2014 FIFAワールドカップ Brazil (4)

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Index of Round of 16

  1. ブラジル1-1チリ(PK3-2)
  2. オランダ2-1メキシコ
  3. ドイツ2-1アルジェリア
  4. ベルギー2-1アメリカ

ブラジル1-1(PK3-2)チリ

決勝トーナメント/2014年6月28日(土)/ベロオリゾンテ/TBS

 このW杯期間中は体力に自信がないこともあって、アルコールは極力控えて暮らしているのだけれど、この日は用があって実家へ出向いて、たらふくビールをごちそうになってしまったので、一度仮眠して起き出してみたはいいけれど、眠いこと、眠いこと。なんとか目を開けているのが精一杯って状態で、ほとんどまともに観れませんでした、決勝トーナメント一回戦のブラジル-チリ戦。
 試合はブラジルがCKからダビド・ルイスのゴールで先制するも、ミスからボールを奪われてチリのサンチェスにゴールを許して、前半を同点のまま終了。
 後半にはフッキが見事なゴールを決めるシーンがあったのだけれど、胸トラップをハンドと判定される無念の判定でゴールならず(しかもイエローカードのおまけつき)。リプレイで見るかぎり、ハンドには見えなかったので、これは可哀想だった。フッキ、この日はとてもアグレッシブでいいプレーをしていたので、なおさら残念。
 まぁ、ブラジルはフッキこそよかったものの、オスカルが存在感がなさすぎた。さしものブラジルといえど、攻撃の中心選手が一枚消えている状態では、そうそう得点はできないものらしい。フレッジと交替で途中出場したジョーもめちゃくちゃ決定力ないし。もしやブラジル、選手層薄い? フェリペ・スコラーリも楽じゃなさそうだ。
 なにはともあれ、試合はそのまま延長戦でも動かず、決着はPK戦へ。いやぁ、とにかく眠かったので、この延長&PK戦はきつかった。そういや、延長戦のロスタイムには、チリのシュートがゴールバーをたたくなんてシーンもあったりして、あれが決まっていたら大変なことに……。
 PK戦ではブラジルのGKジュリオ・セザール(なぜかテレビやネットでの表記は「セーザル」となっているのに、実況では普通に「セザール」と呼ばれていた)が大あたり。チリの1、2本目を見事に止めてみせる。
 でも、ブラジルも2、3本目を蹴った途中出場のウィリアムとフッキが止められちゃったりして(フッキ、踏んだり蹴ったり)。よもやベスト16でブラジルが消える?――なんて事態もありうるかと思ったら、最後はチリの5人目がPKをはずして決着。ブラジルが苦しみながらベスト8入りを果たした。
 この日のもう一試合、コロンビア-ウルグアイ戦は、日本戦でも活躍したハメス・ロドリゲスの2ゴールでコロンビアが快勝。ウルグアイは、やはりイタリア戦での噛みつき事件で出場停止処分を食らったスアレスの不在が痛かったんでしょう(スアレス、なんやってんだか)。フォルランはこの試合を含め、スアレス不在の2試合に出場して、どちらも黒星という残念な結果に終わったらしい。お疲れさまでした。
 ということで、準々決勝の対戦カードひとつめはブラジル-コロンビアに決まった。ネイマールとハメスの若手ホープ対決はとても楽しみだけれど、ブラジルは手の内の知れた南米勢との対戦がつづいて、ちょっときつそう。この日みたいな試合をしていたら、足もとをすくわれそうな気がする。
(Jun 29, 2014)

