競技場/テレビ朝日

 マレーシア戦のスタメンを下敷きに、GKを楢崎に代え、FWには帰国したばかりの柳沢を加えて臨んだ一戦。ワールドカップ・アジア地区一次予選開始前の親善試合はこれが最後だというのに、しっかしこれがまあ、ぱっとしない内容だった。とにかくミスが多過ぎる。攻撃に積極性がなさ過ぎる。見ていてイライラして仕方なかった。
 特に坪井は最終ラインにあるまじきことか、三度も致命的なミスをする始末。うち二度は相手にGKと一対一のチャンスをプレゼントするものだった。どちらも楢崎がセーブしてくれたから良かったものの、あれをW杯予選でやられたらたまったもんじゃない。いったい彼はどうしてしまったんだろうか。プレーヤー間の連係をなによりも重視するジーコのことだから彼はこのままスタメンのままなのだろうけれど、僕は今の状態だったらば、坪井よりは中澤を使って欲しいと思う。
 とにかく4バックは両サイドの攻め上がりが中途半端だ。山田もアレックスも縦への動きが少なすぎる。二人ともボールを持つと内側へ絞ってしまう動きばかりで、大いに不満。センターバックはミス連発、サイドバックは縦に上がる動きが皆無じゃ4バックの意味がない。やはり今の日本は3バックの方がいいんじゃないだろうか。
 あ、でも今日はアレックスが2点両方に絡んでいるんだった。けなしてばっかりじゃいけない。1点目はゴールラインぎりぎりからのマイナスのクロスで柳沢をアシストした。2点目の久保とのワンツーからのシュートも見事だった。彼が得点に絡むというのは、とりあえず4バックが意味を持っていると見るべきなのかもしれない。
 今日の試合で一番よかったのは楢崎だろう。彼がゴールを守っていると安心できる。あと思いのほかよかったのが後半早々に先制ゴールを決めた柳沢。せっかくの先発のチャンスを奪われた大久保には可哀想だと思うけれど、だてにイタリアに行っているんじゃないという動きを見せてくれていたと思う。久保もこの前の試合よりは動けていた印象だった。
 後半の途中からは今日帰国したばかりの俊輔のプレーも見られた。ただ、2点目の基点になったりはしていたけれど、全体的には可もなく不可もなくといった感じだった。
 イラクの選手たちは国があんな状態なのに(もしくはあんな状態だからこそ)すごく気持ちの入ったプレーを見せていた。終始積極的なプレスをかけてくるので、なかなか手強かった。ちょっとばかりラフなプレーが多くて怪我をさせられやしないかと冷や冷やした部分もあったけれど。
 うーん、しかしこれで来週はオマーンをホームに迎えてのW杯一次予選の第一試合だ。あまりチームの仕上がりがよくないようで心配だ。でもまあ今の日本だったらば、これくらいの状態でも勝ち抜けるんだろうという気はするけれど。
(Feb 12, 2004)

日本1-0オマーン

W杯アジア一次予選/2004年2月18日(水)/埼玉スタジアム/BS1

 あまりの出来の悪さに嘆きに嘆いた90分。ホームでスコアレス・ドロー、勝ち点1という結果に甘んじるのかとほぼ諦めた後半のロスタイムに。久保~~ぉぉぉ。
 こんなにひとつのゴールが嬉しかったのはひさしぶりだ。やっぱりW杯のかかった真剣勝負は違う。いや~、しびれた。内容は本当に悪かったけれど、とにかく今回は結果オーライ。日本代表は無事、W杯アジア第一予選の初戦を白星で飾り、勝ち点3をゲットした。
 記念すべきドイツ・ワールドカップへの第一歩となる試合でスタメンを務めたのは、やはり海外組を中心としたメンバーだった。GK楢崎、4バックはいつもの四人、中盤が遠藤、稲本、中田、中村、2トップが高原と柳沢。でもなあ。このメンツではほとんどいいところがなかった。
 まあオマーンがかなりやってくれちゃったというのはある。数日前に韓国との練習試合に0-5で負けた、平均年齢が二十歳ちょっとの若いチームとは思えなかった。べったりとマンマークについて日本の攻撃を見事に封じていた。カウンター攻撃にも、とにかくゴールを目指すんだという勢いがあって、日本の攻撃よりもよほど恐く感じられた。
 一方の日本はあまりにマークが厳しいためにボールの出しどころが見つけられず、ディフェンスラインでボールを回してばかり。挙句の果てにはロングボールを放り込んで相手に取られてしまう。もっとマークをはずす動きができないものかとか、もっと自分でボールを持ち込もうとか思うやつはいないのかと、見ていてじれったくて仕方なかった。
 特に山田。攻撃参加はほとんどしないし、ボールを持つとバックパスばかりだし、なんのために出てきているんだかわからない。前日の練習には38度の熱を出して参加してたという話だからまだ体調が十分じゃないのかもしれないけれど、だとするならば出さないで欲しかった。あんな出来の山田を使うなんて、ジーコのマネージメント能力に問題がある証拠だろう。まったく困ったものだ。
 さすがの中田も、試合の二日前に帰国するという強行日程はきつかったのか、今日はいつもの精彩を欠いた。映像の問題かもしれないけれど、顔色も変だったし、前半は全然ボールに触れていなかった。ロング・ボールが多くなってしまったのは、チーム・リーダーが今ひとつだったせいもあったかもしれない。
 後半、遠藤に代わって小笠原が高めの位置に入り、中田が下がり目でプレーをするようになって、ようやく日本もなんとかボールが回せるようになった印象だった。稲本もそのころになってようやく存在感が出てきたし。俊輔は前半なかばにPKを止められたのが響いたのか、試合の終盤になるまでゲームに参加していないみたいだったけれど。
 それはそうと、後半初めからヤナギに代えて久保を投入したことといい、遠藤を小笠原に代えたことといい、今日のジーコの選手交替は結構有効だった。いつもはほとんど動かない人だけに、秘蔵っ子のヤナギにさっさと見切りとつけたあたりには好感が持てた。結局最後は交替で入った二人が絡んだプレーが幸運を呼び込んだわけだし。キープ力のある隆行の投入も高い位置でボールを保つ上でとりあえずありだろう。ということで海外組に固執した先発メンバーの人選はどうかと思ったけれど、その後の選手交替はある程度納得がいった。ま、まだまだだという印象ではありますが。
 本当に俊輔がPKを止められた時は、こりゃ今日の試合はまずいんじゃないかと思ったものだったけれど、終わってみればあそこで止められたからこそ、最後の久保の劇的な決勝ゴールの感動があったわけだから、結果オーライとしよう。本当に久保のゴールには感動した。これだからサッカーを見るのはやめられない。
 やはり今の状態ならば日本代表のエース・ストライカーは久保だろう。前のニ試合の出来が今いちだったから今日の途中出場は仕方ない。次はぜひともスタメンでお願いしたい。
 ああ、それにしても本当に疲れる試合だった。
(Feb 18, 2004)

U-23日本2-0U-23韓国

2004年2月21日(土)/長居スタジアム/TBS

 平山、闘莉王、ワールドユース組の加入により、ここへ来てなんだかとてもいいムードの五輪代表。最終予選前の最後の親善試合だったこの日韓戦でも、宿敵・韓国相手に見事な戦いぶりを見せてくれた。チームの過半数がA代表と兼任だという韓国にまったくひけをとらなかったのが大きい。こちらのホーム・ゲームではあるし、韓国はA代表との兼ね合いでチームとしての練習が十分じゃなかったみたいだけれど、そうしたことを差し引いても文句のつけようのない試合だった。どの世代であれ、いつでも均衡した内容になるのがこれまでの日韓戦だった。これだけ充実したゲーム内容で韓国に勝ったのを見たのは初めてじゃないかという気がする。
 日本に勝利を呼び込んだのは、この日もスタメンを山瀬に奪われた松井大輔だった。彼はここへきて所属チームのJ2降格と、この代表チームでの司令塔争いに刺激されたのか、すごく戦う姿勢が出てきたような気がする。とても喜ばしいことだと思う。もとより異常なほどにテクニックはあるのだから──この日の先制点につながったヒールパスなんて、あいかわらず笑っちゃうほど見事だ──、そこに闘争心が加われば先が楽しみなことこの上ない。
 平山と闘莉王の加入により、五輪代表は一気にフル代表を凌ぐほど魅力的なチームになった。今のこのチームには魅力的なツートップとサイドアタッカーとディフェンダーがちゃんといる。あと足りないのはトップ下でゲームメイクをする選手だ。松井なり山瀬なりが上の世代の優れたMFたちにひけをとらないプレーを見せてくれるようになれば、今までで最強の五輪代表になるのはまず間違いない。だからこそ松井にはぜひとも頑張ってレギュラーの座を獲得してもらいたいと思う。山瀬には申し訳ないけれど、僕はもっともっと松井のものすごいプレーが見たくて仕方ない。
 もっともまだまだ課題は多いだろう。この日の試合でも後半だけの出場にもかかわらず、かなり消えている時間があった。そんなことじゃいけない。まずは運動量を増やして、守備の意識を高め、もっとコンスタントにチームに貢献できる選手になることだろう。彼がきちんと成長を遂げた日には、日本代表の中盤の贅沢さが、さぞやジーコを悩ますことになるに違いない。ぜひとも嬉しい悲鳴をあげさせてもらいたい。
(Feb 22, 2004)