オランダ2-1メキシコ

決勝トーナメント/2014年6月29日(日)/フォルタレザ/NHK

 グループリーグの得点王オランダと今大会は守備力抜群のメキシコの一戦。
 さすがに日本代表が出場しないグループC絡みの激渋カード(コスタリカ-ギリシャ)は観る気になれないので、よりネームバリューの高い午前1時からの試合を、この日もがんばって観た。
 でも今大会のメキシコは前半が地味~。やはりこの試合もこれまでの試合と同じく、前半はスコアレスで終わる。
 こりゃメキシコ・ペースなんじゃないだろうかと思っていると、まさにって展開で。後半の早い時間にドス・サントスのミドル・シュートがメキシコ先制する。
 そのまま時間はずるずると過ぎていき、残り時間もあとわずか、あぁ、オランダもここで敗退か……と思っていたら、そんな時間帯になって、ここまでほとんどいいところのなかったスナイデルがどーんと豪快なミドル一発で、試合を残して振り出しに戻してしまう。
 あぁ、なんて素敵なゴールを……。早く終わってほしかったのに(この時点ですでに午前3時)、連日の延長戦はつれぇ……とか思っていた、僕ら夜更かし族の声がレフェリーに届いたのか、そのあとのロスタイムにロッベンが取らずもがなってPKを獲得(今大会は微妙なPKが多い)。これをファン・ペルシーと交替で後半途中から出ていたフンテラールという人が決めて、オランダが最後の最後での逆転勝ちを収めた。
 僕より年下のとっちゃん坊やっぽいメキシコの熱血監督、ミゲル・エレーラがいい味だしてたので、できればメキシコにも勝ちあがらせてあげたかったのだけれど、まぁ、相手がオランダじゃ仕方ない。とりあえず僕にとっては延長を避けられたのがなによりだったって一戦だった。なんのために観ているか、ほんとうによくわからない。
 もう一試合ではギリシャが退場者の出たコスタリカを攻めきれず、PK戦で敗れている。なんだかなぁ……。
(Jun 30, 2014)

ドイツ2-1(延長2-1)アルジェリア

決勝トーナメント/2014年6月30日(月)/ポルト・アレグレ/NHK

 グループリーグで韓国をけちょんけちょんにしたアルジェリアが、優勝候補のドイツ相手にどれだけ戦えるのか注目だったこの試合。
 あけてみれば、ドイツが終始試合を支配する展開は予想通りながら、アルジェリアがたまに繰り出すカウンターの鋭さが迫力満点で、試合はそれほど一方的な印象でもない。もしかしたら、このままいけば、蜂の一刺し的ワン・ゴールでアルジェリアの勝ちもあるんじゃないかって展開のまま、この試合も結局延長戦へ。
 でも、延長に入ったとたん、わずか2分でドイツに先制点が入る(決めたのはゲッツェにかわって途中出場していたシュルレ)。そんなに簡単に決まるならば、90分間でどうにかしてよ~と思ってしまった。
 5時からの試合が延長戦に突入すると、試合終了が7時半を過ぎてしまうから、平日は出勤の支度もあって、あわただしくていけない。PK戦まで長引くと、最後まで見られない可能性もあるし。願わくば強豪国のみなさんは、きっちり90分で勝負をつけてい欲しい。まぁ、誰だって望んで延長戦は戦わないと思うけれど。
 なんにせよ、シュート数ではドイツ29に対して、アルジェリは11っていうのだから、どれだけ一方的な試合だったかよくわかる(ドイツの枠内22というのがまたすごい)。これだけ打って、なぜ90分で1点が入らないのかが不思議なくらい。
 試合はこのあと、試合終了間際にエジルが追加点をあげて、結局はドイツの完勝――かと思わせておいて、その直後にアルジェリアが1点返し、よもや同点もあるかというスリリングな結末となった。アルジェリア、最後までがんばった。あっぱれ。
 これで準々決勝はドイツとフランスの対戦に決まり。準々決勝は週末だし、その日は1時からのブラジル戦と5時からのその試合、両方見ないと気がすまないって気分になってきた。でも金曜の深夜だから、起きていられる自信がねぇ。
(Jul 01, 2014)

ベルギー2-1(延長2-1)アメリカ

決勝トーナメント/2014年7月1日(月)/サルバトール/テレビ朝日

 グループリーグで全勝した国が4つある。オランダ、コロンビア、アルゼンチン、そしてこの試合の勝者ベルギー。
 このうち、僕はベルギーだけはグループリーグで一度も観なかった。決勝トーナメントに進出した16ヵ国でいうと、ナイジェリアとスイスも観ていない。そのほかではカメルーン、オーストラリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ガーナ、ロシアを観なかった。要するに32ヵ国中8ヵ国は一度も観ないうちに姿を消してしまったのだった。
 まぁ、それでもあとの24ヵ国はなんだかんだいいつつ観ているんだから、開幕前にまったく盛り上がっていなかったことを考えると、個人的にはよく観てきたよなと思う。どうりで疲れてるはずだよとも思う。
 ベルギーにあまり興味がなかったのは、去年日本と親善試合で戦ったときに、それほど強いって感じがしなかったからなのだけれど、いや、この試合で観たら、やたらと強かった。なんでこんな国に日本が勝てたんでしょう? 親善試合ってあてにならねぇなぁ。
 力の差のある両国の戦いという意味では、この試合は昨日のドイツ-アルジェリア戦にとても似ていた。ベルギーの猛攻をアメリカが耐え忍んで、なんとか延長戦まで持ち込んでみたけれど、延長に入ったとたんに均衡がくずれちゃうという。それも先制ゴールが延長前半2分ってところまで、昨日の試合と一緒。だからそんなことならば、90分で決めましょうって。
 その後の展開も似た感じで、最終スコアも一緒。ただ、この試合ではベルギーが延長前半だけで2-0としたところと、アメリカの反撃の1点が延長後半の早い時間に決まったことが違った。前半で決まったかと思ったベルギーの勝利が、後半のアメリカのゴールで怪しくなって、その後にまだ10分以上残っていたという。
 ここからのアメリカの執念がすさまじかった。それまでうまく攻められなかったのが嘘のような猛攻をみせる。いやぁ、延長戦30分の濃かったこと、濃かったこと。こんな風にどの試合も延長戦ばかりが充実していると、いっそ延長戦なんて廃止しちゃったほうが90分の内容が濃くなるのではないかと思ってしまう。
 まぁ、ということで、最後に大いに盛り上がったこの試合だったけれど、最終的なデータをみれば、シュート数はベルギーが38対14(うち枠内は27-9)と、昨日のドイツのさらに上をいっている。アメリカのシュートは延長戦がなければ、おそらく1桁台だったんじゃないかと思う。とにかく、なんだそりゃってくらいにベルギーが攻めまくっていた試合だった。
 ただ、おもしろかったのは、それでいてボールキープ率はほぼ互角どころか、最終的にはアメリカが52%で上回っていたこと。
 昨日のドイツはボール保持率も高かったから圧倒的な試合内容も納得だったけれど、この試合ではボールを持っている時間は両者ほぼ互角なのに、シュート数にこれだけ開きが出ってるという。そういや、コロンビア戦の日本だって、ボール保持率では相手を上回っていたのに、スコア上は惨敗を喫したんだった。あぁ、サッカーの七不思議。
 前大会のスペインを観たときに、「パス・サッカーってずいぶん効率が悪いんだな」と思ったものだけれど、今大会はそのスペインの敗退とともに、ショート・パス中心のポゼッション・サッカーには限界があることを証明した大会ってことになりそうな気がする。
 なんにしろ、ボールを持つとかなりの確率でシュートで終わっていたベルギーと、ボールを持てどもシュートまで持ち込めないアメリカ。その違いが最終的な結果にはっきりと出た一戦だった。そんなだから前日のアルジェリアとは違って、観ていてアメリカに勝ち目があるとは思えなかったんだけれどな。少なくても延長戦に入るまでは。延長戦のアメリカは感動的でした。最初からそういうサッカーができてればねぇ……。
 そういや、ベルギーの監督のヴィルモッツって、どこかで聞いた名前だと思ったら、日韓W杯の日本戦で先制ゴール決めた人でしたか、なるほど。ずいぶんと恰幅がよくなっちゃってまぁ。
 対するアメリカの監督は2大会前にドイツを率いていたクリンスマン(こちらはスリム)。どちらも僕と同じ40代。だんだん自分と同世代や年下の監督が多くなってきてしまって、ちょっとだけ複雑な心境だったりする。俺ももっとしっかりしないとなぁ……。
 ということで、これでベスト8すべてが決定。結局勝ち残ったのはすべてグループリーグを1位抜けした国だけという、珍しい結果となった(そこにコスタリカが入っているのがまた……)。
 ベルギーの次の試合はアルゼンチン戦。これも楽しそうだ。準々決勝は4試合とも観ないとすまない気分になっている。いやぁ、次が週末でよかった。素晴らしいスケジューリングだな、FIFA。
(Jul 02, 2014)